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私がここから一歩を踏み出す話。


「正直にいうと、君は自分の思っている君と周りから見えている君に大きなギャップがあると思う。君はどうして自分で考えていることがきちんとあるのに『あんまり考えたことないけど』や『具体的に考えたことはないけど』という枕詞を使って自分の考えに蓋をしてしまうの?僕は、それはものすごくもったいないことだと思う。」


これは、来年の春から働くことを決めた会社の2次面接で言われた言葉。この会社は、私が夏頃に受け始めた会社で、ある程度就活で失敗しまくった 後に受けた会社だった。この言葉を聞いて私はショックで、恥ずかしくて、穴があれば入ってしまいたかった。別にたくさん受けたからって偉いわけではないけど、たくさんの会社の採用試験を受けて、たくさん不合格通知をもらって。時には内定を辞退したりしながらその度に自分の将来に向き合ってきたはずなのに、結局は自分の考えを人にどうみられるかを気にしながらでしか表現することができていなかったということをこの時初めて知ったのだ。求められる答え、欲しいと思ってもらえるような答えを準備することは次第にできるようになっていった。でもそれと同時に自分が本当に思っていることに耳を傾けることができなくなっていった。「そんなことを伝えても仕方がない」「こんなつまらないことを考えているやつだと思われてしまったらどうしよう」。いつしか、自分の考えていることを正しく捉えようとすることを諦めてしまうようになった。現実的じゃなから、到底叶いそうにないから。

ちなみに、冒頭の質問に答えられなかった私はこの採用試験が再試験になった。不合格にされてしまうだろうと思ったから、なんだか狐に摘まれたような気持ちになった。びっくりだよね。昨年IHクッキングヒーターの上に瓶を落としてぶっ壊して全額弁償になってしまったことも、二日酔いの後輩が寝てる間に私の部屋の床に吐瀉物をぶち撒いていたことも、ゴキブリ退治をしていたら裸足のままオートロックで家から締め出されたことも、全部この時のために運を守っていたことなんだろう、と感じられた。私は無い脳味噌を振り絞って考えた。自分の人生を本当に自分で生きていきたいならば、自分の考えと戦わなければダメなんだ。考えっぱなしで捨ててしまったり、適当に放置してしまうことはやめよう。誰かに評価されるためのものではない、自分が自分を認めてあげられるような、自分の考えを伝えることに挑戦しよう。そうやって等身大の自分を試していきたいと思った。自分が考えていることをまっすぐに伝えたり、自分が思う自分をまっすぐに表現していけるようになりたいと思った。

その再試験で、私は丁寧に自分の言葉で、自分の話をした。まだまだ完璧ではなかったし、自分の考えを伝えることは想像以上に難しくておぼつかない説明になってしまったけれども。その時にやっと、自分の考えを誰かに伝えることがこんなにも難しいことだったんだ、ということを認識した。伝わらなかったから、難しいと感じたのではなく、今まで伝わっていなかったことに驚き、伝え直そうとすることができたからこそ、本当の意味でのコミュニケーションが難しいことに気づけたんだと今思う。この面接で、面接官は私にこんな言葉をくれた。

「君が思っているよりも、世界は、君の周りの人たちは、踏み出した一歩を応援してくれるし、頑張っている君を引き上げてくれる。だから恐れないで君の気持ちをきちんと外にぶつけて欲しい。」

この試験を通して、私は変わりたいと思う気持ちに向き合った。まずは自分の考えていることを恐れずに伝えられるようになりたいと思ったし、それができるぐらい自信が持てる何かに挑戦したいと思った。周りから見れば、ちっぽけなことなのかもしれない。イチ就職試験をいちいちまともに捉えすぎなのかもしれない。けれど誰から見てどうとか、未来の自分のためにとか、そういうことじゃなくて、今の自分がそうありたいと思ったことに変わりはないし、そんな自分をきちんと受け止めたいと思ったのだ。それに、面接官からもらったその言葉が響いてしまうくらいには、私自身が挑戦できる環境を運良く知っていて、そこに飛び込もうと思える気概が備わっていることに気づかされてしまった。青臭いなあ。

「自分で自分を評価してあげられるようになりたい」。だからこそ、自分が一番いい状態で頑張れるような環境に身をおこうと思った。カタチから入っているのかもしれない、その場に身を置くだけで満足してしまうのかもしれない。それでも、「ここで頑張りたい」と思える環境に出会えたこの運を、巡り合わせを大切にしたいと思った。そう思えた場所であるからこそ、自分のありたい姿になるために挑戦していきたいし、そんな自分に恥じない何かでありたいとも思った。そう思って踏み出した先が、現在のインターン先のco-ba takamatsuでした。

co-baのことは大学の授業(私の大学で当時開講されていたあなぶきグループの授業。講義名は『実践で学ぶ地域密着型ビジネスA』笑)で知ってはいたけれど、そこにはどんな人がいて、どんな空気が流れているのかを知ったのは本当に最近のこと。ひょんなことでco-baの先輩に出会って、なんだか時間が経っていくうちに、その先輩自身や、その周りにいるco-baの人たちがなんだか面白い人くて、もっと知りたいと思える人たちであることを知って。「魅力的」とか「素敵」とかなんだか月並みな言葉で綴ってしまうのが悔しいぐらい私にとっては刺激的で。

圧縮済みキャンプ

そんな素敵な場所があるにもかかわらず、私がチキってもじもじしていたところを、co-baの先輩に背中を最後の一押ししてもらって。この先輩にも就職活動で悩んでいるところに何度も助け舟を出してもらった。その会社の内定が出たことはきっとco-baのおかげだし、co-baのインターンに関われたことは、内定をもらった会社のおかげ。相補性、とやらを感じました。

co-baの会員になりたい!と連絡することを決めた夜、それが、生まれて初めての再試験、それもまさかの就職再試験の前夜だった。就職試験の前夜は、奇しくも私に取っては残りの大学生活の半年をかけた革命前夜になったのでした。

インターンを初めてもうすぐ2ヶ月。きっとインターンをしていなければ気づくことができなかったことにたくさん気づけた。自分のことや周りのこと、向き合う機会がたくさん用意されていたな、と思う。2ヶ月とは思えないぐらい濃い時間で、その分たくさん迷惑もかけてしまいましたが、いじけている時間もないぐらい、きっと私に残されている時間は少ない。


4年生の夏から始めた約半年間のインターン。友達に話してもびっくりされるのがほとんど。そりゃ当たり前だ。

なんだか展開の早い、それでいてワクワクする私の学生生活最後の革命は、まだまだ始まったばかりだ。


コジキなので恵んでください。