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サウナ×アイスコーヒーのペアリングに挑む。「KIWAMI SAUNA COFFEE」の誕生

開発のきっかけ

サウナ後のアイスコーヒーとの衝撃的な出会い

バリ島ウブドのBoreh Pijat Sauna で飲んだ、サウナ後の「コピ・ルアク」

 2023年2月のことでした。これまで日本国内数多くのサウナを巡ってきた僕は、インドネシアはバリ島ウブドに気になるサウナがあり行ってきました。 
 そこで、サウナ後に一杯のアイスコーヒーが出されました。最初の一口を飲んだ瞬間、衝撃が走りました。
 今まで飲んだコーヒー、いや、飲み物で、こんな衝撃は初めてでした。

 極限のリラックス状態で飲む香り豊かなコーヒーの味と香りが、サウナの余韻と完璧に調和していて、涙が出そうになるほどの感動に包まれました。
 
 そして、サウナとアイスコーヒーの組み合わせを楽しむことで、サウナ体験全体がより至福の時間となることを確信しました。

 聞くとそのコーヒーはコピ・ルアク(最高級とも言われるジャコウネコのフンから取れる未消化のコーヒー豆)だったのでそもそもコーヒー自体がかなり美味しかったのですが、それでも、サウナ後のアイスコーヒーの右に出るものはない、と感じた瞬間でした。

 ちなみに「たまたまいいコーヒーが手に入ったから出してあげるよ。」と言って淹れてもらえました。普段はお茶だそうです。強運!


「KIWAMI SAUNA COFEE」の 開発

 バリ島から帰国して、興奮冷めやらぬうちに開発を始めました。
 まずは様々な豆を購入しては試飲を繰り返し、産地毎の特徴や、栽培・収穫、生産処理、焙煎など様々な要素が絡みあっていることを学びました。
 
 単にコーヒーと言っても本当に奥深いものだということがわかったと同時に、KIWAMISAUNAチームだけでは、本当の理想のコーヒーを作るのには、時間がかかりすぎることを実感しました。。

とにかくたくさん試飲、豆の味と香りの特徴を掴んでいきました。

 そして、、さらに壁にぶち当たります…。
 最高のコーヒーを作るためには、様々な種類の豆を様々な焙煎で試作し、それらを最適な組み合わせでブレンドする必要があります。
 しかし、豆の仕入れルートや本格的な焙煎設備、そして最適なブレンドを作るための知識を持ち合わせていない僕たちは、試作品の、最高のコーヒーには程遠い味に絶望を感じていました…。

喫茶ニューポピー尾藤さんとの出会い

喫茶ニューポピーの尾藤さんとKIWAMISAUNA前で


 そこで、様々な知人を頼って、一緒にコーヒー開発をしてもらうのに適任な方を探しました。
そして出会ったのが、「喫茶ニューポピー」オーナーの尾藤さんです。

 ニューポピーは、KIWAMISAUNAからもほど近い四間道で、たくさんの人から愛される喫茶店。
 尾藤さんは、2011年からコーヒー豆の焙煎卸「BEANS BITOU」の代表もされており、最高のコーヒーを目指す上で、まさに最強の開発パートナーに巡り合うことができました。

 それからは、お互いのお店の営業前の7時台から喫茶ニューポピーにおじゃまして、あーでもないこーでもないの繰り返し。。

尾藤さんとの出会いをきっかけに、ついに、
「KIWAMI SAUNA COFEE」の開発が、本格的にスタートしました。

喫茶ニューポピーにて試作(右:尾藤さん、左:岸田さん)

サウナ×アイスコーヒーのペアリングに挑む。

ロウリュアロマに合わせるべき、コーヒーがある

 イメージが固まったら、すぐに場所をKIWAMI SAUNAに移しました。
 今回のコーヒー開発の目的は、単に美味しいコーヒーを作ることではなく、"サウナ後に飲む最高の"コーヒーを作ることです。

 サウナ後は五感が研ぎ澄まされる感覚になりますが、その中でも特に、ロウリュのアロマとの「香り」の相性にフォーカスして開発を進めました。

 アロマの香りを
・シトラスやユーカリ、メンソールなどの、すっきり系。
・白樺やタールなどのアーシーでウッディーな、どっしり系。

の二つに分類した上で、それぞれに合うコーヒーを徹底的に追求しました。

外気浴スペースでコーヒーを淹れる
喫茶ニューポピーの岸田さん

 豆が決定したら、焙煎や抽出の方法を徹底的に突き詰めて微調整していきました。

 「サウナ→水風呂→外気浴→コーヒー」このループを何度繰り返したかわかりません。
 当然営業を続けながらの開発なのでスケジュール的にすごく大変でしたが、実を言うとサウナ後に美味しいコーヒーを飲み続ける日々は、正直すごく幸せでした(笑)

