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君を退屈から救いに来たんだ 〜"GRIDMAN UNIVERSE"作品視聴時予習用マニュアル

こんなサムネですいません。でもちゃんと意味はあるんです。グリッドマンユニバースまで見た人になら分かる。


違うんだよ。宝多六花とムジナの脚がやたら太いとか、新条アカネアイコンはおもんな冷笑オタクの象徴とか、そういうのだけのコンテンツじゃあないんだよ!!!!!ちゃんと本編見てからものを言え!!!

という訳で今回は今年に入ってから一気見し、そのまま映画も3回観に行くほど大好きになったメディアミックス作品群"GRIDMAN UNIVERSE"の紹介になります。ネタ切れのあまりいよいよオタク臭全開の題材に手をつけてしまったが、たまにはいいだろう。言うほどたまにか?
布教用の記事と言うよりは、タイトル通り『ウォチパなどで誰かに見てもらう際に予め読んでもらい、視聴後の満足度をより高めてもらうために必要な最低限の予備知識をまとめた予習用テキスト』のつもりで書いていきます。



そもそもの原点となる『電光超人グリッドマン』とは?

(実は『電光超人』に関しては未視聴なので聞きかじりの知識で書きます。ゆるして)

アニメイトタイムズの作品紹介ページより引用

1993年に円谷プロダクション創立30周年記念作品として放送された特撮作品。
翔直人馬場一平井上ゆかの3人の中学生が、彼らが自作したパソコン"ジャンク"を通じて異世界からやってきたハイパーエージェント・グリッドマンと一体化ないし協力し、根暗なコンピューターオタクで3人のクラスメイトの藤堂武史、そして彼を唆し影で操る魔王カーンデジファーが作り出す怪獣と、機械の中の世界コンピューターワールド(以下CW)で戦う…というあらすじ。今で言うとロックマンエグゼの世界観とかを想像してもらえると分かりやすいだろうか。時代設定は近未来とかじゃなくて普通に現代(90年代当時)の日本だけど。

実はあの(皆さんご存知)serial experiments lainよりも更に前に、まだ一般社会では浸透していなかったコンピューターやインターネット、コンピューターウイルスといったテクノロジーを題材とした作品。そういう意味ではもっと注目されててもおかしくないと思うんだけどな…
他にも、変身者も協力者も敵も全員中学生で、面識はある身近な存在だがお互いの立場には最終盤まで気づかないという作中の構図、グリッドマンをサポートし、時には鎧のように変形しグリッドマンと合体する"アシストウエポン"、グリッドマンが怪獣によって破壊されたCWを修復する能力"フィクサービーム"といった、それまでの特撮作品には見られなかった要素が特徴的で、後年に至るまでカルト的人気を博した。
事実、この翌年にはかのパワーレンジャーと同様の形式で『スーパーヒューマン・サムライ・サイバー・スクワッド』(通称SSSS)がアメリカに輸出・放送され、2014年から2015年にかけて実施された日本アニメ(ーター)見本市では、『電光超人グリッドマン boys invent great hero』として短編アニメ化を果たした。特に制作会社や監督がそれと同じ後者については、後の『SSSS.GRIDMAN』の製作に大きく寄与している。

とりあえずOP曲『夢のヒーロー』とED曲『もっと君を知れば』はアニメ版を見る前に一度聞いておいてほしい。OxTによるカバー版もなかなか良い出来栄え。


四半世紀を超えて、ヒーローは再び『SSSS.GRIDMAN』

(以下、あらすじや登場人物などの作中の要素にはほぼ触れません。君の目で確かみてみろ!)

TRIGGER公式ホームページより引用

2018年秋アニメとして放送。『電光超人グリッドマン』を原作とする(クレジットでは『原作 グリッドマン』表記。後の作品も同様)完全新作アニメーション。
『電光超人グリッドマン』の制作においてお蔵入り、あるいは未消化に終わったものや、同作の続編として企画されたもののこちらもお蔵入りとなった『電光超人グリッドマンF』などから、キャラクターの名前や設定がオマージュとして大量に引き継がれている。

制作会社は『キルラキル』『プロメア』などで有名なTRIGGER。監督は『ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン』『宇宙パトロールルル子』の雨宮哲。(実は『宇宙パトロールルル子』に関しては今作ととある繋がりがあったりするのだがここでは割愛。これも個人的に好きな作品なので機会があればこっちも見てね)
『SSSS.DYNAZENON』や『グリッドマンユニバース』にも共通する事だが、制作にあたっては監督による架空のマーチャンダイジングを元に、いわゆるパワーアップ回や最終回までの流れを構想した上で具体的な世界観作りが行われた。いわゆる玩具タイアップ番組のような政策方針だが、このような"縛り"を設けた事で、アニメーション作品でありながら特撮番組特有の雰囲気も兼ね備えた、独自の色が生まれるに至った。

