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湧き出る地下水がホントの気持ちーー夫婦を変える「感情の言語化」はどうすればできるのか?

つい、夫や妻に怒ってしまう。言わなくてもいいことや、言いたくなかったことすら言ってしまう。

2人の間にネガティヴな空気が蔓延し、窒息しそうになる。

そんなことってありますよね。ぼくらは疲れていると余計にそうなりがちです。

では、どうすれば防げるのか?

それが「柔らかな感情の言語化」です。

怒りのままに負の感情をぶつけるのではなく、怒りの下にある素直な気持ちを言語化するんです。

柔らかな感情の言語化とはなにか?

柔らかな感情の言語化とはなにか?ぼくはこう定義しています。

怒りや嫌悪に導かれネガティヴループにハマるのではなく、怒りと嫌悪の下にある愛着欲求をすくいとり、落ち着いた気持ちで言葉にすること。

愛着欲求とは、大切にして欲しかった、悲しかった、寂しかった、といった見つめることが辛く、心の奥底にある素直な気持ちのことです。

怒っている時って、この愛着欲求がぜんぜん見えないんですよね。

お前が悪い、こっちの気持ちをまったく理解しようとしない…!

そうなりがちですよね。大切にされてないと感じれば怒りが湧いてくるのはしかたないことですから。

感情の言語化とは、こういった怒りや嫌悪の下に隠された素直な本音を見つけ出し、言葉として表現することを指します。

感情の言語化はなぜ夫婦関係を改善させるのか?

では、なぜ、感情の言語化は夫婦関係を改善させるのでしょう?

怒りや嫌悪は素直な気持ちではなく、人の本能的な攻撃要素が含まれるため、2人に距離を生むからです。

夫婦関係修復率70%を超えるカップルセラピー、エモーショナリーフォーカストセラピー生みの親、スージョンソンは著書(わたしをぎゅっと抱きしめて)のなかで、この現象を三つのダンスと呼んでいます。


人は攻撃されていると感じると脅威から逃れるため、戦うか逃げるかの二択を本能的に取ります。

コンパッションという心理学の概念では脅威システムと呼ばれ、脅威システムから行動に移ると、まあろくなことになりません。

相手を罵倒するか(攻撃)、嫌悪するか(逃げるか)しかできませんから。

逆にネガティヴループに巻き込まれずに怒りや嫌悪の下にある素直な感情(大切にされたかった、寂しかった、悲しかったなど)を伝えることで、相手の柔らかな本音を知り、受け止めやすくなるんです。

「このヤロー!」とか、「なんでなのよ!」と怒られるより、「寂しかった」とか「大切にされたかった」と言われた方が受け止めやすいですよね。

どうすれば感情は言語化できるのか?

では、どうすれば感情を言語化できるのでしょう?そのためには、「井戸掘りをイメージする」のがおすすめです。

地面を掘っている時は土しか見えないですよね。土が爪に食い込み手が汚れていく。茶色い土しか最初は見えない。

この土が怒りや嫌悪といった表面的な感情です。

怒りや嫌悪は生き残るための必要な本能であり、避けることは難しいです。ですが、そこに身を任せるのではなく、認知し、コントロールすることは可能です。

なぜ、怒りや嫌悪を感じるのか?

なぜなぜなぜ?と何度も深く問いかけ続けるんです。紙やスマホのメモ帳にテキストとして書き出すとやりやすいです。ぼくは紙に箇条書きで書き、矢印を引いてどんどん階層を深くしていきます。

すると、ほんとうは寂しかった、ないがしろにされた気がした、大切に扱って欲しかったといった気持ちが地下水が湧き出るようにじわりと出てくるんです。

それが「柔らかな感情の言語化」です。

上手にできるようになる方法は?

一人でやるのは苦手な人もいるかもしれないですね。仕事に家事に束の間のエンタメ(YouTubeやネットフリックスとか)、忙しすぎる毎日を送っているぼくらは、ゆるやかな時間の中で内省する時間なんてなかなか取れないですから。

そんなときは誰かにインタビューしてもらいましょう。

なにがあったの?

そのとき、どう行動したの?

そのとき、どう感じたの?

なぜそう感じたんだろう?

本当はどうして欲しかった?

当時に戻れるなら、自分になんて声をかけてあげる?

そう問いかけられると、怒りや嫌悪やこうあるべきといったしがらみから解き放たれ、本来の自分が抱えていた柔らかな感情が見えてきます。

ぼくの個人相談でも同じことをやっています。人はなかなか自分自身の心に気がつくことが難しいですから。ぼくだってそうです。

カウンセラー、心理士、メンタルクリニックなどを使って自分の心を探索してみてください。ぼくの場合、季節性気分障害(ウィンターブルーと呼ばれる冬季うつ病)の治療のたびに通っていたメンタルクリニックがすごく助かりました。

他の人に話すのは少し抵抗があるという方は、ワークシートを使うとうまくいきやすいです。

あらかじめ用意された質問に答えていくだけで、自分の感情が見えてきますから。

なにがあったの?

そのとき、どう行動したの?

そのとき、どう感じたの?

なぜそう感じたんだろう?

本当はどうして欲しかった?

当時に戻れるなら、自分になんて声をかけてあげる?

これらを自分で紙に箇条書きにして答えていくだけです。

もし、自分で用意が難しい場合はぼくの無料ニュースレター(夫婦関係学ニュースレター)の登録プレゼントとしても用意してますので、そちらを使ってみてください。

下のリンク先から登録いただくと、ワークシートのリンク先をお送りします。

少しでも参考になれば幸いです。

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この話はポッドキャスト「アツの夫婦関係学ラジオ」でもお話ししています。通勤や家事のおともにどうぞ!平日毎朝更新です。

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