国民文学平成30年度4月1日締め分投稿歌12首

<国民文学平成30年度4月1日締め分投稿歌12首>


校門に集まる生徒転々と散つていくだろうひらひらさくら

一人一人空へ飛びだつ飛行機の音の方角北風吹いて

勢いで踏み出した足だけど気がつけばまた振り向いている

白紙とはどんな色にも形にも描いていける柔らかき波

真っ白のディスプレイにカーソルの心拍を見る命の如く

カンヒザクラ散るころ友が旅立つてソメイヨシノの満開を問う

部屋よりも少し冷たい風入れて本を読んでいる春の夜風や

鮮やかに心欺く色恋の毒を許そう嘘つきの日は

飲み会の開始は過ぎる沖縄の暑さ過ぎるころLINEの着信

歳近し上司を交えて酒飲めば淫らな話題で距離縮めたり

変わる人変わらない人眠い人酒は楽しき人間観察

二次会の隅から隅まで曲を入れマイク渡されていく夜は明けて






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校門に集まる生徒転々と散つていくだろうひらひらさくら

>>卒業式が終わったらだいたい校門に生徒が集まっていろいろ話したている。でも時間が経てばみんなどこか帰っていってもう会わなくなる。そんな感じ。「ひらひらさくら」で季節感を付け足し。

一人一人空へ飛びだつ飛行機の音の方角北風吹いて

>>瀬長島から飛行機が飛び立つところがよく見えて、あぁみんなこれに乗って沖縄に離れるんだねって感じた。「北風拭いて」より決して優しくはないこれからを表現してみた。


勢いで踏み出した足だけど気がつけばまた振り向いている

>>なにかを始めるときは勢いって結構大切。でもいざやってみると、なんか違うかなどうなんだおるって立ち止まって振り返ったりする。別にそれで進んでもいいし、後退してもいい。やってみたことが重要。

白紙とはどんな色にも形にも描いていける柔らかき波

>>「白紙に戻す」という言葉があって白紙にはネガティブなイメージがある。でもよく観察するとどんな絵も線もまた描いていけるので可能性無限な感じな白だ。「柔らかき波」という表現がが良いか悪いか読者に委ねるところ。

真っ白のディスプレイにカーソルの心拍を見る命の如く

>>文字を追いかけているカーソル。何を書こうとぼけっとしているとカーソルに目が。まるで病院の心拍を計る機械のように一定のリズム。

カンヒザクラ散るころ友が旅立つてソメイヨシノの満開を問う

>>沖縄の桜といえばカンヒザクラ、本土の桜といえばソメイヨシノ。

部屋よりも少し冷たい風入れて本を読んでいる春の夜風や

>>春って夜の風がけっこう冷たい。なんか秋みたいで読書の春的な。

鮮やかに心欺く色恋の毒を許そう嘘つきの日は

>>今日はエイプリルフールだから、エイプリルフール的なネタで短歌を作りたいと思った。まったくのフィクションなんだけれども今日ぐらいなら恋愛に騙されてもいいよって。

飲み会の開始は過ぎる沖縄の暑さ過ぎるころLINEの着信

>>おととい飲み会でした。やはりです。だいたい15人ぐらい集まる飲み会に時間ぴったしに来たら2人しか来てない。あぁいつものことだなぁ・・・って感じでのんびり。本土の友達にウチナータイムのことを話したら本気で驚かれ信じられないって反応でした。

歳近し上司を交えて酒飲めば淫らな話題で距離縮めたり

>>今の職場、30歳±5歳くらいの職場。上司といっても同い年もいるし下も上もいる。やはり組織にいる以上、同じ年代とはいえ上司部下となるだけれども、プライベートはおんなじ話題でおんなじ感じに笑っておんなじ感じに下品。wそれが距離を縮めたって。

変わる人変わらない人眠い人酒は楽しき人間観察

>>普段喋らなかった人がこんなにしゃべる。普段テンションが高い人がすごい低い。この部屋で1番偉いリーダーが1番速く寝ている。

二次会の隅から隅まで曲を入れマイク渡されていく夜は明けて

>>だいたい一次会の飲み会の次はカラオケ。それも途切れること無く最初から最後まではしゃぐ。つくづく思ったけど30歳になってもこんなに元気にはしゃげるのか自分もみんなもって思って若者にはまだ負けない感。

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