音楽は鷺巣詩郎。『新世紀エヴァンゲリオン』『シン・ゴジラ』を筆頭とする数多くの庵野秀明監督作品などの劇伴や、様々なアーティストへの楽曲提供などを手がけてきた古株のプロ中のプロ。でも円谷プロ作品に携わるのは実はこれが初めて。以後、『SSSS.DYNAZENON』や『グリッドマンユニバース』も担当。
OPテーマ『UNION』は『ようこそジャパリパークへ』を手がけたことで有名な「アニメ新時代の水木一郎」あるいは「アニソン界のおしゃべりクソメガネ」ことオーイシマサヨシとギタリストのTom-H@ckのコラボユニットOxTが担当。メロディだけでなく、冒頭の「目を覚ませ 僕らの世界が何者かに侵略されてるぞ」をはじめとした、密に作品に寄り添っただけでなく、ハートに直球で投げかけてくるインパクトのある歌詞が非常に話題となった。オーイシマサヨシは以後の作品でも主題歌を手がけている。

※注釈
なお、『UNION』のMVについてはアニメ放送の一年後に制作・公開されたもので、本編のエピローグのネタバレを多分に含んでいるため、本編視聴後の再生を強く推奨したい。

ちなみにタイトルの"S.S.S.S."はちゃんとした意味がある。先に紹介したスーパーヒューマン(以下略)とは別。クライマックスのあるシーンでしれっと出てくるので、気になる人は最終回までしっかり見よう。
あとぼくの好きなキャラはボラーと六花ママです。(小声)


似てるようで異なる世界、『SSSS.DYNAZENON』そして"GRIDMAN UNIVERSE"始動

TRIGGER公式ホームページより引用

『SSSS.GRIDMAN』の大成功を受け、続編『SSSS.DYNAZENON』の制作が決定。2021年春アニメとして放送された。巨大化ヒーローモノだった前作とは打って変わって王道な合体ロボットモノ。人物描写など作中の様々な要素もあり、どっちがより好みかは人によってかなり別れがち。でもどっちも良い作品なのに変わりは無い。
今作の元となったのは『電光超人グリッドマン』…の第18話『龍の伝説』。(原作のアシストウエポンのひとつ、ダイナドラゴンというモチーフはあるものの)たった一話の要素から1クールのアニメを作るってどんな発想ですか。

主要な制作陣は『SSSS.GRIDMAN』とほぼ同じ。制作会社も勿論TRIGGER。
OPテーマは『オーイシマサヨシ』の個人名義で再び氏が登板。『インパーフェクト』も『UNION』同様、王道でアツくなれるメロディーにシンプルかつインパクトのある歌詞が好評を博した。とある音楽評論家の評価曰く「不完全(インパーフェクト)な存在が力を合わせてパーフェクトになり、更に“Imperfect”の”I”と”m”の間にアポストロフィーを入れれば“I’m Perfect”で「誰かが加わるだけで完璧」となり曲名に込めた意味合いだけでオーイシの只ならぬこだわりや作品に対する愛情が伝わる」「子供の頃からヒーローに憧れ続けたオーイシだからこそ描けるヒーロー像が、隅々にまで漲っている歌詞」と絶賛され、令和3年アニソン大賞では作詞賞を見事受賞した。


ちなみに、こっちの"SSSS."にも前作とも違う意味合いが込められている。こっちは第一話ですぐに出てくるし『インパーフェクト』の歌詞にも含まれてるけど。
あとぼくの好きなキャラは山中暦と飛鳥川ちせです。(小声)

そしてそれと前後して始動したのが『SSSS.GRIDMAN』と『SSSS.DYNAZENON』を中心としたメディアミックス企画"GRIDMAN UNIVERSE"。『SSSS.GRIDMAN』のコミカライズを筆頭に、『ありえたかもしれない物語』として様々なストーリーが、漫画に、小説に、他作品コラボレーションに、舞台化(これはコロ助のせいでポシャったけど)に…。
文字通りグリッドマンの世界は、宇宙は、更に広がっていった。


"GRIDMAN UNIVERSE"の総決算『グリッドマンユニバース』

TRIGGER公式ホームページより引用

2023年3月24日から劇場で公開。『SSSS.GRIDMAN』と『SSSS.DYNAZENON』のクロスオーバー作品にして、これまで展開されてきた"GRIDMAN UNIVERSE"の総決算的な作品。

これに関してはもはや多くは語らない。自分の言葉で言い表すならば、『SSSS.GRIDMAN』と『SSSS.DYNAZENON』の2作を、ひいては"GRIDMAN UNIVERSE"を楽しんでくれた人への最大級・最上級のご褒美のような作品である。各シリーズでやり残したことにほぼキッチリ蹴りをつけ、これでもかと心を燃え上がらせ、ガツンと震わせてくる。これこそ極上の映画体験というものだ。
先の2作もそうだったが、自然とボロボロ涙と鼻水が出てくる映画と出会えるなんて機会はそうそう無い。人生で初めて3回も劇場に足を運んだくらいには、本当に本当に大好きな作品となった。鑑賞後、「ああ、ここまで全部追ってきて本当に良かったなぁ」と心からの充足感を得られたのは、とても価値のあるものだったと強く思う。

円盤は10月発売とのことだが、配信なりで見る機会が出来た暁には絶対に見てもらいたい。

【11/29追記】
アマプラにも来ましたねぇ!!!!!でも必ず上記2作を観てから観てください!マジで一見さんお断りな内容だから!


おわりに

ここまで長々と目を通していただきありがとうございました。
このテキストを通して、貴方が"GRIDMAN UNIVERSE"作品群をより楽しんでいただける助けとなれたのであれば、筆者冥利に尽きます。

さあ、君も飛び込もう!グリッドマンの宇宙へ!
アクセス・フラーッシュ!!

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