【MTG】バント探検デッキの紹介【スタンダード】

この記事では探検を最大限活用したバント(緑白青)ミッドレンジデッキを紹介します。


デッキリスト

デッキリストは以下の通りです。


デッキコンセプト

このデッキのコンセプトは、一般的なミッドレンジデッキとほぼ変わりません。バリューの高い行動を取り続けて相手を圧倒し、テンポよく相手を倒しにいくデッキです。

このデッキが他のミッドレンジデッキと異なる点は、探検の効果を最大限活用し、序盤から中盤は安定した土地供給。終盤はライブラリー操作による濾過と、高マナ帯のフィニッシャーによる勝利を狙う点です。土地事故率がかなり低い上に、大型クリーチャーで豪快に勝てる楽しみもあるため、とにかくストレスフリーのデッキとなっています。

デッキの回し方

基本的にはカウンターはあまり狙わず、テンポ良くクリーチャーを並べていけばOKです。土地が足りない場合や、《打ち砕かれた尖塔、オゾリス》、《水流の指揮者、ニカンチル》を展開できている場合に、余ったマナを使って地図トークンを消費していきましょう。

クリーチャーが攻撃した際に誘発する効果が多いので、このような効果を持つクリーチャーを強化し、極力不利なトレードを避けることが、デッキの回し方のポイントになります。《放浪皇》でコンバットトリックを狙ったり、《華やいだエルズペス》で先制攻撃や警戒などを付与することで、攻撃時の効果を毎ターン安全に使用できるでしょう。

マナ加速ができた場合や、ゲームの終盤になった場合は、《偉大なる統一者、アトラクサ》を出してゲームを決めましょう。

キーカード

デッキの根幹となるキーカードを紹介していきます。

水流の指揮者、ニカンチル

《水流の指揮者、ニカンチル/Nicanzil, Current Conductor》

探検の効果を強化する2マナクリーチャーで、このデッキの中核を担うカードです。このカードが緑青の多色クリーチャーなので、探検をデッキコンセプトにする場合は緑と青を選択する必要があります。

特に探検で土地を引いた場合の効果が強力で、手札の土地を戦場に出すことで恒常的なマナ加速が可能です。土地はタップ状態で出るので、手札のタップインの土地を優先して出しましょう。

デッキの中核になるとはいえ、自身が伝説のクリーチャーであるため場に2体並べられません。自力で探検できない上に、2ターン目に出してもそこまで強くないので、安易に4枚採用できないカードです。採用枚数を2-3枚に減らし、《救出専門家/Extraction Specialist》などによって何度も使いまわす方針が良いと思います。

地底のスクーナー船

《地底のスクーナー船/Subterranean Schooner》

攻撃するたびに探検ができる2マナの機体で、こちらもデッキの中核を担うカードです。

2マナ3/4という高スタッツの機体であり、青系のミッドレンジ全般で採用できる強力な汎用カードです。《太陽降下》などの全体除去に巻き込まれない点も優秀で、ランプ気味の戦術ともマッチしています。

このカードも安易に4枚採用しにくいカードです。特に手札で2枚ダブったりすると、搭乗するためのクリーチャーが除去されて足りなくなることがよく起こります。デッキのクリーチャーの数を踏まえて、採用枚数を調整しましょう。

陥没穴の偵察

《陥没穴の偵察/Cenote Scout》

1マナクリーチャーで、戦場に出た時に探検を行います。

あまり注目されていないカードのように思いますが、単純に2マナ相当のはたらきをする強力な汎用カードで、1マナカードにありがちな息切れしやすくなるデメリットを探検の効果で帳消しできる強みを持ちます。必然的に4枚採用になるでしょう。

名もなき都市の歩哨

名もなき都市の歩哨/Sentinel of the Nameless City》

3マナクリーチャーで、戦場に出るか攻撃するたびに地図トークンを生成できる、このデッキの中核を担うカードです。

3/3/4であるだけでなく、《放浪皇》の追放除去に引っかからない警戒持ちという、超優秀なクリーチャーです。このカードを毎ターン攻撃させ、地図トークンを生成させ続けることが、このデッキの一番わかりやすい勝ち筋となります。

