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全米プロゴルフ選手権プレビュー⑤

 今回はLIVゴルフでプレーする選手を注目しました。
 ケプカ、ラームだけではありません。


1.今季LIVゴルフ個人戦2勝、世界ランクを自身で上げた姿勢が評価され出場決定、ホアキン・ニーマン

 LIVゴルフ開幕戦・マヤコバと第3戦・ジッタ(サウジアラビア)で個人戦優勝、開催された7戦中6戦で個人戦はトップ10の結果を残しているホアキン・ニーマン。
 DPワールドツアーもオーストラリアオープン優勝やドバイデザートクラシック3位、アジアンツアーではインターナショナルシリーズ・オマーンで4位に入っています。
 欧州やアジアのツアーでワールドランクのポイントを稼ぎ、世界ランクを自ら上げてきた姿勢が評価され、特別推薦で出場が叶いました。
 マスターズは本来の実力が十分出なかったものの22位。
 もともとショットには定評があるニーマン、チリ勢初のメジャー優勝者を狙います。

2.マスターズ6位と久々にメジャーで活躍、得意のパッティングで2つ目のメジャーを、キャメロン・スミス

 一昨年セントアンドルースの全英オープンでキャメロン・ヤングとの激闘を制し、見事メジャー初優勝を挙げたキャメロン・スミス。しかしその年のPGAツアー終了後、電撃的にLIVゴルフへ移籍しました。 
 その年のプレーヤーズ選手権優勝で、本来ならTPCソーグラスにスミス専用の駐車場ができるはずが撤去され、環境の整った場所で思う存分練習をしたかったスミスにとっては痛手となりました。
 しかしそんなことなどお構いなしのスミス、LIVゴルフではすでに個人戦で3勝を挙げ、今年母国オーストラリア・アデレードで行われた試合では主将を務めるリッパーズGCの団体戦優勝に貢献、表彰式では新品の靴をグラス代わりにしてビールを飲み干すパフォーマンスや、アデレードのバーで優勝の二次会を行うなど、大勢のファンと一緒に喜びを分かち合いました。
 マスターズでは得意のパッティングが冴えを見せトップ10フィニッシュを達成。この流れに乗りメジャー2冠目を狙いたいところです。

3.連続3シーズンLIVゴルフ個人戦優勝達成、ラーム同様優勝すればグランドスラムに王手、ダスティン・ジョンソン

 ”LIVゴルフの顔”でもあるダスティン・ジョンソン。
 PGAツアーで20勝以上、そして10シーズン以上在籍していたので永久シード保有資格がありましたが、それを断ち切りLIVゴルフへ移籍。
 3シーズン連続で個人戦に優勝し、主将を務める4エースGCを初代団体戦優勝に導きました。
 全米プロには痛い思い出があり、10年大会では砂地からソールして打ったショットがバンカー扱いだったため、1打のペナルティを課せられ、それがプレーオフ進出を阻みました。
 身体能力の高さから出る、持ち前の飛距離と巧みなアプローチを武器に、16年の全米オープンでメジャー初優勝、秋開催の20年マスターズでは大会最少ストロークでの優勝でメジャー2勝目を挙げました。
 今年の6月で40歳を迎えるDJですが、これに勝てばラーム同様グランドスラムに王手がかかるため、まだまだ若い選手達には負けられません。

4.マスターズで存在感を示し、体型もゴルフも元に戻りつつある”科学者”、ブライソン・デシャンボー

 アマチュア時代は全米アマチュア選手権、全米学生選手権を制し輝かしい実績を引っ提げてプロに転向したブライソン・デシャンポー。
 アイアンの長さを37.5インチに統一したり、ボールを塩水に浸けて重心がずれていないかを検査するなど、大学で物理を専攻しているだけあるのか、”ゴルフ科学者”との異名も。
 17年のジョンディアクラシックでツアー初優勝するのを皮切りに、18年はプレーオフシリーズで連勝するなど徐々に実績を重ねるデシャンボー。
 そして翌シーズンには肉体改造にも着手し、ドライバーの飛距離が平均で320Yを超え、ロングドライブを武器にしてツアーを戦いました。
 そして20年の秋、パンデミックで開催延期になり無観客で行われた全米オープンで見事メジャー初優勝、スター選手の仲間入りとなりました。
 しかしその後はPGAツアーでの成績が下降線をたどり、2年前の全米オープンを最後にPGAツアーから離れLIVゴルフに移籍。
 2シーズン目の昨年、グリーンブライアー大会の最終日にLIVゴルフ史上初のスコア50台をマーク(Par70で58、12アンダー)し個人戦初優勝を挙げると、シカゴでも個人戦優勝。
 そして自身が主将を務めるクラッシャーズGCを2代目団体戦優勝チームへと導きました。
 しかし大きくなった体格がいろいろと”邪魔”になったのか、ダイエットを始めまた元の体型に戻しました。
 「オーガスタは”パー67”だ」など高飛車な発言もあり、結果を残せなかったマスターズも”謙虚”になり、自身初のトップ10フィニッシュ。
 一皮むけたデシャンボー、メジャー2冠目を狙います。

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