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恐れを克服すれば、人生は変わる

 すごく寒い冬の一夜を帰路にむかいトボトボ歩いていた。別の生き方、人生を変えようと思い会社を設立しまっとうな事業をやって行こうと思ってはいたが、なにせ不真面目で性根が腐っていた習慣が染み付いていた当時の私は、頭を下げて親族から借りた資金、私の再起を信じて手を差し伸べてくれた資金を溶かしていた。

 会計も財務諸表もキャッシュフローも何もかも勉強せずに、ただなんとなく経営しているつもりになっていた。そしたらまもなく、それはすぐ資金の欠如にいたった。自分自身愚かだなと思ったが、もう遅く我に帰った時は恐ろしい不安、自己憐憫が襲ってきた。家の電気、ガスはとうに止まっていて、最後の砦の水道がスカッて音をたて止まった時はさすがに終わったと思った(ほんとに空音でスカッてなるのだ)

非常様ランプをつけ、布団をかけ横になった。
己が情けなく自己卑下、自己憐憫に入り涙がでたが、このメンタルをどうにかしなくてはと、前向きな気持ちに無理やりにでも持っていかなくてはと本をとった。 
 
 私は歴史上の偉人や起業家、何かを極めた人の自伝、ノンフィクションが好きだが、このヤバいメンタルにピッタリの本を読んでいた。イギリスのメディア王と言われ一代で莫大な富を築いたフェリックス・デニス氏の自伝だ。すごく勇気づけられ前向きな姿勢にさせられた一文があるので紹介したい。
以下 (フェリックス・デニスより)

恐れを克服すれば、人生は変わる

 とにかく、やってみてほしい。1日だけでもいい。丸一日、失敗が怖いという感情を認めないで過ごすのだ。愚かに見られる恐れを認めない、恋人を失う恐れを認めない、仕事を失う恐れをみとめない、上司に対する恐れをみとめない、どんなものであってもとにかく恐れをみとめないで過ごすのだ。夜中の3時ごろになれば、恐怖が戻ってくるだろう。それでも、うせろと命じて笑い飛ばそう。ぶっとばしてやろう。 (フェリックス・デニスより)

 この一文を何度も何度も読み返しているうちに少しずつ気が落ち着き、頭が冷静になり(ほんと少し) 明日、朝一にやらなければいけない事、整理しなければいけない事を紙に書き出してみようと思った。(紙に書く📝の整理に持ってこいだ) 一つずつ、向き合い問題を解決していこうと決意した。

 その日から月日は流れ今ではなんとか会社と自分のお金の違い、財務諸表、キャッシュフローの理解ができるようになり、電気、ガス、水道など期限通りに支払えてる。もろもろもろの支払いも。読書が趣味でよかったと思っている(これは数年の服役生活で身についた最高の習慣) 。

 モメンタムという言葉があるが、方向性や勢いという意味らしい。
勢いがあるうちは保っていけばいいが、何かまずい方向に向かってるなと思ったら、一度勢いを緩め、スローダウンし、違う方向にフォーカスするべきだなとつくづく思う。人生やり直し作業はいまだどの地点までいったのか正確に測れないが。

まだこの旅を続けようと思う。

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