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【お悩み回答】心のシャッターを閉ざした妻に離婚を求められているが、何から始めればいいのか?

こんにちは。

今日は、質問箱にいただいたお悩みにお答えさせていただきますね。

いただいたお悩みはこちらです。

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こんにちは。今子供が1歳9ヶ月なのですが、半年前くらいより妻から心のシャッターが降りてしまったので別れたいと言われています。

中々その時は時間もなく家事育児を手伝えなかったことは自覚しているので、今は可能な限り家事育児をするようにしています。

しかしながらいろいろ不満も募ってとのことのようでもうシャッターが開くことはないので諦めて欲しいと言われています。

自分としては諦めるつもりはないのですが、このような場合、なにから始めていけば良いのでしょうか。よろしくお願いします。

ご質問いただいたご相談者様、勇気を出してご連絡いただきありがとうございます。

大変な状況だとは思いますが、ぼくの回答があなたの助けに少しでもなれば幸いです。

それでは、始めますね。

妻になにが起こったのか正しく把握する

まず、状況を整理させていただきますね。

・2019年6月頃にお子さんが生まれた

・子どもが1歳3ヶ月の時(2020年9月頃)に妻から「心のシャッターが降りてしまったので別れたい」と言われた

・子どもが1歳3ヶ月の頃までは時間がなく、家事育児を手伝ってあげれなかった

・その後、可能な限り家事育児をするようにした

・子どもが1歳9ヶ月の今、妻から「もうシャッターが開くことはないので諦めて欲しい」と言われている

・妻と別れたくないので、関係改善のためにこの状況ではなにから始めればいいのか知りたい

ということですよね。

妻から別れて欲しいと言われ、お辛い状況かと思います。

まず、やらなければいけないことは、妻の体と心になにが起こったのかを正しく把握することです。

お子さんが生後6ヶ月になったのは2019年12月頃かと思いますが、ちょうどこの頃、中国武漢市で新型コロナウイルスの感染者が発見されました。

日本国内で初めて新型コロナウイルス感染者が報告されたのは、2020年1月16日。

そして毎日のように報じられ、世界中から注目されていたダイヤモンド・プリンセス号の乗客712人の感染が確認されたのは、2020年2月のことです。

世界中が始まりつつあるパンデミックの恐怖に怯えていた時に、お子さんはまだ生後半年だったのです。

筑波大学の調査によると、女性の産後うつの割合は新型コロナウィルス流行後に2倍以上に増えていると言われています。

新型コロナウィルス流行以前は、女性の産後うつの割合は10%でしたが、今では24%にまで増えています。

ぼく自身も、2歳の子どもがいるのでこの頃のことをよく覚えているのですが、赤ちゃんへの感染率がどうなっているのか?そして赤ちゃんの死亡率がどうなっているのか?

ネットでは様々な情報が錯綜していて、確かな情報がなく、妻とぼくはまだ小さい子どもへの感染に毎日怯えていました。

きっと、赤ちゃんがいた質問者さんのご自宅でも、外出から帰るたびに(特に仕事から帰ってきた時には)全身の服やカバンをアルコール消毒したり、すぐにお風呂に入ったりしていたはずです。

そして、そのことに一番力を入れていたのは、質問者様のパートナーではなかったでしょうか?

小さな赤ちゃんを抱えて、家から出られず、ママ友も作れず、そして、小さな生まれたばかりのお子さんへの感染と死の恐怖に怯える毎日。

そんな時に夫の助けがなければ、誰でもおかしくなってしまいます。

ぼくは質問者様を責めているのではなく、「あなたの妻になにが起こったのか?」を正しく把握して欲しいのです。

質問者様のパートナーが「心のシャッターを閉ざしてしまった原因」は、情報が少ないため、確かなことは言えませんが、「夫が家事育児をしなかった」からではなく、「私を支えてくれなかったから」ではないでしょうか?

私をケアしてくれなかった。
私の気持ちに寄り添ってくれなかった。
私を心配してくれなかった。
私がなにを考えているのか、心から理解しようと思ってくれなかった。
私がどれだけ辛い気持ちで日々を生きているのか分かってくれなかった。

コロナ禍を生きる新米ママは、とてつもない恐怖の中にいます。

その気持ちを、恐怖を、心から理解して、共感して、寄り添って欲しかったのではないでしょうか?

