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2/11 CPIを控えて~インフレ鈍化の動き~

こんばんはアトレです。今日は建国記念日、そんな事を忘れ、明治神宮に厄除けのお参りに行ったところ、国の式典、お神輿、マーチングバンドの行進など大変賑やかなお参りでした。「君が代」をマーチバージョンで聞きながらお参りするという滅多にできない経験をさせて頂きました。

さて、米国株は金利が上昇する中でも非常に強く、下がってもすぐに盛り返すという流れが続く1週間であったと思います。以下の図の通り、ほとんど一本調子でしたね。私はこの動きの背景は強かった雇用統計と、次に控えるCPIの下落を見込んでの上昇であったかと推測しています

画像引用元:Tradingview

今週の結論を先に言います。
●雇用好調の中でCPI3%以下が達成されると株価には追い風な環境が整う。
●インフレ(CPI)は今年中に2%を切る速度で進行中。
●FRBの利下げはいつか?むしろ遅い可能性も。
●大統領選挙の年の株価暴落確率は50%。むしろ他の年より危険

もういきなり行きますが、CPIの予測値は以下の通りです。
*CPI予想値はティコさんの計算
前回同様、アナリスト予想値とは少し違う値を計算しました。総合は上振れ、コアは下振れの予想です先週、CPIの計算方式が改定され、過去2年分のデータを改定値に入力し直しまして、オリジナルの補正値を加えて再計算した値です。どちらかと言えばコアの方が補正値を合わせるのが難易度高かった印象です。

さて、上記の予測が当たっていたとして、セオリーでは株価にはプラスに働くと考えられます。その理由は、失業率が非常に低く、且つインフレがついに3%以下に収まる為、「雇用が好調でありながらインフレは下がる」という経済にとって理想的な展開になる為です。副作用として金利が下がり、企業間活動がしやすい展開になるかもしれません。雇用が強いまま金利が下がるのは株価にとっても追い風です。

CPI(総合値)推移

上記の通り、3%というのは23年7月以来の数字で、直近では最も低い値と並ぶ訳ですし、21年4以来の低い数字になります。折角なので、CPIの考え得る未来予測もやります。
以下は、CPIの前月比のグラフ(濃い青)と回帰分析(青の点線)によって未来予測を行ったものです。6~7月には前月比0.1%になる軌道で進んでいるのが分かります。

これを元に、今後3~5月は前月比0.2%、6~8月は前月比0.1%になると仮定してCPIの未来予測をしました。ただの数字遊び感はありますが、今年中には2%を切りそうな見込みになりそうです。
尚、CPIに先行するPPI(生産者物価指数)はこの半年、1%台の値が多くインフレは低下傾向です。

そうなるとFRBの利下げがいつか?
このタイミングを間違うと必要以上に経済を壊す事になってしまいます


以下の図は青線=CPI、赤線=FF金利です。1965年頃からのデータを抽出していますが、よく見ると、CPIが下げ始める前、或いは同時にFRBは利下げしてきているのが分かります。これは高金利で経済が引き締められすぎて崩壊する前に利下げして金融バランスを取るアクションですが、大体は判断が遅れてしまい、不況(グレー期間のリセッション)を引き起こしてきた過去があります。

それに対し現在はCPIが天井を超えて以降、随分長い期間、高金利を維持しているというかなり珍しい現象が起きています
過去の出来事から推測すると、利下げが遅すぎて手遅れになる可能性もあります。

画像引用元:FRED

そして、過去に遡ると、もう一つ見えてきた事が。
先週のレポートでは、雇用統計では実際は雇用はこの2か月で70万人減少している事、フルタイムが減ってパートタイマーが増えている事をお伝えしました。そのフルタイムの人が減少し始めるタイミングというのは、過去全てリセッションの時であった事が以下の図で示されています
この動きはソフトランディングとは逆を行っており、来月以降の雇用統計で持ち直せるかがカギになります。

今年は大統領選挙の年という事で、歴史的には株価が上昇しやすいと言われております。これは選挙前に現職大統領が様々なバラマキを行う事で国民の人気取りをするからと言われております

雇用統計についても、23年は実は政府系雇用が22年平均の倍もあり、失業率が上昇しないように雇用を増やす戦略がとられていた可能性がありそうです。

BLSの発表から引用

では、よく言われる「大統領選の年は株価が伸びやすい」は本当なのか?2000年以降で検証するとこんな感じであった。
答えは、6回の選挙中、3回で大きな不況を迎えていた。
なんと2000年以降のリセッションは全て選挙の年に起きており、選挙があるから経済は大丈夫というジンクスはむしろ「選挙の年だから半分の確率で暴落する」と身構えておいた方がよさそうです。

では何が今後の株価動向を左右するのか?要点をまとめてみました。

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