TOEIC のリスニングに「倍速」は効果的である3つの理由
TOEIC のリスニングのスコアアップをしようと情報収集をしている中で、「倍速が効果的」という話に出会ったことがありますか?
「1.2倍速がいい」
「1.5倍速くらいがちょうどいい」
「2倍速で負荷をかけろ」
などなど。
どの主張が正しいのかが迷うところだと思います。
そこで、TOEIC を素材に10年以上学習して、実際に学生や社会人に指導してきた僕からの経験をお話させていただきます。
結論:倍速は効果的。オススメは1.2倍速。
なぜこの結論に至るのかをご説明します。
1.オリジナルの音声がゆっくりに聞こえる
初めて聞く音声はどうしても速く聞こえるものです。
特に、オーストラリア人男性の英語は機関銃のように聞こえるのではないでしょうか。
しかし、倍速で聞くことが普通になると、オリジナルの音声がゆっくりに聞こえます。
今、自分がお手持ちの音声を倍速で何度か聞いてみてください。そのあとでオリジナルの音声を聞くと、たったその数回だけでも、オリジナルの音声がゆっくりに聞こえると思います。
倍速で聞くことをトレーニングの中に取り入れれば、試験のときも間違いなくゆっくりに聞こえ、それによって、クリアに理解できることにつながります。
ただ、注意点が2つあります。
まず、語句はもちろん、文法や構文を理解した素材をトレーニングの素材に使いましょう。意味のわからないものをなんとなく聞いているだけでは力はつきません。これは倍速であろうと、普通の速度であろうと、同じことが言えると思います。
例えば、自分の知らない言語を聞き流すだけで力はつきません。それと同じで、英語も理解したことを前提にして、リスニングに取り組むようにしましょう。
次に、普通の速度で「速い」と感じる方は倍速はやめましょう。速くしたら余計に聞き取れなくなるだけです。
むしろ、自分が聞き取れる速度に落とすくらいがちょうどいいと思います。
2.復習が早く済む
当然ながらオリジナルよりも倍速の音声の方が速く聞き終わるので、復習が速く終わります。
他の学習に時間を充てることができますね。
問題を解かずに、素材となる音声だけ聞くというトレーニング方法を活用すれば、もっと速くトレーニングを終えることができるでしょう。
3.毎日聞く
これは「倍速を効果的にする」ために必要なことなのですが、毎日倍速の音声を聞く必要があります。というのも、耳はすぐに鈍っていくから。
高速道路の例を出しましょう。高速道路に入ると、最初はものすごいスピードに感じます。しかし、走っているうちに慣れていきます。そのあと、高速道路を降りると、普通の道がゆっくりに感じるかと思います。ただ、それから、普通の道を走っていると、それがまた普通になってしまい、改めて高速道路に入ると、スピード感に戸惑うのではないでしょうか。
これと同じです。
普段から倍速を聞いていないと、本番が始まって最初のうちは「ゆっくりに感じる」と思うかもしれません。ですが、そのうちそのスピードに慣れて、結局は倍速を聞いたメリットがなくなってしまいます。普段から速いスピードに自分を慣れる姿勢が大事です。
毎日倍速の音声を聞くようにして、耳を倍速仕様にしておきましょう。そうすることで、本番でずっとゆっくりとクリアに聞こえる自分に出会えるはずです。
(番外編)
*『公式問題集』のナレーターに慣れよう
さまざまな対策本や情報サイトで言われていることですが、『公式問題集』を使った学習は外すことができません。本番で同じナレーターが出現することがありますから、その声や話し方を聞いておかないのは損です。他の市販の問題集よりも優先順位を上げて取り組むようにしましょう。
*速すぎないスピードにしよう
結論で書いたように「1.2倍速」が適切だと考えています。というのも、1.5〜2.0倍速だと音が崩れてしまうことがあるからです。
また、あまりにも速すぎて聞こえたつもりになってしまう可能性があります。それでは、トレーニングの意味がありませんので、ちょうどいいスピードで聞く必要があります。今までさまざまなスピードでトレーニングを試してきましたが、その適切なところが「1.2倍速」だと考えています。
まとめ
倍速が効果的だと聞いたものの、なかなか一歩踏み出せなかった方の力になれれば幸いです。
倍速は相当な負荷をかけるトレーニングですが、倍速の音声を聞いて理解するためには処理速度を上げなくてはなりません。毎日聞くことで、自分の中で「倍速が当たり前」になっていきますから、その日が来るまで歯を食いしばっていきましょう。
もし内容に共感をしていただき、有益だと感じていただけたら、サポートをお願いできますと幸いです。情報を広める手段として使用させていただきます。