#39 クラブ「哀」編(1)
彩世は、目を覚ました。見覚えのある天井が見えて、自分が家に帰りついたことが分かった。頭はズキズキと痛んだ。彩世は極力、頭を振動させないようにして、ゆっくりと起き上がると、自分がソファに居ることに気づいた。自分でソファまで来た記憶は全くなかった。壁にかけてある時計を見ると13時を過ぎていた。
「目が覚めたのか?」
声がした方を見ると諭が居た。
「悪い…今日、水曜だったっけ?」
「別に謝らなくていい。頭が痛いんだろ?これ、飲めよ」
彩世は諭からドリンク剤を受け取り、一気に飲み干