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5/26 (無料)日本株、米国株について

こんばんはアトレです、先週は世界中が待ち望んだNVIDIAの25年Q1決算がありましたね、期待値を無事に超えてくるあたり、さすがという内容でした。
しかも米国第三位の時価総額の企業が前年比で売上は2.6倍、EPSでは4.6倍という新興企業並みの成長力。作れば全て売れるという状態が続いている事に感服いたします。


このNoteでは相場、ニュース、指標に対する私の意見を述べさせて頂き、引用ソースについては著作権法に則った記載をしております。
また、個人の調査に限界もあるため、データの正確性の担保までは致しかねますのでよろしくお願いいたします

色んなところでNVIDIAの事は言われておりますんで、ここでは割愛しますが、一点だけ。
EPSの加速度的な成長が続く限り、同社の株式はもはや割高とはいえないレベルです。以下をご覧下さい。

引用元: Finviz https://finviz.com/quote.ashx?t=NVDA&p=d

Finbizから引用したものですが、P/E(PER)が62、forward P/E(PER)が30となっております。これはこれまでの実績EPSに対し、Forward(先行)の方が低いという事を意味しますので、これまでよりも半分ほどの割安具合になったことを示します。
通常、このようにPERよりもFoward PERが低いというのは企業が成長している証となります
以下は比較です。

M7の7社を色分けしてみました。緑はForward PERがかなり低い企業。薄オレンジはForward PERは少しだけ低い企業。紫はForward PERがむしろ高い企業です。簡単に解釈すると、NVDAとAMZNは収益成長期待が高いのに織り込みが進んでおらず割安、TSLAは収益期待が低いのに買われすぎている。その他4社は適正な水準と言えそうです。

割安と分類された企業は、「成長率が高すぎて市場がむしろ心配になっている」「そもそものPERが50オーバーという怪物レベルだったので、適温に向かっている」などなどの思惑が入りまじって今の水準で推移していると思われますが、仮に次の四半期決算が出る際に今と同じようなペースで成長するようであれば、PERとForward PER双方が下落して再び割安感が増しますので、「よい仕込み時」となる訳です。

ファンダメンタルズから株を買う時は割安ながら成長力がある企業に注目するのが肝心です。


さて、今日は珍しく日本株を取り扱います。
結論先に言うと、日本株は現在、「金融相場」と「業績相場」の間の「中間反落」のフェーズにあるかと見ております。

「中間反落はなんぞや?」という疑問にお答えすると、直近では米国市場で21年秋頃に起きた現象と言うのが最も説明がつきます。これは米国の大金融緩和の最後の局面で、「FRBがそろそろ利上げするんじゃないか?」と市場が織り込んだ時に金利上昇が一旦相場環境をギクシャクさせるフェーズです。
正に日本は現在、長期金利が1%を超えるなど利上げ意識フェーズに入ってきました。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB200T30Q4A520C2000000/

米国のチャートを見て分かる通り、結局、中間反落で落ちた後には「でも企業決算が強いから多少金利が上がっても経済は耐えるよね」というフェーズ(業績相場)が再びチャートを押し上げました。

上記の例を参考にしながら、日本株の現在は以下であると推測します。
マイナス金利終了から利上げフェーズに入る直前
 この場合、経済が強いから利上げする訳なので、業績が良い企業は株価を
 伸ばせる余地がある(金利に負けない成長力のある企業がねらい目)。
 *但し、本当に利上げされると資産に対し、現金の価値が(わずかに)
 上がりますので、株価には水を差す行為になり、大いに注意が必要
です。

ゼロ金利がこのまま継続するパターン
 以下、Shen様の投稿が示すように、日本のCPIは既に低下しており、日銀目標である2%を切るかもしれない段階にあります。日銀はこれまで黒田総裁の時代からしつこく「2%のインフレを定着させる為に粘り強く緩和を続ける」と市場にメッセージを送ってきた手前、当面ゼロ金利継続の可能性があります。この場合は、金利上昇による金融ストレスがかからない状態なので、株式市場は上昇しやすい環境が継続します。

