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「夫に素直な気持ちを伝えても怒鳴られる。どうすればいい?」にお答えします。

寂しかった。悲しかった。

そういった素直で柔らかな気持ちを夫に伝えても、結局怒鳴られて終わってしまう。いったいどうすればいいのか?

そんなコメントをいただいたのでお答えします。本日のVoicyでもお話していますので、よろしければこちらもどうぞ。

パートナーに不満がある場合、怒りに任せてコミュニケーションを取るとネガティブなループにハマってしまいますよね。

怒ることで相手が脅威を感じ、こちらにも敵意を向けてくる。終わりのない怒りと敵意がグルグルと回り続ける。

そんなときは怒るのではなく、怒りの下にある感情を掘り起こし、それを伝えるのが有効です。

あのとき、こんなことがあって私は寂しかった。悲しかった。まるで一人で無人島に置き去りにされたような気持ちになった。

パートナーは思っても見なかったあなたの気持ちに気がつき、ケアをしなければと思うはず。

だけど、時々そうはなれず、相手の柔らかな気持ちを受け取ることを拒否する人もいます。

なぜ、彼らはパートナーが勇気を振り絞って伝えた気持ちを受け取らないのか?

そこには三つの問題があります。

一つは、パワーバランスの問題です。

男性は妻の収入次第で妻への共感的態度を変えると言われています。妻の収入が高いほど、妻に尊敬の念を覚え、妻の感情に共感するようになる。

そして、妻が自分(夫)に経済的に頼らざるを得ない状況であるなら、その優位性を無意識に感じ取り、横柄な態度を取り、妻の感情を無視するようになります。

もう一つは、妻から剥き出しの素直な気持ちを伝えられ、どうしたらいいのか困惑している可能性です。

ぼくもそうでしたが、妻から悲しさや寂しさを伝えられても、過去に戻ってケアしてあげることはできないわけで、今からどうしていいのかもわからず、その不快な状況から抜け出すために怒りの感情が現れたのかもしれません。

三つ目は、育った環境によって植え付けられたジェンダーロールによる、弱音を吐くことや吐かれることへの抵抗です。

泣くな!言い訳するな!言うことを聞け!

そう言われて育った男性も少なくないはず。家庭環境にもよりますが、40歳以降の人には多いんじゃないでしょうか?ぼくの家庭もそうでした。

父親に何を言っても「口答えするな!」と怒鳴られ、自分の気持ちにフタをし、いつしか自分の感情を感じ取ることも難しくなりました。

そういう男性にとっては、「弱音を吐くこと」は恥ずべきことであり、あってはならない行為です。いい悪いの話ではなく、経験からそう学習してしまっているのです。

ハーバード大学心理学部教授であったアルバート・バンドゥーラが提唱した社会学習理論によると、人は他者の行動を観察、模倣、モデリングすることにより学習していきます。

つまり、「弱音を吐かない、もしくは吐けない」環境で育った男性は、その人間像を自分の中に取り込んでしまうのです。

では、どうすればいいかについてお話ししますね。

夫の関係に悩んだ女性の中には、経済的自立を目指す方も多くいます。

これは夫への経済的依存を断ち切ることで、パワーバランスを変えようとする試みです。

そうすることで、夫にも妻への共感的能力が高まるのでおすすめです。ただ時間がかかりますし、子供が小さければ実行は難しいですよね。

なので、もし今は難しい場合は心のどこかに留めておくだけにしてください。

一番のおすすめは、「どうすればいいか」を夫に教えてあげることです。

夫さんはきっと弱音を表現したり受け取ることに抵抗を感じているはず。

そして、論理的に考える習性があるなら「気持ちを伝えられる」という「入力」を与えられても、「どうしたらいいのか」という「出力指示」を与えられていないから困っている。

困難な状況から抜け出すために脳の脅威システムが作動し、状況脱出のために怒りという感情を利用しているのだと思います。

であれば、「どうすればいいか」という出力指示を出してあげると、精神的に落ち着くかもしれません。

例えば、こんな風に。

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あなたに今すぐどうこうして欲しいわけじゃないの。

令和の平等なパートナーシップをあなたに押し付けているわけでもないの。

私たちの夫婦関係は私たちが作っていくものだから。

私はね、ただ、あなたに分かっていて欲しいの。

私がこう感じているということを。私の気持ちを。

ただ、そうなんだねと分かってくれればそれでいいの。

私にとって大切なあなたが、わたしの気持ちを分かっていてくれる。ただ、それだけでいいの。

--

本当は今すぐ夫に変わって欲しいと思いますが、変わるためには、まずは妻の気持ちを受け止めるというステップが必要になります。

妻の気持ちが夫の心に浸透した頃に、この人のためになにができるかなと、自分から考えるようになるのではないかなと思います。ぼくもそうでした。

あともう一つ方法がありまして、離婚覚悟で夫と向き合うというものです。

男性の中には心を開ける人間が妻しかいないのに妻をないがしろにする傾向があり、その矛盾に気がついていない人もいます。

そういう人は、妻から捨てられる危機感を感じると変わろうと努力する人もいます。

ただ、これは夫の脅威システムをオンにする行為でもあるので、ケースバイケースかなと思います。

うまくいった方のインタビュー記事を貼りますので、もしよろしかったら参考にされてみてください。

まずは、夫に「ただ私の気持ちを分かっていてくれればいい」という答えを教えてあげるのがいいかもしれませんね。

うまくいくことを祈っています。

この話は本日のVoicyでもお話しています。よろしければ聴いていただけると嬉しいです。


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