「居場所」の定義とは 【備忘録】
テーマ:3つの角度から居場所の定義を考える
前回の記事↓
https://note.com/atsu1122/n/nd2f94a01c179
今回のテーマ
僕 :「居場所」と「場所」のニュアンスの違い
Gくん:「居場所」と「居心地」という言葉が含む意味の違い
Mさん:「居場所があるところ」と「住みたいと思うところ」の違い
僕
テーマ:「居場所」と「場所」のニュアンスの違い
問1:場所とはどのようなところか。
ー場所とは、存在する権利を与えられた領域である。
カフェはコーヒーを1杯頼めば、飲み終えるまで滞在する権利を獲得できる。
学校は学費を払えば、施設を利用する権利を獲得できる。
問2:居場所とは?
ー居場所は場所という集合の部分集合である。
ー居場所とは、存在する権利があり、かつ心地よいと感じるところである。
問3:心地よい場所とは?
ー主観的にみて、自己表現ができている場所である。
問4:自己表現ができている場所とは?
ー 例えば
思いや考えを言語化できる場所
作りたいものを作れる場所
立ち止まっていることを明らかにできる場所
仲間が欲しいと言える場所
逃げたくなる場所がある場所
つまり
居場所と場所の差は「心地よいと感じるか否か」だ
居場所には環境が影響する
・人的環境
・物的環境 の2つに大別する
参考にした概念:ICF(国際生活機能分類)
画像引用:障害保健福祉研究情報機構システム
【補足】
客観的にみて自己表現ができる環境が存在していても、主観的に観て、表現できていなければ心地よいとは感じない。
・また心地よさは、未来思考でも感じる
自己表現が今後できそうであると感じた場所に対して、心地よさを感じる。
・理由は自分が自己表現に必要な環境因子を満たしていたから
Gくん
テーマ:「居場所」と「居心地」という言葉が含む意味の違い
居場所と居心地の違いを、言葉の用い方から考える。
ー友達と会話して、「部活に居場所がある」と話すと違和感がある
「部活は居心地がいい」と話すとしっくりする。
言い換えると
ー居場所の主語に「私」をつけると違和感を感じる。
居心地の主語が「私」になると納得できる。
つまり、居心地は居場所と比べて、主観的な言葉である。
居場所と居心地は概念の大きさが違う
ー部活に対して、居心地が良いという表現は適切である
部活に対して、居場所があるという表現は違和感を感じる
つまり、言葉を用いれる範囲に違いがある。
今回の場合は
居場所の含む範囲より居心地の方が意味を多く含むことになる。
つまり、居心地の方が居場所よりが概念が大きい
コミュニティには3種類ある
1. 家庭
2. 地域
3. 組織
コミュニティの出発点から分類する
家庭・・・ 出発点は「存在」である
ー 自分が生まれた時、無条件で家族というコミュニティに属する。
一般的には家族(家)はいつでも帰ることができる場所であり、
無償の愛を享受できる場所である。
地域・・・ 出発点は「存在」である
ー 土地という概念に関しては、生まれた時から存在している。
自らがそのコミュニティに属した段階を切り取ると、
地域住民はすでにコミュニティ内に存在しているものである。
組織・・・ 出発点は「目的」である
ー 組織は、無の状態から生まれることは稀である。
ある1つの事柄に興味・関心を抱く人が集った結果、組織となる。
会社を例に考えるとわかりやすい。
つまり
目的から始まるコミュニティと存在からはじまるコミュニティがある。
この3つのコミュニティに対して、「居場所」と「居心地」を当てはめる
1. 家庭
家族内に「居場所」がある : ○
家族は「居心地」がよい : ○
2. 地域
地域内に「居場所」がある : △
地域は「居心地」がよい : ○
3. 組織
組織内に「居場所」がある : ×
組織は「居心地」がよい : ○
コミュニティによって違和感の有無に差異がある理由は、
コミュニティ内での親密度の高さだと考えた。
この違いを親密度と仮定したとき、その深さはこのようになる。
家庭 > 地域 > 組織
【補足】
居場所は時間経過によって変化する / 分散する / 増加する
時間経過は言い換えると、年齢を重ねること。
つまり、発達段階によって居場所は異なる。
【僕の追記】
家庭の出発点が「存在」であるのは、子どもの目線である。
両親はもともと他人どうしであり、家族になるきっかけは存在だけとは言えな
いだろう。つまり、結婚を機にコミュニティが拡大するわけだが、この場合の出
発点はどこにあるのだろうか。
また、地域も同様である。出発点が存在であるのは、新しくコミュニティに参 画した人の視点である。では、地域コミュニティが無から生まれたときの出発点
はどこにあるのだろうか。
Mさん
テーマ:「居場所があるところ」と「住みたいと思うところ」の違い
問1:居場所とはなにか
ー先行研究から居場所の定義を仮置きする 。
居場所には「個人的居場所」と「社会的居場所」がある。
個人的居場所 ・・・ 一人になりたい時に、ひとりになれる
物事に熱中できる
社会的居場所・・・ 弱みを見せられる
自分のアイデンティティ(性的思考、出自、信仰)が認められる
他人の支配からの自由がある
求められる感覚がある
物理的な場所とは限らず、人間関係が基盤となる。
出展:松下政経塾HP
Mさんの解釈
個人的居場所 ≒ 物理的場所 である
・周囲に気遣わず自分の世界に入れる場所
・落ち着く場所
社会的居場所 ≒ 非物理的場所である
・安心安全の人間関係
・思考や行動が制限されず肯定される
・複数の人間関係の中で役割のある状態
問2:「住みたいと思う」場所が持つ要素はなにか
①一緒に過ごしたい人がいる
→親 / 家族 / 友達 など
②環境が整っている
→住まい / 食べ物 / 他の場所へのアクセス など
③やりたい仕事がある
まとめると
「居場所がある」≒「住みたいと思う」
「個人的居場所」≒「住まいが整っている」
「社会的居場所」≒「一緒に過ごしたい人がいる」
これらの要素は一部が重なっている
問3:いま住んでいる「島根」に置き換えると
Mさんにとって、島根は全てを満たしている。
問4:「東京」と「島根」の違いはどこか
現在のMさんにとっては、どちらも3要素を満たしている。
ー 心が満たされるポジショニングは「島根」である
東京:多くの同年代が就職している(=多数派)
島根:同年代は少ない(=少数派)
Mさんは「少数派」でいたい(笑)
ー 会うまでに要する時間の長さが違う
東京:日程調節を行ったのち、中間地点の駅に集合し、目的地に移動する
島根:連絡し、日程が合う人のみで現地集合
最後に
3つの角度それぞれから見えた居場所の定義
僕:心地よい場所・自己表現できるorできそうな場所
Gくん:家族や地域のコミュニティで居心地のよさを感じる場所
Mさん:安心安全(=ありのままの自分が肯定される)な人間関係がある場所
【キーワード】心地よい場所
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