【ヒロアカ最終話】全部すくうことを諦めない物語
8/5(月)発売の週刊少年ジャンプで、ついに「僕のヒーローアカデミア」が完結しました……もう本当にさみしい……。
でも本当に本当に素晴らしい終わり方で、あまねく救う/掬うこと、メッセージを伝えることを最後まで諦めない作品だったなと思います。
とりあえず新鮮なうちに感想を出力しておきたくて、この記事では最終話を読み返しながら感想を書いていきます。
目次も付けておきますが文字数としては実況的な感想の割合がほとんどです。
実況的に感想を書いていくコーナー
*で区切るごとに見開きの2ページ分が次に進んでいくと思ってください。
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このモノローグ、改めて私がヒロアカを好きな理由だなあ、と今読み返して思いました。
私は「誰も誰ともわかり合えない」「それでも」という希望やエゴを書いた作品が好きなのですが(最近だと全然ジャンル違いますが『違国日記』など)、ヒロアカを好きだった理由の一つがこういった部分だったと思います。
他者だからわかり合えず、でもだからこそ、わかろうとすることに希望や尊さがあること。自分の持っていないものを持っている誰かに救われることがあること。
洸汰くんが雄英に進学したのも、「緑谷兄ちゃん」って思わず出てくるくらい付き合いが続いたんだなとわかるのもめちゃくちゃ嬉しい。
そしてそして前回の「ボク」が雄英に来ているの、ほんと、どこまでもすくうんだな、と思わされたシーンのひとつです。
彼を救い、後悔しているおばあちゃんを救い、デクの戦いぶりが世界に影響を及ぼした希望を前話で見せてくれただけでなく、さらにその上で読者である私たちにその後の彼は第二の死柄木弔にはならなかった未来を見せてくれて……すごい……。
あとデクのネクタイきれいですね!!! なんでかな!!!
本当に情報密度が……えぐい……。
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これがまさに、ヒロアカで描かれたヒーローの定義なんですね。
誰かに思いを馳せることは、別に"個性"がない私たちにもできて、だから普遍的な物語としてずっと胸を熱くさせられてきたんですけど、最終話でこうやって改めて伝えられるメッセージの力強さ……。
そしてこの見開きの情報量の多さたるや!!!
かっちゃんが左手で書いていること、そして右手のリハビリにまで進んでいること、エリちゃんが洸汰くんと一緒に暮らし始めるのかな? という1コマ、ヴィラン連合のことが本になっていて、恐らくそれが手に取られていること、デクとお茶子のツーショット、彼らの卒業式にデクがいて、物間とかっちゃんが派手に登場すること、……。
個人的には! 私はデクとお茶子が本当に本当に大好きなので、二人が並んでいる1コマが描かれたことが意味深い……。
流れ的に卒業直前の冬なのかな。
この自然な表情の並びは何なんですか? もうくっついているんですか? 恋人同士の距離感ですか? クソナード発揮せずにこんな感じになるんですか? でもヒーロー同士として確実に特別になったじゃないですか。進路とかヒーローとかの真面目な話だったらそれはそれでまあ分かるじゃないですか。
まあこのあとお茶子のヒーロースーツのことを知ったらこれらの疑問はそれどころじゃなくなって吹き飛んだんですけど。
でもとにかく、デクの残りの高校生活の中で二人のコマがピックアップされて描かれていることが……ありがたい……。
この時点でくっついているかくっついていないか、最終的にくっついてるのかくっついてないのか分からないけど、やっぱり特別な二人だよねという。
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そして8年後。デクたちは26歳?
発目さんと絢爛崎先輩が同じ事務所に入ってたり、ジェントルとラブラバが一緒に働いてるだけでなく結婚してたりと、情報出してくれるの手厚い……。
1話をなぞるように、進路に悩む中学生。オールマイトを見て元気をだしていた子!
かっちゃんのヒーロー名結局「大・爆・殺・神ダイナマイト!!」になったんだ……。ビックリマークまで込み?
でもデクたちがプロヒと並んで憧れの対象になってるの本当にいい……。
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次の2ページも情報量多くて、テンタコルが平和賞受賞、後ろで口田くんとか凡戸くんが喜んでるのかわいい。
編集さんの名前が冠されているのも堀越先生からのリスペクトとか感謝が感じられて胸アツですね。
そして!!! 左側のページですが!!! ねえ!!!
ウラビティが美人すぎませんか!!?!?!?
お茶子さんきれいになりすぎじゃない???
初恋キラーじゃない???
そしてなんで気付かなかったんだろう、自分で気付きたかったけど、首元のマスク…………。マスクのことは最後にまとめて出力します!
