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物語に想いを寄せて---刀剣乱舞@日本科学未来館
みなさんこんにちは、今回は東京・お台場にある日本科学未来館で開催中の「刀剣乱舞で学ぶ 日本刀と未来展」に行ってきたのでその様子をお届けしたいと思います。
はじめに
この特別展は初見で楽しむのがいいと思うので、今後行く予定がある方は是非この記事も見ずに現地へ足を運んでください。
東京は10/14までやってます、大阪と福岡も巡回しますよ!
今回はどうしても行けない方や、もう行ってきた方々へ向けてお送り致します。
そしてこの記事を書いている人間は鋼の焼き入れや研磨などの金属工学を生業にしているのでその視点でも少し話していけたらなと思います。
刀剣乱舞の世界へ!
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三連休の初日、激混みの中まずはお台場の駅で一緒に回ってくれるフォロワーと合流。
入り口には刀剣男士のめちゃくちゃデカい壁が!笑
刀剣乱舞の中では過去一規模が大きいイベントかも。
ここですでにテンションMAX、わくわくです!
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入り口でボールペンとパンフレットを渡されます、なんだか面白そうな予感!
入場したらまずはオープニングムービーを鑑賞。
刀剣乱舞と今回の展示の紹介がありました。
見終わったらいざ、展示室へ!
日本刀を知る
最初は日本刀の基礎知識が得られるコーナー。
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玉鋼や鍛錬の説明が子供にもわかりやすい感じ。
時期的には自由研究にするのも良さそう!
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刀剣鑑賞で1番初めにすると言っても過言ではない姿について。
腰反り、中反りなどの模型を実際に手に取れるのでどこで1番反りが大きいかや持った時の感覚がよくわかります。
腰反りの刀を手にした時の違和感…笑
やっぱ騎馬戦用なのかも。
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刀剣男士の前の主がわかるコーナー。
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下の紐を引っ張ると答えが出てくる!
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刀剣男士たちがどこで生まれたのかもわかりやすく展示されてました。
最近は地方の新刀〜新々刀に結構ハマっているので個人的には中々良かったパネルです!
刀を作ってみよう
お次は作刀を擬似体験できるコーナー。
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玉鋼を持つ、重い〜
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実際の映像を見ながら擬似体験できます!
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ちゃんと硬さが落ちてしまったり偏析の原因になる有害元素のことも書いてありました。
科学的な視点で触れてるのもいいね!
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温度変化もわかりやすい。
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ちゃんと焼入れ時に発生するスケール(水中に落ちてる破片)もあって超リアル!笑
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研磨の擬似体験もありました。
実際に砥石も触れられます。
作刀体験、きちんと研ぎまで入ってるのがすごく良い。
やっぱり刀工と研師は一心同体なので!
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作刀コーナーのパネルはこの面子。
日本刀研究に精を出した刀工たちですね。
美術品としての刀
次は実際の刀剣の展示や刀剣鑑賞・お手入れのやり方が見れたりする体験コーナー。
模造刀で実際に鑑賞体験ができます。
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三日月宗近と山姥切国広の模造刀がありますが、私たちは三日月のところへ案内されました。
模造刀だからどうかな?と思っていましたがかなりリアルでうちのけなどの刃文や働き、銘までしっかり入っている。
本物はぜったい手に取ることが叶わない刀なので、模造刀とはいえなんかちょっと嬉しい笑
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お手入れコーナーに火車切がいる!と思ったら映像が彼のものでした、佐野美術館さん。
各方面の人たちが協力してくれてるんですね、胸熱。
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そして本物の刀。
こちらは加州清光です。
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直刃のすらっとして鋭い刀。
加州清光の特徴である片削の茎もしっかり見えます。鋼は黒い輝き。
そしてこの刀のX線回折測定結果が展示されていました。こちらは撮影禁止でしたので詳細は載せられませんがとても興味深かったです。
焼入れは金属の結晶構造の変化を利用した技術。
結晶格子から刀内部の組織や調質のされ具合も伺えます。
こういうのもっとみたい…!
