這い上がれ 3:審査
失敗すればますます窮地に追い込まれてしまうだろう。
失敗は許されないのだ。
数ある候補の中から、最も突破できる可能性が高いであろう銀行系クレジット1社に的を絞ることにした。
申込みフォームに必要事項を入力していく。
住所氏名、連絡先、年収、勤務先情報。
借入状況の入力はなかった。
先の消費者金融では年収と借入状況が必須だった。
すでに消費者金融①で年収の1/3まで借入れているため、正直に書いたところで審査に通るはずもなかった。
可能性はゼロに近かろうが偽るしかなかったのだ。
ほどなくして仮登録完了のメールが届いた。
身分証明書、他必要書類を送付する。
後は審査結果を待つのみだ。
2度目のメールが届いたのは1時間くらい経っていただろうか。
メールを開封する。
確証などなかった。
だがなぜか落ちる気はしなかった。
私は壁の向こうへと進みだした。
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