さらに、0歳から1歳までの育児はとてつもなく大変で、初めてのお子さんでしたら、余計なにをどうしたらいいのか、初めての経験ですので分からないことだらけで不安だったと思います。新型コロナウィルスの件もあり、不安が何倍にも膨れ上がったでしょう。

そして、出産後1年間というのは人間の基本的な欲求(睡眠欲、食欲、排泄欲)が十分に満たせず、苦しい時期です。

授乳に、寝かしつけに、検診に、予防注射のスケジュール管理に、子どもの体調管理、とてもじゃないですが、自分のことなんてなに一つできません。

このあたりの話は、男性の産婦人科院長の方が書かれたこの本を読むことを強くおすすめします。

男性向けに、とてつもなく分かりやすく書かれています。

そして、多くの女性は性別による役割固定概念(男は仕事、女は家庭)に自らが縛られているケースが多いため、自分から夫に「助けて!」と大きな声で助けを呼ぶことができません。

そのことが、妻を余計苦しめます。

「母親だから子どもの面倒をみないと」

「妻だから家のことをしっかりしないと」

そんな呪いを自分自身にかけているのです。

まずは、お子さんが生まれた時代がパンデミックというとても特殊な状況であったということ、そして産後の女性の体と心には大きな変化が起こるということ、この二つをきちんと理解することが重要です。

それが、まずやるべきことです。

シャッターは開かなくていい

それを踏まえた上で、これからどうしたらいいかというお話をさせていただきますね。

まず、妻の心のシャッターを開こうとしない方がいいです。妻がシャッターを閉じてしまっている以上、妻から開けようと思わない限り開きません。

そして、家事育児をするのではなく、「妻のケアをすること」を目的と捉え、なにをすべきかを再検討しましょう。

妻が寝れていないのなら、子どもとの添い寝を変わってあげる。朝方の夜泣きの対応を変わってあげる。十分に睡眠が取れるようにしてあげる。

子どもの体調管理、予防注射のスケジュール管理、オムツの不足情報のチェックと買い足し。

毎日のご飯作りに、子どもの食事の介助。

「妻のケア」を目的にすると、やることはたくさんあります。

すべて、夫一人ではできませんから、シルバー人材センター(皿洗いや掃除をしてくれます)やシッターサービスを使って外注化も考えましょう。

「妻に心のシャッターを開けて欲しい」という言葉の意味は、「妻と別れたくない」「また妻と心を通わせたい」ということかと思います。

「妻との関係改善」を求める感情ですね。

ですが、今は「自分の感情」ではなく、「妻の感情」にフォーカスすべきです。

先ほどお話したように、妻が今までどれだけの孤独に中にいたのか、どれだけの失望を夫に感じていたのか、その「妻の感情」に寄り添い、「妻のケア」に意識を集中すべきです。

妻の夫への期待と失望に関しては、この本を読むことをおすすめします。恐ろしいタイトルですが、産後の女性の感情をリアルに感じられるはずです。ちなみにこの本は実話です。(ハッピーエンドですのでご安心ください)

「妻の心は自分に向かって開かなくていい。ただ、妻がまた元気に人生を楽しめるような手助けがしたい」という気持ちを持つことが重要です。

今よりも過去の方がきっと辛かったと思いますが、1歳9ヶ月でも手がかからないわけではありません。今からでも「妻のケア」のためにできることを考え、「妻の幸せ」のために行動することをおすすめします。

夫と妻は公平な立場ではありません。命の危険がある妊娠出産の経験、女性にばかりのしかかる家庭の負担、職場でもいまだに存在する男女差別、小さな子どもや女性に優しくないこの国の文化。

そもそも、ぼくら夫と妻は公平じゃないんです。公平じゃないからこそ、家庭における負担が、夫よりも妻の方が大きいのはおかしなことなんです。

今、やるべきことは「自分の感情」にとらわれず、「妻の感情」に意識を集中し、「妻のケア」を「妻の幸せ」のために行うことです。

妻としても、「心のシャッターは開けなくていいから、君の生活を楽にしたい。君が人生を心から楽しめる手助けがしたい。」という提案は、受け入れがたいものではないかと思います。

ですが、関係改善までの道のりはとても辛いものになるはずです。なぜなら、妻から感謝されることは一切ないからです。

そもそも、妻は関係改善を求めていませんし、妻としては夫がやることは、家庭内における当然のタスクであり、妻にとっての日常だからです。

同じ目線で家庭運営を回さないと、対等な立場としては認めてもらえませんし、妻の期待を超える行動を取らないと、妻に感動を与えることもできません。

ですが、ぼくも同じ道を通りました。ぼくの場合は「離婚」という言葉が出る状況ではありませんでしたが、妻と同じ目線を手に入れるには3年かかりました。

ご相談者様が妻との関係を完全に改善できるという保証はできませんが、同じ道を通ってきた人は何人もいますし、ぼくにご相談をしてくださる方もほぼ同じような境遇です。

ぼくも含めて多くの男性は、夫婦関係が完全に悪くなり、妻から見放されるような状況になって初めて、事態の緊急性に気がつきます。

(これは、夫に対する「父親の役割とは?夫の役割とは?」という教育が社会に足りていないことも理由だとは思いますが)

もし、継続的なサポートが必要だと感じられましたら、noteのサークル機能を使ってカウンセリングも行っていますのでお使いください。

ご質問者さまとパートナーの人生がより良いものになるよう、心から祈っております。

音声でもご質問に対する回答をさせていただきました。こちらも合わせてお聴きいただければと思います。(どのプラットフォームでも内容は同じです。文字をタップすると音声配信に飛びます。)

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3/3の日記

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