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1/8 ファンダメンタルズ分析初級編(後編)

こんばんはアトレです。みまさま、あけましておめでとうございます。
昨年から始めたこのnoteも約半年が過ぎ、いろいろな方に読んで頂き、嬉しい反響も頂き感謝しております。本年も改めてよろしくお願いいたします。

今日は先週の続きで不動産セクターの主要銘柄をスクリーニングして5銘柄をピックアップしてみました。前回の分析に更に深堀りしてみます。
さほど難しい事はやらないので気軽に読んでくださいね。

前回、Tradingviewの機能を用いて簡易的なスクリーニングした結果、不動産セクターの中でも以下の5銘柄が業績面で優れている事が分かりました。

では次に、大体どんなことをやっている会社か手触り感が無いと業績分析に移れないので、今度はWikipediaの力を借ります。

①PLD:Prologis

引用元:Wikipedia

物流施設なので、倉庫、航空上屋、湾口施設など物流に絡む不動産を主有し、それをリースや時間貸ししているようなイメージでしょうかね。日本でもネットショッピングのアイテム保管倉庫として空港、港の近くには倉庫街と呼ばれる地域があるので、ああいうのをイメージすると良いかもしれません。

②AMT:American Tower

引用元:Wikipedia

どうやら、電波塔、通信基地局を自社資産として保有し、それをリースする事で利益を得る会社のようですね、リースという意味で不動産セクターなのでしょうか。売上の95%が通信インフラのリースで、AT&Tなどの通信企業がメイン顧客という事で割と堅い商売ですね。

③EQIX:Equinix

引用元:Wikipedia

今度はデータセンターのリース企業のようですね。REIT(リート)とは投資家から資金を集めて、不動産に投資し、そこで得られた収益を投資家に分配する仕組みで、不動産会社からすると自己資金にプラスアルファで資金調達する事で投資を拡大させられるメリットがあります。
上記3社は多国籍企業のジャンルで、米国向けの売上がさして高くありません。つまり、今後FRBの利下げからドル安が進んだ場合、業績への影響が出てきそうです。

④PSA:パブリックストレージ

引用元:Wikipedia

今度はトランクルームの会社ですね。個人向けトランクルームをリースして使用料を受け取る事業で、売上の75%は米国個人向けトランクルーム事業が占めるようです。この点で①~③の企業とはやや趣が異なりますね。
所有する不動産価値の上下、賃貸料の上下が収益のカギを握りそうです。

⑤SPG:Simon Property Group

引用元:Wikipedia

出ました、The商業用不動産の会社ですね。ショッピングセンターなどのデベロッパーという感じでしょうか。たまにYoutubeなどで耳にする「商業用不動産が危ない」というのは①コロナによって人々の行動に変化が起きて実店舗の価値が落ちた、②高金利すぎてテナントに入れる企業が減ってしまいスカスカになっている、③商業用不動産の価値そのものが下落したというような理由からです。実際に中国では破綻する企業も出ていますね。

米国ではそこまでではありませんが、イギリスではカナリーワーフと呼ばれる欧州屈指の商業街で大手企業が続々と撤退するなど不動産価値の下落が進んでおり、米国も対岸の火事では済まないかもしれません。
https://youtu.be/QVPPusOkLs8?si=E4juCWrOX_3kKXXc

では次に肝心の決算分析に入ります。
ここからが本題ですよ。

基本的には財務3表と呼ばれる損益計算書(P/L)、貸借対照表(B/S)、Cash Flow計算書(C/F)から分析します。

この中で私が最重要視しているのはP/Lです。
その理由は、人に例えるとP/Lは年収みたいな物で、B/Sはこれまでの貯金みたいな物で、C/Fは家計簿的なものでして、私の投資対象は今後の成長が大いに望める物を狙っているので、人で例えるなら20代のサラリーマンに投資する感覚だからです。

20代のサラリーマンが貯金が無いとか、飲み会続きで毎月カツカツなんて言っていてもあまり気にしません。でも、25歳で500万円、28歳で800万円、30歳で1000万円と年収を伸ばしている子は期待大です。そういう子は若いうちから節約が得意な子よりも長い目で見れば期待が大きそうなので、ねらい目だと思います。
(飽くまで米国株の話をしています)

では、そのP/Lについて分析する際に注意する事。
①数年分のデータを見る事
 単年ではなく、徐々に収入が拡大している子を狙います。
②利益率の高い企業を狙う事
 企業には価格競争があります、それに耐えうる競争力が利益率です。
 *M7など優良企業は全て利益率が高いです。
③ジリ貧になっていないかを読み取る
 決算からヤバイという匂いがないか読み取る

以下は、各5社の売上、営業利益、純利益を2020年から3年分と今年の9か月分の決算データから12か月換算した合計4年分の決算推移です。このグラフを元に①順調に右肩上がりか?②伸び率がへたってきていないか?を見ていきます。
因みに過去3年分のデータはMorningstarというサイトを参考にすると一発で見れます。直近のデータは各社のIRライブラリーのページから参照しました。
Simon® Reports Third Quarter 2023 Results and Increases Full Year 2023 Guidance | Simon Property Group, L.P.



以下、単位はbilドルです。

いかがでしょうか?
売上を見ると5社とも4年連続で伸びており、さすが選ばれし5銘柄という感じです。しいて言うならPLDが伸び率が急騰しており好ましい感じがしますね。
次に営業利益。
AMT以外は好ましい右肩上がりで、やはりPLDが急騰中。PSAの52%も素晴らしい。
次に純利益。
ここではEQIXが急騰しています。PLDも素晴らしい。
*注意
不動産価格が上昇した事で、資産を売り抜けしている会社も見受けられ、売上に対して純利益が膨らんでいるのは実力以上に特殊要因がある可能性があり注意が必要です。

5社を業績で比較すると、AMTが営業利益が伸びておらず横ばい推移。稼ぐ力でやや見劣りか。SPGも売上が伸びていないのが気になる。
PLDは文句なしの右肩上がりの業績推移。PSAがそれに次いで良い数字を残している。
残りのEQIXはその中間か。当然悪くは無し。

という事で、おさらいしますと、まずは相場のサイクルから株の買い時であるかどうかを判断し、その後、伸びそうなセクターを想定。その後にセクターの中で推しメンを決めるという作業を行います。
推しメンを決める作業が最も細かく、時間がかかりますが、業績情報を読んでいくと学びが多く、意外と楽しめると思います。

この先は各社が資産を売却している、リストラ進めている、新規有望プロジェクトがある、など更に細かい分析を進めていくのがファンダメンタルズです。

今年はこんな風に銘柄分析など進めてみてはいかがでしょうか?

尚、この分析はファンダメンタルズでの分析を行ったもので、銘柄推奨を行うものではありません。

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