勇敢な旅人、ケラン

《勇敢な旅人、ケラン/Kellan, Daring Traveler》

1マナの出来事を持つ2マナクリーチャーです。

1マナで地図トークンを1つ生成する動きはあまり強くないので、マナが余っている時や、土地が足りていない時に使う程度でOKです。

クリーチャー本体の性能が優秀で、2/2/3という高いスタッツに加え、攻撃時にライブラリートップの3マナ以下のクリーチャー回収か濾過ができます。ボードアドバンテージを損なうことなくリソース回復ができる貴重なクリーチャーで、1-3マナ帯をクリーチャー主体で組む意義を与えてくれます。

実際にこのデッキは、ケランの採用に合わせ、《婚礼の発表》を不採用にしています。

《婚礼の発表/Wedding Announcement》
アグロ以外の白系デッキにはほぼ必ず4枚入る、定番の強カード。

ちなみに、ここまで出てきたクリーチャーは全てスカウト(ケラン以外はマーフォーク)のクリーチャータイプを持つため、《魂の洞窟》を採用することで、これらのデッキの中核を担うクリーチャーを出しやすくなります。《魂の洞窟》を無理なく使えるという意味でも、これまで紹介したクリーチャーは高いシナジーを持っていると言えます。

《魂の洞窟/Cavern of Souls》
打ち消し系の呪文への耐性を持たせる土地。部族デッキやクリーチャーの少ないコントロールデッキなどで採用される。ちょっと強すぎる気がしなくもない。

救出専門家

《救出専門家/Extraction Specialist》

3マナの絆魂持ちの汎用クリーチャーです。

墓地の2マナ以下のクリーチャーを戦場に戻せるリアニメイト効果があるので、《陥没穴の偵察》や《水流の指揮者、ニカンチル》を蘇生することで、探検関連のコンボを狙いやすくなります。

デッキとの相性が良いだけでなく、単純にやっていることが強力で、絆魂持ちによりアグロ対策を兼ねることもできます。

偉大なる統一者、アトラクサ

《偉大なる統一者、アトラクサ/Atraxa, Grand Unifier》

7マナの4色クリーチャーで、近年の5色ランプデッキに必ずと言っていいほど採用されているカードです。

このデッキは緑白青の3色デッキなので、黒を要求するこのカードを使えないように思えますが、《英雄の公有地》や《魂の洞窟》によって黒のマナを無理なく調達できます。ファイクレシアンと天使というメジャーなクリーチャータイプを持つので、そのどちらかのタイプを持つクリーチャーを合わせてこのカードを採用することをおすすめします。

通常のアグロやミッドレンジデッキ相手では、余程の不利状況でもない限り、出せたらほぼゲームに勝ててしまうカードとなっています。出した瞬間に凄まじいハンドアドバンテージを獲得し、スタッツも7/7/7飛行、警戒、接死、絆魂と、文句なしの性能です。

ファイクレシアの宣教師

《ファイレクシアの宣教師/Phyrexian Missionary》

対アグロ用の2マナクリーチャーです。

戦闘補助を行うカードが多いこのデッキにおいて、絆魂持ちであるだけで十分強力です。それに加え、クリーチャータイプに《偉大なる統一者、アトラクサ》と同じファイクレシアンが含まれることから、《魂の洞窟》の効果でファイクレシアンを宣言した際に、キッカーの効果を使うこともできます。

探検などで墓地に落とした《偉大なる統一者、アトラクサ》を蘇生する動きも可能と、見かけ以上にシナジーが高いカードです。

太陽降下

《太陽降下/Sunfall》

5マナの全体追放除去です。

特に対アグロ~ミッドレンジで必要になるカードで、探検軸のデッキが得意とするリソース勝負に持っていけます。

打ち砕かれた尖塔、オゾリス

《打ち砕かれた尖塔、オゾリス/Ozolith, the Shattered Spire》

2マナのアーティファクトで、探検で土地を引かなかった場合の強化値を上げることが主な役割です。

《地底のスクーナー船》や《勇敢な旅人、ケラン》、《名もなき都市の歩哨》は攻撃時に効果が誘発するので、《放浪皇》や《華やいだエルズペス》などによって戦闘補助を狙いたいのですが、その戦闘補助を強化できるシナジーもあります。戦闘補助を軸にデッキ構築を考えるのであれば、《打ち砕かれた尖塔、オゾリス》はかなり重要な役割を担うことになります。
(戦闘補助が得意である点が、デッキカラーに白を加える一番の理由となっています)

