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全米オープンゴルフ プレビュー④

 今回はLIVゴルフ勢についてです。


1.同じ開催地の圧勝劇だった10年前のチャンピオンも出場資格の効力は今年まで、思い出の地で再び輝きを見せられるか、マーティン・カイマー

 母国の大先輩であるベルンハルト・ランガーの後を引き継ぎ、欧州で力をつけPGAツアーに2009年から参加。
 翌2010年の全米プロゴルフ選手権で、バハ・ワトソンとのプレーオフを制しメジャー初優勝。2011年には世界ランク1位になりました。
 その後も好成績を収め続けてきた2014年、パインハーストNo.2で3回目の全米オープンが開催されました。
 過去2回は深いラフが特徴的でしたが、完成したてのコースに再現するというリノベーションを行い、ウェストエリアを設けたコースに変貌。
 そんな中初日から首位に立ち、あれよあれよという間に4日間が経過。
 単独首位を一度も譲らない完全優勝でメジャー2勝目を挙げました。
 カイマーはこの年、プレーヤーズ選手権でも完全優勝をしています。
 順風満帆だったカイマーですが、この優勝が最後になるとはこのとき誰が予想したか。優勝から遠ざかるのに呼応して成績も下降線に。
 そして2022年、LIVゴルフに移籍。クリークスGCのキャプテンを務めています。
 先週のLIVゴルフ、ヒューストン大会でクリークスGCが初めて団体戦優勝を成し遂げました。
 過去10年間の優勝者に与えられる全米オープン出場も今年が最後、世界ランクも下位に下がってしまったカイマーにとって、もう一花咲かせたいところでしょう。

2.最終予選プレーオフで敗れオルタネートになるものの最後に出場権を獲得、25年連続全米オープン出場を果たす、セルヒオ・ガルシア

 今回アダム・スコットと共に、全米オープン出場がどうなるか注目されたセルヒオ・ガルシア。
 出場権は予選会から勝ち上がらなくてはならない状況で、先月ダラスで行われた最終予選会で7人中6人が勝ち上がるプレーオフで、唯一ボギーを叩きオルタネート(補欠)1番手となったガルシア。
 大会開幕直前の10日、出場156選手中残り6選手の発表が行われ、そこのガルシアの名前がありました。25年連続の出場が決定です。
 パインハーストNo.2で行われた2005年大会の3位タイが最高順位のガルシア、コースとの相性で戦います。

3.いよいよこれが30代最後の試合、40代になる一歩手前で再び栄冠を勝ち取りたい、ダスティン・ジョンソン

 高い身体能力から放たれるロングショットに、繊細なアプローチとパッティングでスコアを作り、数々のビッグタイトルや世界No.1に君臨してきたダスティン・ジョンソン。
 そんなDJも、いよいよこれが30代最後の試合となりました。
 全米オープンも苦楽を共にしてきたDJ,2015年のチャンバーズベイでは最後のバーディーパットが外れ、スピースに優勝をさらわれることに。
 しかし翌2016年、名門オークモントでは持ち前を存分に生かし他の選手を圧倒。パッティングの最中にボールが動いたことによる1打罰があったもののこれをはねのけ、念願のメジャー初優勝を挙げました。
 2020年には秋開催のマスターズで優勝しメジャー2勝。PGAツアーも通算20勝を超え、在籍15シーズン以上のライフタイムツアーカード(永久シード)2条件をクリアしましたが、モチベーションの低下や家族のことなどが重なり、LIVゴルフに移籍しました。
 LIVゴルフ3シーズンで個人戦1勝を挙げ、その実力はまだ衰えていないとは言え、今月22日の誕生日で40代を迎えるDJ。
 こちらも一花咲かせたいところです。

4.キャリアグランドスラムにあと1歩と言われ10年、いよいよタイムリミットが2年後に迫ってきた、フィル・ミケルソン

 パインハーストで行われた最初の1999年全米オープン、息詰まる死闘を最終組のペイン・スチュアートと一緒に演じました。
 エイミー夫人の出産が近づき、棄権も考えていた中でです。
 最後スチュワートが4.5mのパーパットを決め優勝を逃しましたが、その後スチュワートから「いいかフィル、偉大な父親になれよ」と顔と顔を突き合わせなから言われました。
 その足で地元アリゾナにいる妻のもとにとんぼ返りし、翌日待望の愛娘が誕生しました。
 全米オープンはこの2位を含め過去6度経験し、なかなか取れないタイトルです。自身の誕生日が大会期間に近いこと(6月16日)と、全米オープンの伝統である最終日が父の日ということも併せれば、家族思いのミケルソンは是が非でも取りたいタイトルでしょう。
 マスターズに3度、全米プロに2度、そして2013年の全英オープン優勝で6人目のキャリアグランドスラムへ王手をかけ続けて早10年以上が過ぎようとしています。
 ただその挑戦も、2021年全米プロ優勝によるその年から5年間の出場権も残すは今年と来年のみとなったミケルソン。
 天国にいるスチュワートも、達成に力を与えているかもしれません。

5.直近の試合で怪我による棄権、練習日初日にはコースに姿を現さなかったので心配、ジョン・ラーム

 昨年末に電撃的にLIVゴルフへ移籍したジョン・ラーム。
 今まで出場した大会ではコンスタントに成績は残すものの、メジャーのコースセッティングやフォーマットがかけ離れており、昨年までメジャーで戦えたのが今年はほとんど結果を残せていません。
 試合のフォーマットを改善して欲しいともコメントしていました。
 全米オープンではこれまでの鬱憤を晴らそうとし、直近のヒューストン大会で肩慣らしと行きたかったのですが、アクシデントが発生しました。
 アイアンショットを放った際に左足に痛みが走り、プレーを続行できずに棄権。感染症と診断されました。
 そして迎えた練習日の月曜日、ラームの姿はそこにありませんでした。
 翌日以降どうなるのか、今後の動向が気になります。

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