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第二新卒で未経験システムエンジニア、の転職

 94年生まれ29歳、大学時代に1年間休学をしたので社会人は6年目。だけど会社では「○○グループで4年目の~」という自己紹介をする。

 社会人3年目の春、つまり2年間働いたあとに転職をして、転職先では新卒の新入社員と一緒に「1年目」として新人研修を受けたからです。

 未経験で第二新卒で転職をしてシステムエンジニア(以下SE)になる、という選択肢は、少なくとも私の周りでは珍しくない選択肢で、最近久しぶりに高校3年生のときのクラスでプチ同窓会をしたのだけど、20人弱が集まった中で自分を含め3人がこの道を選んでいました。

 第二新卒のうちに転職を考える人となるとさらにレア度は低くなり、長く働くことを条件に就活をしていた友達以外だと、社会人2~3年目で一度は転職を視野に入れていた友達は多かったように思います。

 この記事では第二新卒・文学部出身・プログラミング未経験でSEになった私が、記憶をまだ失わないうちに、転職活動や転職してどうだったかを記録していくものです。
 noteお題「 #転職体験記 」にこの記事を書くきっかけをいただきました。

転職活動のきっかけ・理由

就活~新卒でIT企業に企画職として入社

 就活は当初出版業界を中心にしており、やがて苦戦していく中で軸を見つめ直し、留学経験など環境の変化に強いことを軸にして、IT業界を見ていくようになりました。
 結果としてBtoCのコンテンツを扱うIT企業に入り、制作や運用管理、開発ディレクションを担当していくことになります。

2年目秋、キャリアのことを考える

 転職を考え始めたのは、当時、そのままそこで働くことについていくつかのマイナス要素が浮かんできたからで、それらは箇条書きで並べると以下の通りです。

・上長が苦手だった
(プレーヤータイプでクリエイタータイプで、機嫌が悪くなるタイプの、人前で部下を怒るタイプの、アイディアとエネルギーは素晴らしいタイプの、BtoCのセクションを牽引してきた中心人物。私自身は怒られるような機会なかったけど。)
・2年目に入ってからディレクションで開発担当の方と話す機会が増えたが、ちゃんと体系的に勉強してきたわけじゃないので、開発で実現可能なイメージがわからなかったし、開発担当の方と同じ言葉で話せないという感覚があった
・制作などの作業やルーティーンの業務を工夫して楽できるよう改善していくのは好きだったが、年次が上がると案件進行管理やコンテンツの版元との調整が主体になっていくだろうと分かってきて、それらを魅力に感じなかった

 こういう状態だったので、とりあえず2年目の秋に転職エージェントに登録し、「少なくとも今時点で勉強しておくと将来役に立ちそうなこと」とか「今時点の立ち位置からどんな道に進むことができるのか」とか、そんなことを聞こうと思ってエージェントの担当の方との面談に臨み、結果、とりあえずで転職活動を始めることになりました(※)。

※10月決算の企業たちが求人を出すので求人が増えるタイミングでちょうどいいですよって言われたこと、転職活動してみてもし今の方がいいなって思ったら今回は転職活動ストップするっていうのもありですよって言われたことなどに素直に乗っかった結果。

なぜシステムエンジニアに転職しようと思ったか

 そして、転職活動を進めるにあたりSEの求人を探すことにした理由はこのあたり。

■前提のざっくりとした希望
・知識がないから開発担当の方の言っていることをすぐには理解できない歯がゆさ、という2つ目に挙げた理由から手に職をつけたい、というのがそのときの希望としてあった
・明確な○○になりたい、○○がしたい、という希望まではなかったので、今後何をしたくなるかわからないので、ある程度どんな会社にでも進めるように潰しが利く職種がよかった
⇒ エージェントの方が挙げたのはシステムエンジニアと、マーケティングのデータアナリストとかそういう職種。

■そこからSEを選んだ理由
・システムエンジニアの方が働き方の幅が広そう
・企画職側の仕事も楽しさがなかったわけではないので一度開発サイドに行ってからまた企画側に戻るのもキャリアとしてありだし、そのままシステムエンジニアをやっていくのもあり、他の関係ない会社のデジタル系部門にも専門知識をもった社員として在籍できそう……など、今後進める先がいくつか想像できた
(以下は文系未経験でも大丈夫だろうと思った理由)
・文系だけど理系に強い苦手意識があるわけでもなく、勉強は好きなので向いていないことはないだろうと思った
・むしろ人生の中で一度プログラミングを勉強したいとは思っていたので、教育面がしっかりしているところなら研修で学べるならラッキーと思った

*2年目で転職活動をしたこと(「まずは3年」について)

 「とりあえず3年は頑張る」とはよく言われる言葉で、転職先の新人研修でも、研修会社の講師の方が「採用活動にはひとり頭100万くらいのコストが使われてるんだからまずは3年くらい働いて恩返ししないとね」みたいなことを言っていたりしたので、2年で前職を去った私はにやにやしそうになった。昭和だなあと思ったりした。

