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呪いの言葉は「○○してはいけない」

あなたは
 「人に迷惑をかけてはいけない」
 が、口癖になっていませんか?
 
私も親にそう言われてきたし、子どもにもつい言ってしまいます。
 
でも、それはとても恐ろしい呪いの言葉なのです。
 
今日のテーマは、この呪いの言葉と呪いを解く方法です。

親から子どもへ引き継がれる言葉


「他の人に迷惑をかけてはいけない」

「自分のことは自分でしなさい」

「安易に人を頼るな」

「心配かけるな」
 
子どもの時、親や大人から何十回、いや何百回、数えきれないほど言われてきました。
気がつけば自分も子育て中、いつも繰り返し言っていた言葉です。
 
「ひとさまに迷惑をかけない子どもに育てなければいけない」
と思っていました。
 
ところが、成人になった娘から思わぬ反撃があったのです。
 
「お母さんはいつも迷惑をかけるなと言うけれど、
 私は他の人に迷惑をかけていない。お世話になっているだけだ」と。

娘の反撃


「えっ?!どういうこと?」
困惑した私に娘は続けて言います。
 
「私が困っている時は周りが助けてくれる。
 そして別の時に私も周りをちゃんと助けている。
 決して迷惑をかけていない」
 
予想外の答えに一瞬、「屁理屈」と思いました。
でも、冷静に考えると娘の言う通りです。
 
迷惑とは、相手が嫌がっている状態。
相手が嫌がらずしてくれるのは、お世話になっている、
助けてもらっているが正解。
 
娘に見事、一本取られました。

「人に頼る」ということ


人のお世話になるのが得意な娘とは違い、私は人に頼るのが苦手です。
 
「どうにかして自分でやらなくては」
とジタバタした挙句、人に迷惑をかけ、とても落ち込むこともあります。
 
一方で、人に頼られるのは嫌いではなく、むしろ喜んで「任せて!」と
はりきるタイプ。
 
もちろん度を超えたお願いはキッパリ断ります。
迷惑だから。
 
「あら?」
 
お世話するのと迷惑の違いをしっかり認識していました。
 
それなのになぜ、人に頼ることを迷惑と考えてしまうのでしょうか。
 
幼いころから、親に「人に迷惑をかけてはいけない」とくりかえし言われて、意識の中にすりこまれた「呪いの言葉」だから?

素直に頼ろう

歳をとると、できないことが増えて、人に頼らなくてはいけない場面が多くなっていきます。
 
それなのに、その時「人に迷惑をかけてはいけない」という呪いを掛けられていると、素直に「助けて」というのが難しい。
 
何とかしたいと思っても、思うようにならない自分の体と心。
 
「自分は迷惑をかけるだけの存在だ」
 
「何もできない厄介者だ」
 
呪いの言葉にどんどん追い詰められて、どうにもならなくなっていく。
 
人生の終盤に、これはつらいです。
 
助けが必要な時は、「助けて」と言わないと周りは気がつきません。
 しっかり声をあげるためには「呪い」を解かないといけないのです。
 
人に助けてもらうことは、決して迷惑を掛けることではありません。
苦しいときは「助けて」と言っていいのです。
かならず助けてくれる人がいます。
 
その人にとって、あなたを助けることは迷惑なことではないのです。
かえって役に立ててうれしいと思っているかもしれません。
 
私に掛けられていた呪いは、娘の一撃で解けました。
 
キツイ反撃でしたが、おかげで意固地になって、何が何でも自分で
解決しようとするのはやめられるようになっています。
 
「人に迷惑をかけてはいけない」をつい言ってしまうあなた。
 
迷惑をかけることとお世話になるのは違います。
1人でがんばらなくて、いいのです。

弱みを見せることは恥ずかしいことではありません。
むしろ、弱さを見せたほうが、周りは手助けしやすくなります。
 
あなたの呪いも解けて、生きることがラクになりますように。


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