お初に読みます『おばちゃんたちのいるところ』
図書館で本を借りるときは
読んだことのある作家×和書 & 翻訳物
読んだことのない作家×和書 & 翻訳物
で選ぶようにしている。
今回の出会いは
おばちゃんたちのいるところ - Where the Wild Ladies Are / 松田 青子
読み始めはとても軽い。
ちょっと軽すぎたかな?とためらうくらい。
失恋後の女性が脱毛サロンで
わたしはもっとしあわせになる、と
自己暗示をかける話から始まるのだから。
その心配は割と早く消える。
有名な怪談噺や民話をモチーフに、
軽やかな松田青子さんだけの物語になる。
短編集にしては一編が短い。
全体を通してつながったり、
とてもつながりが弱かったりする。
そんなふわふわとしたところが、
あの世とこの世の話にぴったりだ。
読みながら、
子育て幽霊の話が好きだったことも思い出す。
子のために飴を買いに来る幽霊の話だ。
ご飯が大好きで、
亭主の寝ている間にお櫃のごはんを
髪の毛をかき分けた後頭部の口から
かっ喰らう化け物女の話も好きだ。
脱毛サロンですべすべにならんとする話から
「人」に戻っていく感じ。
怪談モチーフなのに登場人物が
どんどんと活き活きしてくる。
明るくて少ししっとりしている不思議な物語。
松田青子さんのほかの本も読みたい。
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