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「怒る人と黙る人」の夫婦ゲンカはなぜ怒るのか?

妻とケンカになってしまったときに、つい黙り込んじゃうことってないでしょうか?

ぼくはしょっちゅうありました。

すると、妻は「なんか言ってよ!」と言ってヒートアップし、こっちはさらに黙り込むという悪循環が生まれるんですよね。

相手が黙っているとなぜ人はヒートアップし、黙っている方はさらに黙ってしまうのか?

心理学者スー・ジョンソンの著書「私をギュッと抱きしめて」を読んだ際に、なるほどなーと思う記述があったので、ご紹介しようと思います。

なんで、うちの夫は口喧嘩になると黙り込むのか?

なんで、妻はこちらが黙っているとどんどん怒るのか?

そんなことでお悩みの方の参考になれば幸いです。

「攻撃」は愛着を求める「抗議」

夫婦ゲンカになってしまったときに、相手が黙り込んでしまう。

そのときに、なぜか攻撃を緩めることができなくて、どんどん攻撃してしまい、言わなくてもいいことまで言ってしまう。

これって、愛着欲求(愛情を感じたい!という欲求)を無視されたことへの抗議なんだそうです。

愛着関係ではどのような反応でも、ないよりはましなのだ。愛する人から何の情緒的反応も得られないとき、私たちは抗議するようにできている。
出典:「私をギュッと抱きしめて」スー・ジョンソン

「愛情を感じたい」という欲求を無視されると、どんどん寂しくなりますよね。

この愛情不足による寂しさを「情緒的飢餓」と呼ぶのですが、この状態が続くと人は早死にしたり、乳幼児の場合は話しかけられたりなどの関わりが一切ないと、生まれて数年で亡くなってしまうんだそうです。

つまり、人は「愛されている」という実感がないと、死の恐怖を感じるようにできているようなんですね。

なので、夫や妻から「沈黙」という「愛されていない」というメッセージを受け取ると、「情緒的飢餓」を恐れてそこから抜け出すために、本能的に抗議をするようにできているそうです。

男が沈黙する理由

だったら、黙らなければいいじゃないという話ですが、そうは簡単にいかなくて、特に男性はなかなか沈黙以外の行動を取るのが難しかったりします。

グワー!と攻撃をされているときって、攻撃をされている方も「愛されていない実感」を感じて「情緒的飢餓」に近づいて行くんですよね。

すると、そのいやーな感情をシャットダウンすることで、その状況から抜け出そうとするんです。

つまり、意識的になにも感じないようにするんです。

エアコンやら電子レンジやら同時に使いすぎて、負荷がかかりすぎたブレーカーがブツンッ!と突然落ちてしまうように、ぼくら人間も自分たちの電源を意識的に切っているんですね。

それ以上傷つかないように。

ぼくもこういう感覚よくわかります。これ以上自尊心を傷つけられないように、なにも感じないようにするんですよね。

沈黙を破るときは理論的な解決方法の提案だったりしますが、妻としては「愛着不足」が原因で抗議をしているので、冷静になんてなれないんですよね。

火に油を注ぐことになってしまうんです。ぼくもなんど盛大なキャンプファイヤーを作り上げたかわかりません。

情緒的飢餓になりそうになっている心にまず寄り添えば、冷静にもなりやすくなるので、順番が大事なんだろうなって思うんです。

大人でも愛着欲求はある

あと、子育てに追われていると、自分たち親の愛着欲求っておざなりになりがちですよね。

パートナーに対して「寂しい」なんて、なかなか口に出して言えないですよね。

子どもたちの愛着欲求に応えるのにせいいっぱいで、自分の夫や妻の「寂しい」などといった愛着の欲求に気づくことができないし、そもそも大人がそんな欲求を持つという発想にもいたらない場合ってあると思うんです。

呉服の販売員をしていた頃、たくさんの女性を接客しましたが、30代から40代の既婚女性のお話を聞いていると、言葉の端々に(寂しさ)を感じることがありました。

それは夫から無視をされる寂しさであったり、外の世界とうまくコミュニケーションができない寂しさであったり、自分をわかってくれない寂しさであったりしましたが、その根底にあるのは「わたしを大切にして欲しい」という欲求だったんじゃないのかなって思うんです。

誰からも大切にされない自分を大切にしてくれる人が欲しい。

本当は着物が欲しかったんじゃなくて、そんな暖かさを感じられる場所が欲しかったんじゃないのかなって、今となっては思うんです。

「パートナーの愛着欲求」に敏感になれるようになると、「怒る人と黙る人」のケンカもだいぶ減るんじゃないのかなって思うんです。

「怒る人と黙る人」についてはポッドキャストでもお話ししているので、合わせて聴いてもらえると分かりやすいかなと思います。

◇◇◇

夫婦関係に関するポッドキャストをやっています。ご夫婦で聴いていただけると、ものすごく嬉しいです。

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