番外編「最後の講義nhk:大林宣彦」

「大林宣彦」 - 最後の講義 - NHK

2020年

NHKのEテレで放送されたものを

コロナ後の今、2023年8月、再放送を見た。

がんに侵され余命短いなかでの

まさに大林監督最後の講義だった。

当初はCMのディレクターとして華やかな世界で活躍し

映画の世界に身を転じた大林氏。

その姿勢は常に一貫し、自身が述べているように「ぶれていない」映画人としての

人生を全うしたといえよう。

「映画はフィロソフィーをもって作る」

フィロソフィーがぶれていなければ100年先に芸術として残る

逆に

映画人として

ゆるキャラにはなるな(ゆるキャラは作るな、利用するな)

売れることを目的として作るな、

等々語る言葉はことごとく納得というか同感・・・。

特に感銘したのは

小津監督作品における目線の話、

言われてみれば小津作品では出演者が

目線を合わせていないシーンが多い、という事実。

通常の撮影では

カット割りで当たり前のように目線を合わせて収録することが常識だが

あえて行わない、その事実と理由。

そして

戦後10年ぐらいした時期の家族の姿を

目を合わせない演出で

あえてその時期の虚像的な家族の形を否定するような・・・

ああ、そうなんだ!と気づかせてくれたこと、、、。

映画は技術革新により発展したものとして

デジタル技術にも新しいものを取り入れることに前向きだった。

ただしそれによる最近の手軽な作品の量産に

「技術に使われるのではなく技術は使う事」

も苦言を持っていたこともうかがわせる。

まったくその通り。

今後も配信でみることはできるので

映画好き、だけでなく

多くの人にぜひ見てもらいたい番組です。

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