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映画『私の知らないわたしの素顔』

2020/2/13
ぽんちゃんが横浜のシネマジャックアンドベティへ行きたいと言っていたので、二人で『私の知らないわたしの素顔』というフランス映画を観に行く。
シネマ・ジャックアンドベティでフランス映画を観ると決まっていびきが聞こえる。わたしはあれはいつも同じおじさんだとにらんでいる。

『私の知らないわたしの素顔』
50代の大学教授がSNSの世界でバーチャル恋愛にはまっていく顛末を描いたジュリエット・ビノシュ主演の心理サスペンス。パリの高層マンションに暮らす50代の大学教授クレール。ある日、年下の恋人にフラれてしまったクレールは、ほんの出来心でSNSの世界に足を踏み入れる。Facebookで「24歳のクララ」に成りすましたクレールは、別れた恋人の友人アレックスという男性とつながる。(映画.comより)

観てきたフランス映画の数はたいしたことないが、なんとなくいつもの強気な「大人の女の恋愛」じゃなくてあやしいぞ、と思う。スクリーンの中のフランス人はいつも年を重ねてからが本当の女!若い女なんてヒヨコ!みたいな勢いなのに、この作品の主役クレールはしきりに老いを気にする。

サスペンスとうたっているけれど『ドキン』『バタン』というものではなく、まったりと物語は進む。じんわりと退路を絶たれるようにまったりと。

『人形の家』を語るクレールが印象的だった。お人形遊びをする子どものように、自分の思うように進めていく。お人形の家の中では彼女は自由だ。イプセンの『人形の家』から出ていったのは女だったが、この物語の中ではどうだろう。ネタバレをふせぐためにもう口を閉じよう。

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