手札で被ると弱いことと、《偉大なる統一者、アトラクサ》や《華やいだエルズペス》によって疑似的なサーチができることから、2枚採用で良いと思います。

放浪皇

《放浪皇/The Wandering Emperor》

定番の4マナプレインズウォーカーです。

このデッキでは主に+1効果でコンバットトリックを行い、《地底のスクーナー船》などの攻撃時に誘発する効果を、ボードアドバンテージを失わずに通す使い方をします。

華やいだエルズペス

《華やいだエルズペス/Elspeth Resplendent》

5マナのプレインズウォーカーで、戦闘補助や《打ち砕かれた尖塔、オゾリス》、《斡旋屋一家の隆盛》の疑似的なサーチが可能な点が好相性です。

攻守両方で活躍できる「飛行」「先制攻撃」「警戒」と、対アグロで有効な「絆魂」のうち1つを付与できる効果が地味に強力で、特に警戒持ちの《名もなき都市の歩哨》に先制攻撃を付与できると、自陣を守りながら地図トークンをばら撒く、戦闘でほぼ負けないクリーチャーができあがります。

完全化の杖

《完全化の杖/Staff of Compleation》

3マナのアーティファクトで、ライフを払うとマナ加速か増殖、ドローができるカードです。

ランプ戦術を取り入れている3色デッキにおいて、好きな色のマナを追加できるこのカードは非常にありがたい存在です。若干取り入れている4色目の黒を用意しやすくなったり、《偉大なる統一者、アトラクサ》を早めに出せたり、余った地図トークンを消費してマナ加速を狙ったりと、あらゆる場面で活躍します。

戦闘補助とプレインズウォーカーが多いことから増殖も活用しやすく、《忠義の徳目》や《斡旋屋一家の隆盛》の代わりとして扱うこともできます。そして言わずもがな、ドローによるリソース回復も強力です。

ライフコストについてですが、このデッキは絆魂持ちが比較的多い上に、《華やいだエルズペス》によって手軽に絆魂を付与できるので、他のアドバンテージを得るために失ったライフを比較的簡単に取り戻すことができます。

このデッキのコンセプトをあらゆる面から支える、極めて重要なカードです。

その他の採用カード

ティシャーナの潮縛り

《ティシャーナの潮縛り/Tishana's Tidebinder》

クリーチャー主体のデッキとよく噛みあう、3/3/2の妨害用クリーチャーです。

スタッツが2マナ相当なのでテンポロスがほぼない上に、《魂の洞窟》が流行っている現環境でもクリーチャーの誘発型効果などにカウンターできる、強力な妨害カードです。

もちろんクリーチャーなので、《地底のスクーナー船》に乗ることも可能ですし、《勇敢な旅人、ケラン》で手札に加えることも可能というシナジーがあります。

失せろ

《失せろ/Get Lost》

2マナのインスタントの除去カードです。

2マナと軽い上に、除去対象が幅広いのが特徴です。コンバットトリックとしても使いやすいので、このデッキとかみ合っています。

地図トークン2つを生成するデメリットはあまりデメリットになっておらず、むしろ《勇敢な旅人、ケラン》の地図トークンを2つ生成するための布石になるので、メリットにもなり得ます。

土地カード

3色デッキなので、2色土地や3色土地を最大限活用することになります。

呪文の色の配分としては、特に低マナ帯ではどの色もほぼ同じくらい要求されるので、土地の色も概ね均等に配分すべきでしょう。1マナで唱えられる呪文は全て緑なので、緑を含むファストランドとダメージランドは多めに採用した方が良いです。

高マナ帯ではほぼ白のダブルシンボルを要求される上、非クリーチャーとなるので、《魂の洞窟》以外で白のマナを用意する必要があります。《英雄の公有地》や、それ以外の白を含む土地を少し多めにすると良いでしょう。

デッキ構築の所感など

このデッキは、MTGを始めて2週間で組んだ「+1/+1カウンターデッキ」をベースに、環境上位デッキ相手でも十分通用するように調整したデッキです。

当記事の執筆時点で、MTGを始めてちょうど1か月になり、MTGにもかなり慣れてきました。当時と比べると、土地の構成や除去カードの選択、環境デッキへの対策などが洗練されていると自分でも感じています。

+1/+1カウンターデッキと比べると構成はかなり変わったものの、戦闘補助でボードアドバンテージを取りに行くという根本のコンセプトや、《打ち砕かれた尖塔、オゾリス》を採用している部分は変わりありません。ようやく+1/+1カウンターデッキをまともな形にできたという実感があります。

一旦このデッキでランクマッチの最高ランクを目指してみて、その目標が達成された後に他のデッキも組んでみようと思います。


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