日本刀って金属工学の集大成でこの一振りに様々な科学技術が詰まっていると思います。
武器であり美術品であり研究成果でもある!
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刀の展示方法がかなりユニーク、様々な角度から見ることができました。
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手に持っているかのような見えかた。
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肥前忠広、綺麗な小糠肌です。
回転してるので見ていると鋒が自分の方を向くのですが、それが結構怖い笑
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祢々切丸の重さ体験コーナー。
34kgあって男性の方も含めみなさん結構苦戦してたのですが
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ゴリラ審神者(物理)なので余裕で持ち上げてしまい周りの空気がなんか微妙な感じになってしまった…
高いヒールも履いてたしそんなに重いとは思わなかったので使い手になれるかも。笑
武器としての刀
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次のエリアに入ると清光がお出迎え。
ここでは武器としての視点で刀を見ていきます。
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実際に天然理心流の剣術をやってくれます。
なんか、他の剣術とは刀運びが全然違うような気が?
その辺詳しくないのですがそんな感じがしました。
さらに進むと遡行軍を斬れるコーナーが笑
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鶴丸が助っ人してくれる!
サラッと斬ってる人もいれば全力で切り捨ててる人も笑笑
まだ半分くらいなんですけどマジで楽しすぎる。
完全に刀剣乱舞の世界に入ってます、今2204年だっけ?
幻の刀がいまここに
今回の特別展では今剣作刀プロジェクトの完成品がお披露目になります。
源義経の刀と言われている今剣ですが、これは伝説であり実際は違います。
そのため実在もしていません。
その今剣を実現させよう、というプロジェクトです。
完成した刀がこちら。
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(服の写り込みすみません)
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キラキラした小粒の沸、直刃に現れる働き、美しい地鉄、、
三条小鍛冶宗近の作風が意識されています。
鞘も可愛らしい!
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そして銘は偲今剣。素敵です!
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撮り下された声が流れています。
これを聞いた時なんだか泣きそうになりました。
伝説で、文章の一説でしか語られなかった刀が実際にここに在るという奇跡。
それは私たちが、刀工や、研師や鞘師など様々な人が今剣という刀の物語に想いを寄せたから出来たことなんだと実感します。
刀剣乱舞って"物語"が大きなテーマの一つになっていて、まさにこのプロジェクトはその集大成といっても過言ではないと思いますね。
オリジナル刀剣男士!
最後のコーナーではオリジナル刀剣男士が作れちゃいます!笑
好きな刀剣男士をベースに好きな色や刃文を入力していくと生成される!
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なんかかわいいの出来上がった笑
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出来上がると大きいスクリーンに表示されちゃいます。
みんな思い思いのキャラを作っていて楽しそう!
名前は激ウケ丸にしました(???)
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フォロワーが作ったやつ。
ベース山伏なのに結構チャラいの出来上がってる!?
未来へ
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今回の今剣作刀プロジェクトもそうですが、三日月宗近生ぶや蛍丸も再現されていますね。
結構前なので忘れかけていましたが、このプロジェクトたちも今思うと様々な人の想い・願い・愛が込められていました。
長い年月で研ぎ減ってしまった三日月宗近の生まれたときの姿を見たい、そして伝えていきたいという想い、失われてしまった蛍丸をもう一度阿蘇にという願い…そしてそれに賛同した人たち。
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大切なものを残していきたい、守りたい、それは愛なんだと最後に三日月もそう話してくれました。
終わりに
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かなり長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださりありがとうございます!
遠方の方や事情があって足を運べない方にお届けできれば幸いです。
正直最初は体験型のイベントとして楽しんでいたのですが、最後は色々心にくるものがありました。
みなさんも是非!推しに想いを寄せてみてください。
素敵なことが起こるかも?
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