7.リバウンドしない薬の塗付とスキンケア
皮膚科医こそスキンケアにうとい?ステロイド塗付は保湿の前or後
皮膚科医の指導がふたつに分かれることがあります。例えばこんなこと。
医師A「ステロイドの塗付は保湿の前。分厚くたっぷり載せて」。
医師B「しっかり保湿した後、ステロイドを肌へ多めに載せて」。
アトピーは皮膚表面がデコボコだったりザラザラしますから、凸部分にもちゃんと薬が“被るようにたっぷり塗る”が正解。でも薬の塗付が“保湿の前か後か”という問題があります。Aタイプの医師に当たることもありますが、私は何と言われようと、Bでいきます。
例えば風呂上がりに、患部へいきなり軟膏タイプのステロイドをたっぷり載せて、保湿も兼用させる。というやり方は恐ろしくて出来ません。ステロイド軟膏は数十分もあれば肌に吸収されますから、そこでまた保湿すればいいのでしょうが、そうすると薬成分が必要のない部分まで広が塗り広がり、副作用が起きる可能性が考えられます。ですから“スキンケアの後に薬”という方式を取り入れています。
入浴のあとはアトピーが出ているとこともそうじゃないとことも万遍なく保湿します。脱衣所に保湿剤を持ち込んで、体を拭いたら一分以内に完了させましょう。面積の広いところから潤してゆき、さらにビタミンクリームを塗り込み、そして最後に患部にのみステロイドを載せます。
患部を清潔にしたらただちにステロイドを!という医師は、有効成分の吸収率を落としてほしくないと同時に、湿疹が激しい時はいかなる保湿剤も悪化の要因になるりかねないと考えているのでしょうか。しかしアトピーとは極度の肌乾燥疾患なのですから、まずは全身を確実に保湿しなければならないということが大前提です。肌質改善に有効な保湿剤であればさっさとそれを使ってしまい、強い薬は最後にごく狭い範囲に使うというやり方が理にかなっているのではないでしょうか。
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