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自分の研究を愛すること

修論をまとめる時期が近付いてきました。

この3年間がむしゃらに実験してきましたが
実験しては謎が深まるばかりで
ちっとも肝心な根幹部分が分かりません。

謎が増えるのは楽しいです。
生命科学って本当に不思議で
皆はマクロの世界である宇宙が謎というけれど
私にとってはかぎりなくミクロの世界である
生命科学こそが謎。人体って、生物って本当に不思議です。
こんな小さな体に無数の分子が集まって
理解の範疇を超えたシステムが機能している。

私はずっと基礎研究を追ってきたので何事も謎ばかりでした。

何故そうなるのか?
考えるのは楽しいけれど
仮説が却下され続けて変な結果が出てくると
やるせなくなります。

「もういやだ」
この言葉を何度口にしたでしょう。
なんでこんなにうまくいかないの。
目に見えるはっきりとした結果が欲しい。

そんなふうにやさぐれていたある日、
とある先輩が下さった言葉があります。

「自分の研究を愛してあげよう」

この言葉は私の胸にストンと落ちつきました

この研究が進めば救える命がある。
この研究が進めばこんなにすごいことができるようになる。
そんな綺麗な、誰にでも自慢できる理由で研究を頑張れる人もいるのかもしれません。

でもそれよりは
私はこの研究が大事だから
愛してるから
誰の手でもなく自分のこの手で全部解明してやりたいんだ。
そう胸を張って言える自分でありたいです。

そんなことを思い浮かべながら修論の現実逃避をしています。

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