裁判傍聴してきた②判決編
前回、相当程度長い求刑を検察から言い渡された友人の判決が今日あった。
この日なかなかスケジュールが埋まっていて裁判所まで急いでいたのだが、少し道が混んでいたので、判決申し渡し予定時刻過ぎてしまうかと思い、裁判所手前でタクシーを降り走った。(昔の記憶では判決は数分で言い渡されるイメージ) ダッシュだ!なかなかの走りで刑事ドラマで犯人追いかける刑事や、アクション映画で愛するものが連れ去られ追いかけるシーンくらいの勢いはあった。勢いよく裁判所に着き、
身体検査、手荷物検査(空港の検査みたいな)をクリアし、エレベーターを降り000号室閉会中という表示を確認し、勢いよく傍聴室に入った。(予定時刻ジャスト)
いや、しかし。?前回と違って傍聴人が多い? 裁判が始まったばかりと思い端っこの席についたが‥
不思議な空気はすぐにわかった。私の友人の裁判の前の裁判が予定時刻を押していて、今まさに前の被告人の裁判中であった。被告人をみてそもそも誰?という感覚。まあ、友人の裁判に間に合った事だし、ダッシュをして息も苦しかったので、深呼吸をしながら気持ちを落ち着けようと、その静粛な裁判を静かにみていた。
被告人は年配の女性で、どうやら万引きの常習者で服役を繰り返しても万引きがやめれないみたいだった。最初はスーパーの万引き常習者かと思ったが、よくよく耳を澄まして聞いていたら家族ぐるみでなかなか高額なゲーム機など、あらゆる品物を家族内の役割分担しっかり体制で組織的に行なっていた。
検察官 :「万引きやめないのですか?」
被告人 :「気をつけます」
検察官 : 「なぜやめると言わないのか。」
終始こんなやりとりが続き、裁判官から次の裁判時刻が押しているので、次回公判はいついつ‥ という感じで終わったのだが、ここですごいのが、傍聴席にいた5〜6人の年配者から「頑張れよ!!」など声援が送られていた。この被告人も楽勝だよって顔に見えた。いつだったか、日本映画の(万引き家族)というのをみたが、まさにリアル万引き家族を見た気がした。
逮捕勾留された被告人の服装
逮捕勾留されている被告人の服装について気になる事がある(ここは前から気になっていた)。ニュースなどで逮捕された人間が移送される時などグレー、灰色のスウェットを着ているのを見た事がないだろうか。あれはいわゆる官物(かんぶつ)と言って刑事施設から支給されて着るものである。しかもスウェットの胸部分に○の中に官と書いたスタンプが押してある。勾留されている警察署によって差し入れの規定などさまざまだと思うが、今はほとんど衣類は差入れ入らないみたいだ。なので灰色のスウェットを着させられる。しかし、だが、差し入れを断られる理由も乾燥機に入れても平気な衣類に限るとか、ユニクロなどで確認し、差し入れたら入らず、理由を聞いたら今度はコロナ対策とまあデタラメな理由で差し入れ不可となるケースが多い。罪を犯したんだから灰色のスウェット(精神的にネガティブになる)仕方ないと言われそうだが、文明社会の昨今、テクノロジーの進化がすごい日本だが、刑事施設は明治からの監獄法のままに思える。まだ、アメリカなどでみる(映画のイメージだが)オレンジ色の服装の方がマシに見えてしまう。まあ、あれはあれで実にアメリカ的だが(オレンジも意味がある)。
被告人も判決までは推定無罪なのだからせめてあの官物スウェットを着さすのはやめさせてほしいなと。(法を守り、犯罪など犯さないのが一番理想だが)
判決
万引き家族裁判が終わり、ようやく友人が入廷してきたが、判決の言い渡しは一瞬である。
裁判官から「主文被告人を懲役何年に処す」とまあ、ドラマと大差ない。被告人の友人はいくらか求刑より短い刑期の言い渡しだったので、本人の顔にホッとした気配が見えた。
この友人は幼馴染で親御さんもよく知っているし、お母様が余命いくばもないのも知っている。むしろお母様の頼みで裁判を代わりに見に行ってほしいと頼まれていた。友人は間違いなく罪を犯したのである。これから長い長い刑期に服し、後悔やさまざまな痛みをようやく感じるのかと思い、事の重大さと取り戻せない時間と向き合っていってほしいと切に願った。
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