今週のエコノミスト Vol 1. 海の上にデータセンターを作るマイクロソフトの試み他
こんにちは、Teshi(@atsuhio)です。フィリピンに住みつつ、欧米の子供向けプログラミングスクールCodeGrit Jrを開発中です。オンライン英会話サービスも運営しています。
毎週日曜は英エコノミストに関する記事を書いています。マイクロソフト創業者のビル・ゲイツが新聞は読まないけどエコノミストだけは読んでいると聞いてから信頼できる経済誌なのだなと思い読んでいます。
1. マイクロソフトによる海の上に浮かぶシリンダーをデータセンターにする試み
マイクロソフトが実験的に今年の初めごろから筒状のコンテナーを海に浮かべ、その中にサーバーを置いてデータセンターとする試みを行ったそうです。写真のように陸とケーブルでシリンダーをつなげてその中には大量のサーバーが置いてあるということですね。
結果として、陸の上のデータセンターに比べて故障率が1/8まで落ちたそうです。人が入らないようにして、中を酸素の変わりに窒素で満たし腐食が進まないようにしたことなどが原因とのこと。
更に、水の上にあることで都市圏(世界の人口の半分は海から192km内の場所に住む。)から程近い場所にあっても、土地代が安くすみ、更に冷却費も海の水が熱を下げてくれることで下げられるそうです。
これが進めば、他社も同様の試みを始めてクラウドのコストが更に下がる可能性がありますね。
2. 経済はコロナ前の水準に戻るのかに関する分析記事
この記事では、現在の世界の経済状態と今後それが戻るのかについて書かれています。
2020年に関していうと、中国だけが若干の経済成長を達成することができ、他の国に関してはアメリカは頑張っているもののイギリスは10%近い落ち込みを見込んでいます。
興味深いのは、発展途上国ほどGDPの落ち込みが大きいことがデータに如実に現れていることです。(イギリスのような例外あり)
先週のエコノミストでは、南米の現在の状況について記事があったのですが南米では多くの人がパソコンを自宅に持たないため子供達はほとんど学習ができないような状況だそうです。
僕のいるフィリピンも同様で、学校は休みでパソコン上から授業を行おうとしていますがほとんどの家庭にはパソコンもインターネットもなかったりします。そうすると家で仕事することもできないし、教育もできずますます格差が広がってしまいます。これがGDPに現れているなと思いました。
中国はデジタル化が世界で一番進んでおり、そのためにコロナ下でも経済を発展させることができたということだと思います。
日本はGDP成長率-4.5%を今年見込んでいて、大体世界の平均ぐらいの水準です。これを機会に強制的にIT化が進んで中国並みになってほしいですね。
電子署名の法的懸念を解消するというこちらのニュースをみるとかなりいい方向に進んでいるなと感じています。
3.テスラバース(Teslaverse) - 電気自動車の競争に関する記事
この記事が一番面白かったです。テスラがなぜトヨタよりも高い時価総額をマークしたのか、他社はどう対応しているのかに関する記事です。
記事によると、電気自動車あるいはハイブリッド自動車のシェアは2025年には20-25%に達すると見られており、その内のテスラがシェアを握るだろうとのこと。
テスラの強みは早くから開発をしているためバッテリー技術で他社を3年は先行していること。
またそれだけではない優位点がテスラは外注をせずソフトウェア、組み立て、バッテリーなどのハードウェアの開発についても自社で全て行っていることです。そのためにテスラはエネルギー効率の高い自動車を他社よりも安く作ることができます。他社の場合は、ソフトウェアやパーツの製造などほぼ全て(記事によると自社でやるのは2−3%程度、フォルクスワーゲンはソフトウェア開発の内自社でやるのは5-10%)外注しており、一貫した開発ができません。
テスラに対抗しようとしているのが中国の自動車会社で政府が支援している他ビルゲイツなども中国企業に投資しています。また電気自動車の半分は中国で販売されているため中国はこの点でも地理的優位性を確立しています。とはいえ、例えばアップルは電気自動車業界に一時参入しようとして撤退するなど電気自動車の開発のハードルは大企業にとっても非常に難しいとのこと。掃除機のダイソンは電気自動車の開発に数百億円のお金を費やして形にできないまま撤退しています。この点でも、すでに技術を持ちシェアを持っているテスラは有利な立場にいるとのこと。
中国とアメリカ間の新冷戦の緊張感が増している中、中国電気自動車スタートアップとテスラの対決はとても興味深いなと思いました。
単語のフラッシュカード
記事の中に出てきた単語をQuizletでフラッシュカードにしました。英語学習中の方はご活用ください。
まとめ
エコノミストの記事全体として、やはりコロナに対してどう企業が対応していくのかという記事が多いですね。今後毎週日曜をエコノミスト記事の紹介を行っていきますのでもしこの記事が役に立つと感じた方はシェアや僕のTwitter、noteを是非フォローお願いします。