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”英樹さんの他に僕もいます”、松山茉生(まつやま なお)日本アマチュアゴルフ選手権史上最年少優勝達成

 今年が日本ゴルフ協会(JGA)創設100周年を記念して開催された、第108回日本アマチュアゴルフ選手権が、6月25日から4日間の日程で日本を代表する名コース、廣野ゴルフ倶楽部(兵庫県三木市)で開催されました。
 最終日が降雨によるコースコンディション不良の為、当初予定されていた72Hストロークプレーを54Hに短縮されることが決定しました。
 54Hを終了し、前日まで首位にいた山下将勝(近畿大学)と松山茉生(まつやま なお・福井工大付属福井高)のプレーオフのみ実施され、松山がプレーオフを制し108代目のチャンピオンに輝きました。
 15歳344日での優勝は、2015年に金谷拓実が記録した17歳51日を大幅に更新する、日本アマチュア選手権最年少優勝のおまけつきです。

 2人の雨中のプレーオフを制したのは15歳344日の松山茉生だった。雨に強い男が、2015年大会の金谷拓実の17歳51日を更新する史上最年少優勝記録を更新した。
 プレーオフは10番ホール(パー4)と11番ホール(パー4)の繰り返し。まず10番ホールはお互いにバーディで引き分け。先に山下勝将が2メートル強のバーディを決め、決め返さなければ負ける2メートル弱のバーディパットの際は、さすがに手が震えたと言う。

「山下さんに先に決められたんですが、ラインはわかっていたので、そこに何も考えずに打つだけだったんですけど、手は震えていました」。

(中略)

 プレーオフ2ホール目は得意のドライバーを手にした。

「左のラフだけは絶対に避けたかったため、右のバンカーでもいいと思っていました」。

 冷静にゲームメイクした結果、山下がボギーとしたのに対して松山はきっちり2オン2パットのパーで見事勝利を手にした。

「今はホッとしています。プレーオフが始まる前から緊張していたので、それで勝つことができて嬉しいです。(最年少記録のことも)わかっていたので、金谷さんが勝ったのと同じコースで記録を更新できたことは本当に嬉しいです」。

 優勝を決めたパーパットは残り1.5メートルほど。
 緊張する場面でもしっかり打てたのは、松山自身が「このままプレーオフが繰り返し続いても自分ならいける」と思えていたことにある。勝てば終われるプレーオフだが、終わらせようとするのではなく、続ける気持ちが勝利を呼び込んだと言える。
 規格外の飛距離を武器に、技術も気持ちも成長著しい松山の今後の活躍から目が離せない。

JGA公式サイト

〇松山茉生プロフィール

 来月20日に16歳の誕生日を迎える松山(2008年7月20日)。
 父の勧めでゴルフを始めました。
 身長182cm、体重88kgの恵まれた体格から放たれる、ドライバーの平均飛距離が310Yという豪快なショットが武器の選手です。
 2022、2023年の中部ジュニアゴルフ選手権12〜14歳の部で2連覇を達成し、2023年の日本ジュニアゴルフ選手権12〜14歳の部で2位入るなど、伸びしろが青天井の選手です。
 先週開催されたトヨタ・ジュニアゴルフワールドカップでも個人戦で優勝、”2週連続”でアマチュアタイトルを獲得しました。

https://www.jga.or.jp/news/national_team_news/2024_0624_1056/

〇日本アマ最年少優勝記録の変遷(21世紀以降)

 21世紀以前の日本アマチュア選手権最年少優勝者は、1973年に中嶋常幸でした(18歳9か月)。
 21世紀に入り、この記録が何度も更新されました。

 まず2004年に韓国人選手として日本アマチュア選手権に優勝した、李東桓(イ・ドンファン)が17歳3か月(92日)で優勝。
 この時の準優勝だった伊藤涼太が14歳になりたてで、2人の年齢を足しても31歳と100日という、当時としては画期的な出来事でした。

 そして2014年に小木曽喬が17歳3か月(115日)で優勝し、日本人選手として史上最年少優勝を達成しました。
 ちなみに今年の優勝者である松山茉生が現在通学している、福井工大付属福井高校の先輩であり、伊藤涼太も卒業生です。

 翌2015年、第100回を記念して今回と同じ廣野で開催された大会では当時広島国際学院高2年の金谷拓実が、当時大利根中学校3年の中島啓太を決勝のマッチプレーで大差に破り、17歳1か月(51日)で李東桓が持つ最年少優勝記録を更新しました。

 今回松山茉生は、金谷が打ち立てた史上最年少優勝記録を1年以上も更新したことになります。
 この20年間で何度も記録を更新したことは、日本のアマチュアゴルフ界がだんだん若年化している証拠と言えるでしょう。


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