にしてもA組でチームアップしてるの熱いし、微妙にコスがアップデートしてるのも天才……。堀越先生のキャラデザ本当に大好きです。
ウラビティが"個性"カウンセリング拡張計画を打ち出したというのも本当に嬉しいことで、トガちゃんのことを救えなくてもっと小さい頃に会ってたら違ったのかなあと泣いていた彼女がその後悔をちゃんと形にして打ち出しているの、ウラビティというヒーローのこういうところが好きなんだ……。
サー・ナイトアイを自分の手で抱えていたことから「私 救けたい」と願い、その後に行われた合同演習でデクの黒鞭発現時に真っ先に止めに行って「良い成長をしてるな」と相澤先生に褒められたウラビティ、こういうところが……芯が強くて行動に移せるのが……好き……。
いま合同演習のところ確認しに行ってきて最終回に戻ってきたらウワ美人! ってびっくりしました。何度でも新鮮に……綺麗……作画神がかっている、角度も完璧……。
次のコマに進んで、エリちゃんが楽器抱えて笑顔なの最高!
耳郎ちゃんに教えてもらったのかな。いやー、これは最終回の話ではないのですが、耳郎ちゃんとエリちゃんまわりの緩やかで確実に起きた変化って本当にヒロアカを象徴するような素晴らしさな気がする。
何が言いたいのかというと、文化祭編で耳郎ちゃんがヒーローらしくないって引け目に思ってた音楽でエリちゃんに笑顔を与えて、→それがきっかけでエリちゃんはお歌したいって夢を見つけて、→だから最終決戦のときに巻き戻しのツノを相澤先生に託して、→それでデクの両腕が戻る、っていう流れは、緩やかだけどどこか欠けたら最後まで到達しなかった繋がりだと思っています。
耳郎ちゃんがヒーローを志す人として音楽をやったからとか、耳郎ちゃんのヒーローとしての資質あってこそ成立したことである一方で、耳郎ママが言っていた「「自分の仕事で他人に何をもたらせる」か…/そういう意味じゃ 音楽もヒーローも同じね(20巻 p.91)」とか、冒頭のモノローグにあった「誰かに思いを馳せることがヒーローへの一歩」に通ずる、誰でも誰かのヒーローになり得る、ということを象徴する繋がり・流れでもあると思えて、うーん、考えるほどにヒロアカが好きだという気持ちが強くなる……。
1ページ分と思えない量書いてますが、下半分に進んで、短髪の相澤先生!
何だかんだでずっと先生目線でかっちゃんのこと見てるのも相澤先生だな~。
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次のページ! 轟くん! 表情柔らかくて素敵な青年だ~。
通形先輩がトップなのもうれしい~。
ていうかやっぱりずっと相澤先生が先生で本当にいい。
大人がちゃんと大人の役割を果たしている漫画が好きなんですけど、ヒロアカの相澤先生はまさにそういうかっこいい大人で大好き……。
そこからの右側のページね、ここも情報密度すごいですよね……。
上鳴くんと耳郎ちゃん、事務所が隣? 私は彼らの「席が隣同士」っていう学生生活でしか起き得ない理由で仲良しになる距離感・関係性が大好きだったんですけど、事務所が隣同士は本当に気になる。ここ書き下ろしで補足されてほし~……。
常闇くんと葉隠ちゃんが広告モデルやってるとか、切島くんが特集されてるとか、モノローグにあるようにみんな活躍してるんだなあ。
そう、モノローグの「学生の頃を思い出すと~」からさらに遡るように中学時代の事件が示されて、駆けつけずにいられないデク。そこに重なるダイくん。
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実在してるんだあ、にかつての自分を思い出してか苦笑いのデク、真面目に話を聞いてあげて、「あなたたちのようなヒーローに」で複数形になってるの、もうデクがオールマイトと同じ側なんだなあ。
「"僕もオールマイトのように"―――」で口角が上がるカメラワーク(?)よい……。
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「君はヒーローになれるよ」「頑張れ少年!」とかつてのオールマイトと同じように背中を押すデク。
右ページのオールマイトの後ろに民衆もいるの、ホークスの功績でしょうね。A組たちの像もあったけど。
そして終わると思いきや――「完」に伸びる指先!
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デクと少年にオールマイトとデクが重なったと思ったら、オールマイトが来た!
デクと少年で重ねたあとに、さらに本当にオールマイトとデクでかつての始まりに新たな始まりを重ねるの、めちゃくちゃずるい!!!
爆豪少年中心っていうのが、もう、デクが力を失うと知って子供みたいに何も取り繕えずショックを受けてたかっちゃん……! ってなるし、いや最後、「来い デク」って手を差し伸べるの、子供時代にかっちゃんが川に落ちたときにデクが手を差し伸べたのとか、ヘドロの事件や神野の事件でデクが救けようとしてたのと対比になっていて、この幼馴染み……!