 でも本当に、本当に、全然関係ないと思っています。
 「今のところでもう少し成長してから」に根拠があるならいいけれど、例えば私のように別業界・別職種に進む場合、将来の同じ時点での変えた先の業界・職種における経験値は、当たり前だけど早く転職すればするほど、その経験値は高くなる。
 例えば私の場合、今29歳時点でSE4年目だけど、転職をあと1年待ったらまだ3年目だったということになります。
 ちなみに私は今もう一度転職をしようと考えており、それにはSEの経験が生かされると信じているので、1年分多くSEができてよかったなあと思っています。未経験SEにとって、成長曲線の序盤である1年分の経験は本当に大きいので……。

 というわけで2年目で転職したことについては後悔していないし、むしろよかったと思っています。
 もちろん、新しい役割を担う予定の案件があって、それがいい経験になりそうだとか、留まった方がいいケースもあると思うけれど、今のところに留まった場合の1年よりも進んだ先での1年の方が楽しそう・価値がありそうなら、「とりあえず3年」を理由に転職を躊躇う必要はないと私は思います。

 そしてもちろん遅すぎるということもなくて、もう第二新卒の期間過ぎちゃったから、を気にしすぎる必要もないと思います。今の会社が実際にはそうですが、若手の層とざっくり求人をかけている会社もあります(社会人6年目?で転職してきた同期がいました)。

転職活動がどう進んだか

就活との違い

 私は就活は結構苦戦したし途中で方針を変えたのもあって、決まるのは4年生の8月末と遅い方でした(当時は5~6月に決まる人が多かった)。内定も2件のみ。

 だけど転職は最終選考の手前まで進んだのが4件、うち1件はあまり惹かれなかったので最終選考には進まず、残り3件からは内定をいただきました。
 転職活動、もちろん私の場合はですが、圧倒的に就活よりも楽だった、というのが体感としてありました。

 楽だった、というのは内定を簡単にもらえたという意味ではなくて、気持ちが楽だった、という意味で。理由をまた箇条書きで並べてみます。

■新卒のときの就活
・答えの決まっていない質問が多く、自分でその場で考えたり、いくつか思いつく中からどれを答えるべきか決めたりする必要があった
・面接官=試験官のような、評価されているような気持ちが割合として大きかった

■転職活動
・主に質問の範囲が社会人になってからどのように働いてきたかということなので、業務に関するものなど何を答えるべきか明瞭な質問が多かった
・人間性や性格などについて問われる答えの決まっていない質問もあるにはあるが、働く上での自分の性格・タイプや考え方がどのようなものかもう分かっているので、どう答えるべきかあまり迷わずに済んだ
・面接官=人事部の方と認識しており、評価されているというよりは、一緒に働く場合のイメージをお互いに認識合わせする、という気持ちで臨めた

スケジュール感

 これもただの情報なので箇条書きで並べていきます。
 私が受けたところは比較的夜の時間帯で対応してくださる会社が多く、有給を使うのは最終面接(役員の方とかなのでさすがに時間帯指定がタイト)になるべく残しておきました。

・10月後半:転職エージェント登録、転職活動開始(書類準備等~書類審査のエントリー開始)
・11月前半:引き続きエントリー&面接が入っていく
・11月後半:一旦エントリーは落ち着く。面接が進んだりする
・12月初旬:今の会社の最終面接。割とその場で内定が決まる
・12月中旬:改めて内定承諾
・12月下旬~1月初旬:上司やその上の部長と面談、退職に向けた色々を決定

 全体としては大体2ヶ月以内に収まっていた感じです。

 ちなみに今の会社は新卒と一緒に4月から入社というのを求人に記載しており、理由は最早記憶にないけど(前職の担当業務の都合だった気もする)2月か3月以降での入社を希望していた私にとっては都合がよかったです。
 入社時期をそのままのんでくれる会社はもちろんすべてではなかったので、10月の転職活動開始がとりあえずだったのはそういう理由もあったことを今書きながら思い出しました。

転職活動の軸

 就活の軸、というのは私にとって最早懐かしい言葉だけど、転職活動の軸、何を基準に求人に応募していたか、というものを以下に挙げます。

・給与面が前職より良いこと
・研修・教育がちゃんとしていること

 (前職は新卒が2~4人とかしかいなくて、育てる体制は会社全体としては整ってなかった。体系的に勉強したかった)
・自社製品を持っていること
 (自社製品があるところならナレッジが社内で培われる体制があるかなと思った。前職の部長が「クリエイティブに答えはない」みたいな言説で自身のご経験をもとに判断していく割に部下にナレッジを共有して育てていないのが嫌だった)
・複数の事業領域を持っていること
 (自分に何が合っているかまだわからなかったので、選ぶ余地があってほしかった)
・ちゃんと自分が開発業務をできること
(自社製品を持っているが、顧客への提案や導入案件のマネジメントがメインになる会社もあった)