 そうして、あのバリ島での衝撃から約4ヶ月の開発期間を経て、ついに、開発チーム満場一致で『最高』と言える、2種類のコーヒーが完成しました。

 尾藤さんからは「カフェにもここまで試作繰り返しをリクエストされたことはない。」と言われてしまうほど、こだわり抜いて何度も何度も試作をお願いしました。

 何日も何日も夜遅くまで試行錯誤していただき、本当に理想の味を表現していただいた尾藤さんと岸田さんには、心から感謝の気持ちで一杯です。

完成した「KIWAMI SAUNA COFFEE」

①FLORAL BRIGHT BLEND

 シトラスやユーカリ、メンソールなどのロウリュとのペアリングで楽しむ

FLORAL BRIGHT BLEND


エチオピア・アリーチャ:柑橘系、ベリー系の甘味、フローラルな香り、明るい酸味
ケニア・ガチュヤイニAA:ピーチやカシス、チェリーのような個性的な果実感

 この2種類をブレンドすることで、重層的な華やかさ、加水されてもコーヒー感が残りフルーツジュースのようなニュアンスのあるコーヒーに仕上げました。

 シトラスやユーカリ、メンソールなどのロウリュの後に飲むと、華やかな香りが一気に広がり自然とにやけてしまうような、そんなブレンドです。

②DEEP FOREST シングルオリジン

 白樺やタールのアロマ、サウナ室自体の檜の香りとのペアリングで楽しむ

DEEP FOREST SINGLE ORIGIN


インドネシアアルコセミウォッシュト:インドネシア特有のスマトラ式の生成方法を採用。白樺のようなウッディーな香りが感じられ、どっしりとしたコクが魅力的で、シナモンや葉巻、ハーブなどのエキゾチックな香りも感じられる。

 白樺やタールなどのアロマ、サウナ室自体の檜の香りを感じた後に飲むと、大地のようなフレーバーと表現されることもある落ち着いたコクのある香りで、さらに深いリラックスへと導かれるような、そんなコーヒーです。

終わりに。

アイスコーヒーを飲むまでが、サウナだ。

 最高のサウナできわまった後に飲む、こだわり尽くしたコーヒー。

 FLORAL BRIGHT BLENDの鼻から抜ける爽やかでフルーティーな香り。
 DEEP FOREST SINGLE ORIGINの深いコクと白樺のようなウッディーな香り。

 これを味わうまでが、KIWAMISAUNAの究極のサウナ体験です。

 究極のサウナ体験を追求し尽くした、あらゆるアイデアと体験の数々を、KIWAMISAUNAでぜひ感じてみてください。



◇産地情報(FLORAL BRIGHT BLEND)

エチオピア イルガチェフェ アリーチャ
生産地 コチャレエリア アリーチャ地区
標高  1800‐2000m
品種  在来種
精製方法  ナチュラル

ケニア オタヤ農協 ガチュヤイニAA
生産地 ケニア中央部セントラル州ニエリ地区ガチュヤイニ村
標高 1800‐2000m
品種 SL28 SL34 ruiru11
精製方法 ウォッシュト

◇産地情報(DEEP FOREST シングルオリジン)

インドネシア クリンチマウンテン ALKO
生産地  スマトラ島南部 クリンチマウンテン周辺 カエアロ村
標高  1300‐1650m
品種  シガラルタン
精製方法  スマトラ式



バリ島のサウナがやばかった件(余談)

バリ島ウブドのBoreh Pijat Sauna

 サウナ後のアイスコーヒーとの出会いをもたらしてくれたバリ島のこのサウナがやばかったのでちょっとだけ解説。
 まず、ターメリック、ジンシャー、お酒をすり鉢で吸ってペースト状にしたものを全身にくまなく塗り、サウナに入ります。

ジンジャー、ターメリック、お酒をすり鉢でペースト状に


 サウナは、薪で熱したスチームをサウナ室内に入れて温める、スチームサウナです。

写真の右側がサウナ室


 ウェット&マイルドなサウナ室は50℃に満たないくらいですが、ペーストのジンジャー、ターメリック、アルコールのおかげでじんわり、ポッと熱くなってきます。

ペーストを全身に塗りたくって蒸される


 15分ほど入ると充分に全身が温まり、そこから冷水シャワーで一気にペーストを流し、身体をクールダウンします。(これもペーストのジンジャーやターメリックが一役買っていて、)洗い流した時のスースー感というか、爽快感が最高です。
 洗い流したら体を拭いて、庭のござが敷いてあるスペースに横になって風を浴びます。

ござの上で外気を浴びながら休憩。

 ここで運ばれてきたのが、前述のアイスコーヒー。 最高でした。。

働いてるのか遊びに来てるのかわからない女の子たちのホスピタリティもgood。

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