金融ストレスを測る指標に実質金利があります。実質金利はいくつもあるのですが、ここでは最もメジャーな「10年国債利回り - 10年期待インフレ率」
の計算式を使用します。

以下の図をご覧ください。
0%ラインがとても大事で、青線(実質金利)がゼロより下にいる時は金融環境が「緩和的」で、ゼロより上にいる時は金利による金融ストレスがかかっている時を示します。青線が下がった時に特に株価が上がっているのが確認できると思います。

かなりシンプルに言うと、「この1億円のマンションは10年後に10%値上がりするだろう」と考えられる場合に、金利負担極小で1億円借りれるのであれば「1億借りたい」と考えるのが当たり前という事です。

引用元:株式マーケットデータ

つまり、金融環境からは日本株に有利な環境が現在の状況であると分かると思いますが、ここからはもう少し業績面について触れたいと思います。

現在、USD/JPY(いわゆるドル円)は157円まで来ており、円安になるほど輸出型企業に有利だとニュースで言われているのを聞いた事があると思います。シンプルに言うと、ドルで販売している車メーカーなら、2021年からずっと5万ドルでこれまで販売していた車が日本円に換算した金額が21年当時は525万円だったのが今のレートなら785百万になっている計算になるので、物の本質が変わっていなくても自動的に売上が増えているのが分かると思います。

因みに以下の日経新聞の記事によると、日本の主要企業は1ドル=145-149円で2024年度を想定している企業が最も多く、仮に今の160円手前のレートで為替が推移すると、それだけで収益が上振れする事が分かると思います。しかもよく見ると9割近い企業が150円以下のレートで想定しています。あえて低くしていた方が決算報告の際のハードルは下がるので、ちょっと大人の事情もあるのかもしれません。

という事は、今の為替レベルで推移したなら、ドル販売の多い企業や海外の権益を持つ企業は売上を増やせなくても決算上は増加したように見える事になりますので、業績が上振れしやすい環境となります
逆に自社の商品を円固定単価で海外に販売している企業は為替の恩恵は薄くなりますので、値上げをしっかりできている企業が強そうですね。

因みに以下が、日本の期待インフレ率(Brake Even Inflation rate)の推移です。かなり上がり基調である事が分かると思います。目先で1.5%まで来ていますので、金利(お金)よりもモノ・サービス(お金の支払い先)の価格上昇の方が高い事が分かります。つまり、このペースで行けばお金の価値はモノ・サービスより相対的に低くなるので、株式、不動産、耐久財などの価値が相対的に上昇する(つまりインフレ)傾向があります。

引用元:株式マーケットデータ

尚、日本においては今後労働力の観点からインフレが進む可能性があると考える。上記の日経新聞記事によると、日本は少子高齢化の中でも女性の労働率が上がり、2013年に47%程度だったものが2023年までの10年間で54%程度まで上昇しております(男性は70%弱)。従来はこれで労働人口が賄えたので、賃金コストが上がりにくかったと考えます。これに対し、今後徐々に男女とも引退世代が増えると、この数字は上がりにくくなり、労働人口は減少する可能性が高そうです。

米国のように外国人を移民させればよいのでしょうが、日本の賃金レベルは他国に見劣りするし、今後円安が長引けば更に外国人を雇うのは難しくなります。今後人が減る⇒求人の給与を上げる⇒という賃金での労働力の奪い合いが起きるようであれば、中長期でのインフレ社会に日本が入った可能性があります。

もしそうであった場合、現金よりリスクアセットの価値が相対的に上昇しやすくなるので、資産の選び方にはくれぐれも注意ください。

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米国株・半導体を中心にファンダメンタルズ情報を発信します。 更新頻度:週1~2回 決済は、お申し込みをいただいたときに初月分が発生し、そ…

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