オールマイト、デク、かっちゃんが並んでいるの、ヒーローへの憧れのオリジンだ……。
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デクがもう一度ヒーローになれるのは、デクに手を差し伸べる人がたくさんいたから実現することだし、でもそれはデクが手を差し伸べ続けたからという、誰かが誰かのヒーローになることのすごく前向きな連鎖が連なった結果至ったことで、これからデクが、デクたちが「いつまでも」「手を差し伸べ続ける物語」が続いていく、という未来が示されて終わるのが、本当に、最高でした……。
最後の見開きのみんなのプロとしてのコスチュームについてのコーナー
自分では気付けず主にTwitterのフォロワーのおかげで分かったものもありますが、アツかったところを並べていきます。
・お茶子:あとで書きます。とりあえず見開きとかの集合絵でお茶子はデクを見ていることが多い、というのが最後にまた見られて嬉しいのというのと、やっぱり作画が神がかっている……。
・かっちゃん:これはシンプルに顔がいい……。これで大・爆・発・神なんだものな……。姿勢というか体勢もめっちゃかっちゃんだ……ていうかさりげない角度ひとつでそのキャラクターっぽいってなるの、やっぱりすごいなあ……。
・耳郎ちゃんさりげなく爆イケ
・耳郎ちゃんとヤオモモ、イヤホンお揃い? かわいい!!!
・心操くんに相澤先生リスペクト感じすぎる……。
お茶子の新コスチュームについてのコーナー
うわー!!!!!! 首元に!!! デクのマスクっぽいのつけてるーーー!!!
元々わっか(うららかネック・6巻に解説あり)付いてましたが、確実に違うデザイン……デクのはもう少し上半分に存在感ありましたが、いやでも、どうしたってデクを彷彿とさせるデザイン…………。
様々な思いや考えが頭に浮かんだのですが、繋げた文章にならないので箇条書きにしていきます。
・首元っていうのが、喉元→声で拡声器持ってデクを守ろうとしたシーンを思い起こさせる
・コスチュームっていうめちゃくちゃパブリックでオフィシャルなものにデクの要素身につけてるの強すぎる。しかも顔に近いから全然さりげなくとかではない
・デクが闇落ちしてた時期に目立っていたパーツ=世間がデクを想起するパーツのはず
・「しまっておこう」じゃなくなったんだ……! コスチュームの内側にオールマイトを入れてたのが、外側に付けるようになったという変化……。
・デクの要素を取り入れることで御守りにしてるみたい
・でも現場に出られなくなったデクの気持ちを現場に連れて行ってあげてるようでもある
・ヴィランをも、そしてヒーロをも救ける対象として見ている点で同質なヒーローであるデクとウラビティ……。
いやもう、強すぎて。
ウラビティのヒーローコスをこうしようとなった経緯が絶対にあるはずで、2人が同意の上でこうなってると思うんですけど、そんな関係って強すぎませんか……。ヒーローとしての繋がりが特別なのはわかってるけど、わかってるけど!
でも、世間にも2人の関係が特別だって知れ渡るけどそれでもそれよりもあのコスにすることが2人にとって大事だったということか、知れ渡ってもよいと思っていたということで、ちょっとそれは! 思っていた数倍強い関係性なんですけど!
デクとお茶子の関係、ずっとずっと大好きで、最終回どう示されるんだろうと思ってすごくドキドキしていたのですが、冷静に考えたら(自分でもまだ冷静じゃないと思いますが)最高だったかもしれない。
今回のような総括する最終回でデクとお茶子がくっつく過程が無理に入れられなかったのは全体のバランス的にも納得しているしこれ以上の最終回はないと思っているのでそれがひとつ。
それから、ヒーローとしての特別な繋がりは前話で説得力をもってものすごく綺麗に示されて、小さいコマがたくさんある見開きの中でピックアップされていて、マスクに気付いてなかったら単行本書き下ろしでもっとちゃんとあるよね……? とまたドキドキしてたと思うのですが、少なくともどういう意味であれ特別な関係であることが世間公認になっているのが示されたと捉えているので、かなり前向きな感じで単行本書き下ろしで補足されるのが楽しみな気持ちになりました。
あとは本当にあまねく要素を掬っていった終わり方だったので、さすがにデクとお茶子の関係について回収されないことはないだろうと思ったのもあります。
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はあ。一気に書いてしまいました。もう深夜だ……。
あ~、ヒロアカ本当に大好きだったなあ。大好きだなあ。さみしいなあ。
タイトルにして冒頭でも書いた通り、全部すくうこと――誰のこともないがしろにせずに掬うこと、どのような人でも救うこと、救えるはずだという希望を見出すことを諦めない、という力強さを感じた漫画でした。とんでもなく強い信念で描いてるんだろうなって思わされました。信念のブレなさとそれを伝えるパワーがすごかった……。
私は綺麗事を真剣に実現しようとする(頑固とも言えるような)真面目さみたいなものが好きで大切だと思っているので、すごく勇気をもらえる作品だった……。勇気をもらえる作品、ってあんまり言ったことないかもって今書いて思ったけど、でもそう言いたくなる作品でした。
この世界にこの作品があってよかったなとか、この作品に出会えてよかったなっていう気持ちがあります。
連載完結してしまったのさみしいけど、でも告知たくさん出ましたし、12月の単行本も当たり前だけどまだ待っていて、キャラブックもきっと新情報が出るだろうし、これからも楽しみがいっぱいでありがたい!
単行本出たり書きたくなったりしたらまた感想書くぞ~!
堀越先生、10年間の連載お疲れさまでした&ありがとうございました……!
これからもずっと大好きで大切な漫画であり続けると思います。
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