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#3 青春はデコパウチとともに。【1】

 こんにちは。オストメイトとそうでない人たちがわちゃわちゃと面白いことを世の中に提案していこうというオトナの部活動「アッと♡ストーマ」の管理人・れなです。相方のさゆりさんからのバトンを受け取って本日からはいよいよ私たちの”青春”の日々を少しづつ公開していこうと思います。ハイ!きょうの話題は【美術展応募の前編】です。

私たちの部活動の大きな柱が「#デコパウチ」なるプロジェクトです。

デコカバー、デコケータイ、デコ車など聞いたことがあるかもしれませんが、デコパウチとは、まさに「パウチ(=オストメイトのみなさんが排泄物を受け止めるためにおなかにつける袋状の装具)をデコる(=デコレーションする)」というシンプルでポジティブかつクリエイティブな営みです。

オストメイトになったからにはおつきあいをしていかざるをえない「パウチ」とのつきあいを少しでも楽しいものにしようという、とても前向きな営みであることは初回にお話しした通りなのですが・・

袋の有無に関わらずメンバーを魅了してやまない   ”デコパウチ”

部活動のfacebookページ(非公開)には、メンバーが、自らデコったパウチを日々アップしてくれて、オストメイトもそうでない人もみんなでわ~きゃ~盛り上がっています。いや、盛り上がるのも当たり前。だってまずヴィジュアルがすごい。

いしわたりさわこ(レーシー)

こちらは、最初にデコパウチをtwitterに上げ始めたさーさん(@Saaaaaa52600728)の作品。さーさんは、クラフト好きでこれなんと消しゴムハンコから手作りして、そのハンコをパウチにONしています。今は病気の治療のために手先にしびれがあってここまで緻密なハンコを彫れないとのことなのですが、うさちゃんやパンダにまみれた幸せパウチや、「絶対に切りとってはいけない」切り取り線が入ったパウチなど遊び心も全開です。”日本初デコパウチ作家”、爆誕といったところでしょうか。

サーさん作品2

一方で、メンズ(男性メンバー)の遊び心もメガトン級です。

岩元浩(パウチ劇場)

こちらは美容師の岩元浩さんのデコパウチ。「見ちゃダメ!」とストーマに重なる部分に「禁」シールを貼りつつ、その傍らでかわいいひよこちゃんが「チキン野郎が」とつっこんでいます笑。岩元さんは、もっと芸術的な風景作品も作られているので「なんで初出がこっちやねん、ズビシィっ」とつっこまれそうですが、いずれにしても、データを転写する”タトゥシール”という手法で、スタンプや描画でデコることが難しい透明パウチを「ほぅ、そうきたか!」といった感じで次々にデコっていらっしゃいます。

そう、メンバーのみんなの作るデコパウチの魅力といったら、オストメイトではないメンバーが「私もやりたい!」と、自分はパウチを使わないのにデコパウチ活動を始めてしまうほど!そのあたりのエピソードも含めて、他のみなさんのデコパウチは次回以降のnoteでできればご本人たちの声もあわせてちょっとずつお知らせしていこうと思うのでお楽しみにしていただきつつ・・・

デコパウチを世の中へ放て!

とにもかくにも!はじめてさゆりさんにさーさんのデコパウチをみせられたとき、私は、大きな可能性を感じました。このデコパウチから、「ナニコレ?素敵!へ~パウチっていうの?」「パウチってのはね・・」「ほぅ」みたいな会話が生まれるなど、オストメイトの理解につながるキラーコンテンツになりうるのではないかと思ったのです。幸いご本人たちもデコパウチが世の中に広がっていくことにとっても前向きでした。

しかし。

どうしたらこの”デコパウチ”の存在を世の中の人に気づいてもらえるのか。6月初旬、ぼんやりFacebookを眺めていた私の目に飛び込んできたのが、ある美術展の公募でした。

aha展

えぇ、もちろん食いつきましたとも。同時にわが目を疑いました。あんまり私たちにとって理想的な募集内容だったので(と思えたので)、もしや私を狙い撃ちしたおとり広告ではないのかとさえ苦笑。なぜそこまで運命的なものを感じたのかというと・・

募集作品のテーマは「新たな出会い」。それはまさに私たちがクラブ活動で過ごし始めていた青春の日々そのものだったのです。これまで「オストメイトです」ということを敢えてオープンにせずに日常を送っていたメンバー、この活動に加わるまでオストメイトと話した経験どころか見たことも会ったこともなかったメンバー。”オストメイト”というたった一つの共通の関心事だけで県境、国境、職業、性別、文化や思想を越えた出会いが生まれ始める熱量の中に当時の私たちはいました。

でもこちらの募集をみつけたのは6月6日、締め切りまで1週間とありません。メンバーにはみんな本業があり、中には闘病中の人もいます。自分の本業もちょうど佳境を迎えていました。果たして私たちは成し遂げることができるのか。いや、でもこのチャンスは偶然のものとは思えない。その思い込みになかば制御を失った私は訴えかけました。

#パウチ作家たちに告ぐ

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いや、などと最初からかっこよくいければよかったのですが、実際には、みんなに怒られるのではないかとビビりながら、こんなの見つけちゃいましたとまず、真に受けなくていいんですけどなどと言い訳をしながらお知らせをし。その翌日、あの美術展、やっぱり応募しませんかとみんなに作品提供の声をかけたのです。(#4に続く)


※この活動は個人のもので、所属する組織とは関係ありません。



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