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理科系夫、郵便局に年賀状を買いに出かけた。

ちょうど雨の降る寒い日だった。
手袋もせずに出かけた理科系夫。
郵便局に着いたときには、すっかり冷え切っていた。

幸いなことに郵便局は空いていた。

ちょっと小太りのおばさんの局員が窓口にいた。

理科系夫「年賀状130枚ください」

おばさん「ありがとうございます。よかったらお使いください」

そういって、お正月に使う箸のセットをおまけにつけてくれた。
支払いをしようとお札を出したが、手がかじかんでいて、ちょっともたついた。

すると、窓口のおばさんが
「1000円札が1枚多いです」と言って、お札を戻してきた。

理科系夫「いや、手がかじかんでしまって、うまくお札が取れなかったみたいです」

おばさんはちょっと笑って
「こちら、よかったら、お使いください。寒いですから、風邪をひかないように」

と理科系夫に小さな袋を渡してきたのだ。

中には使い捨てカイロがひとつ

ーーーー

会社から帰ってきたあつこに
夫は郵便局の出来事を話したのだ。

あつこ「そう、よかったね。ちゃんとお札も戻してくれるし、配慮があるね」

理科系夫「手がずいぶんかじかんでいたようだ」

でもあつこは、感じてしまったのだ。

今までお札を出し間違えることなんて、なかった理科系夫。
手がかじかんでるとは言え、やっぱり年齢は正直なのだろう。

ーーーーー

あつこも、会社で
(今までだったら絶対こんなミスしなかったのに)と情けなく、少しだけ悔しい思いをしてる。

そう、理科系夫もあつこも
順調に年齢を重ねている。
(順調という言葉に違和感があるが)

仕方ないことだけれども。
そう、本当に仕方ないことだけれども。
ーーー

重ねる年齢とうまく付き合っていく方法を、
探っていく時期に入ったのだ。

毎回きちんと確認するとか。
少しでも楽な手順を考えるとか。
手抜きでもきちんと栄養を考えて、食事が作れるとか。

そして、人の優しさが、より身に染みるような年齢になっていくのだろう。

歳を重ねる上での小さな工夫も、これからノートにも書いていきたい。
そして他人の知恵もnoteで吸収していきたい。

ああ。こうやってシニア世代に入っていくのだなぁ。

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