転職後、未経験SEとして

転職してよかったこと(SEという職種)

スキルアップの実感を明確に得られる
 (例えば「パワポの資料作りが上手くなる」「顧客対応が上手くなる」「デザイナーさんへの指示が上手くなる」という前職の企画職のスキルアップよりも、「一覧画面が作れるようになる」「データの登録や更新の機能を持つ画面が作れるようになる」「○○句を含むクエリを作成できるようになる」というSE業務でのスキルアップの方が明確で、実績解除の楽しさみたいなもの確かに得られた)
・プログラミングを含めたIT知識が増える
 (これは当たり前だけど……。仕事を通して得た知識によってキャリアにおける手札が増えたという実感。何なら仕事以外でもちょっと知識を生かせるという良さ)

転職してよかったこと(会社にもよる部分)

・条件面がよくなった
 (年収が増えた・福利厚生がよくなった)
・機嫌が悪くなる人が(今所属しているグループには)いない
 (ミスは人のせいにするより仕組みの改善に目を向けるべきという考え。これはSEという職種の共通項目であれ、と思いつつ必ずではないと思うのでこちらに)
・がっつり研修でプログラミングを勉強できた
・教える・教えられるという土壌がある

 (新卒や未経験SEを数人とかいうレベルではなく毎年ちゃんと採用しているので、新人の扱いを分かっている人が多く、先輩たちは教え慣れている)

 それから転職活動をしたことがある、という経験値自体がまず価値のあるものになっているとも思います。
 先ほど触れたように今将来的にはまた転職をしたいと考えているが、SEの経験を生かせると信じているので、特に後悔はないです。
 強いて言うなら、転職したい理由のひとつである「SEの仕事に飽きた(というか、BtoBの仕事にそこまで楽しさを見いだせない)」というのは今の仕事に対するマイナス感情ではあるのだけど、でも転職してそれを知ることができてよかったなと思っているので、プラマイではプラスです。

もしかしたらSEに向いていないかもしれない要素

 いいことばかり書いてきたので、全力でおすすめする記事にならないように……という謎のバランスを取りたい気持ちが出てきて、こういうことも書いておこうと思います。

・ひとりで黙々と作業をしたい
 (基本的にプロジェクトに入ることが多いはずなので、確認や相談はとても多いというか、多く求められる。タスクの進め方のルールが決められているプロジェクトもある)
・勉強や調べ物が嫌い
 (どうしても知らないことに出会うことが多いので、新しいことを学んだり調べたりするのが苦手だとつらいかも)

 でもあまり思いつかなかった……。

逆に意外とSEに向いているかもしれない要素

 あんまり向いてないですよっていう言い方をするのにはやっぱり抵抗があったので、一部は上のを逆に言い換えただけになってしまうけどこれも置いておきます。

・人と話すのが好き・苦じゃない/誰かと仕事をするのが好き
 (ひとりで黙々と作業をしたい、のところに書いたけれど、基本的にプロジェクトに入って誰かと一緒に仕事をするので、個人的には確認や相談のコミュニケーションを躊躇わない方とは仕事がしやすいと感じる)
・言葉を扱うのが好き
 (システム開発を発注してくれるお客さん=開発知識のない人に説明をしたり、マニュアルを作成したり、新しく参画した人でも分かる設計書を書いたりと、言葉で説明することを求められる機会が多い。未経験SEは知識がない立場の気持ちが分かるのを重宝がられることも)
・楽をするのが好き/めんどくさがり
 (効率化、仕組み化はSE業務で求められるもののひとつ。楽するための工夫を考えるのが好き、めんどくさい部分を「これって本当に必要?」と立ち止まれるのはSEにあって助かる要素だと思う)

 とはいえ、システムエンジニアとひとくちに言っても、アプリケーション、インフラといった関わる分野の違い、設計やコーディング・テストなど本当に作業をする人や案件を回していく人など立場の違い、システムが誰に使われるかの違いなど、本当に幅広い業務・領域が存在しています。
 上に挙げた向いていないかもしれない要素/向いているかもしれない要素はわずか4年弱の私の経験から意外と思われそうなものを挙げただけなので、向いていない方に当てはまったとしても、あなたが向いていないとは言えません。
 むしろプロジェクト単位で仕事が回っている=適材適所の考えも強いので、何かしら「向いている要素」と言えるものが見つかると思います。それはきっとSEだけではなくあらゆる業界・職種に言えるのでしょうが。

 今回は第二新卒でプログラム未経験でシステムエンジニアに転職した一人として、これまでの経験をざっとまとめてみました。
 自分が今こうしてSEとして働くに至った経緯を振り返ることになり、箇条書きも多かった割に、想像していたより書いていて楽しい記事になりました。

 どこかしら参考になると思った方がいれば嬉しく思います。
 ここまで読んでいただきありがとうございました。

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