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2024全英オープン プレビュー⑤

 今回は欧米以外の注目選手です。


1.メジャーの中で全英オープンは苦手な部類、それでも過去の経験値は日本人選手最多、松山英樹

 プロ転向後の2013年から全英オープンを経験している松山英樹。
 初出場でスロープレーによるペナルティを取られたものの、6位に入り世界に名を轟かせました。
 その後は著名なリンクスコースでいろいろな天候の中で試合を行い、ショットのスキルを高めたりアプローチのバリエーションを増やしてきた松山。
 10年後でも未だ世界に十分通用する技術を、自ら編み出しました。
 試合を完走できなかったのが3度、21年にコロナで試合に出られなかったのもあり試合との相性の良さがあまりないとは言え、それでも存在感を出しています。
 昨年は体の怪我に悩まされたのがウソのような今年。リーダーボードに名前があるのは当然で、あわよくば一番上にいたいでしょう。

2.シーズン終盤になり好調を維持できるようになったのは好材料、昨年2位の実績で今年は1つ上へ、トム・キム(キム・ジュヒョン)

 昨年から足の怪我に悩まされ、当初の勢いが影を潜めたトム・キム。
 しかし怪我がだんだん癒え始め、調子をまた取り戻しました。
 バースデーウィークに開催されたトラベラーズ選手権、初日から首位を快走し久々の優勝かと思われましたが、同じ誕生日のシェフラーにプレーオフで敗れました。
 昨年全英オープンでは優勝したハーマンに6打差をつけられるも2位タイに入り、メジャーでも戦えることを証明。
 相性のいいスコットランドで、メジャー初優勝を狙います。

3.兵役を終了し今季は好調、ただメジャーは”3連敗中”なので何とかストップを、イム・ソンジェ

 18年にウェブドットコムツアーで2勝を挙げ、翌19年からPGAツアーで戦っているイム・ソンジェ。
 ルーキーイヤーで最終戦のツアー選手権に出場できたことが評価され、新人王に輝きました。
 翌20年にホンダクラシック(現・コグニザントクラシック)でツアー初優勝、21年にシュライダースチルドレンオープンに優勝しています。
 そんなイムにとって懸念材料は、韓国の徴兵制度です。
 実力をつけつつある時期に2年間の義務をこなさなくてはなりません。

 しかしアジア大会にプロ選手の出場を認めた韓国、昨年行われたアジア大会男子ゴルフ競技にイムとキム・シウーが出場、団体戦金メダルを韓国が獲得したことにより2人は、兵役が2年間から1か月に短縮されました。
 これによりイムは今年から思う存分ツアーに専念できることもあり、これまでトップ10に6回入りフェデックスカップ10位につけ、世界ランクも24位入り好調を維持しています。
 これほど好調なイムにとって、まだ今年メジャー3試合で完走をしていないのが不思議。
 何とか”今年のメジャー全敗”を避けたい思いはいっぱいのはずです。

4.一昨年デットヒートを演じ全英オープンでメジャー初優勝、LIVゴルフ移籍後もメジャーでそこそこ活躍、キャメロン・スミス

 セントアンドルーズで行われた150回記念大会を制したキャメロン・スミス。
 首位マキロイを1組前で懸命に追いかけ、終盤のピンチにも持ち前の小技を駆使し、初のメジャータイトルを獲得しました。
 全英オープンに優勝しPGAツアー全日程終了後、電撃的にLIVゴルフへ移籍する一報はファン並びにゴルフマスコミを驚かせました。
 移籍後も個人戦を3回優勝、今年母国アデレードで開催した試合ではプレーオフで団体戦を制覇、ギャラリーとお祭り騒ぎになりました。
 メジャーでもこれまで安定した成績を残したスミス、2年ぶりのクラレットジャグを目指します。 

5.メジャー連続出場記録を93に更新、先週の好調さを維持したい、アダム・スコット

 00年プロ転向し、01年にプロとして初めてのメジャー大会出場が全英オープンになったアダム・スコット。
 それ以降はパンデミックによる競技中止となった20年の全英オープンを除き、メジャー大会に連続92試合出場を継続中。先月の全米オープンでは世界ランク60位ギリギリに入り、薄氷を踏む思いでの記録達成でした。
 そして今大会でその記録が93に延びました。
 大きな怪我がなく体調管理を怠らなかったこと、そして20年以上もの間世界のトップに居続けた証拠です。
 先週のジェネシススコティッシュオープンでは、4年ぶりのPGAツアー優勝が見えましたが一歩届かず。それでもまたスコットは世界ランクトップ50位内に返り咲きました(35位)。
 まだまだ戦えることを証明したスコット。優勝すればメジャー連続出場記録は間違いなく100試合を超えるので、それもモチベーションにして11年ぶりのメジャー優勝を飾りたいところです。

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