藤井風が起こすビックバン
ライブそもそもあまり行かない派
前置きすると、私は音楽職に就いていながら、ライブ経験は数少ない方だと思います。
近年で個人的に行ったLIVEを挙げてみると、パリピしたくて行ったEDMイベントULTRA JAPAN、SENSATION、誘ってもらったサカナクション、遡ると久保田利伸、アンジェラ・アキ。これらも誘ってもらったもの。
小学生の頃からみんなで好きだったポルノグラフィティ、幼き日、ごく出と呼ばれるごくせんからファンになったKAT-TUNも三度ほど行ってます。
私が尊敬してやまない宇多田ヒカル、椎名林檎すらチケット取ってまで行ったことがありません。この二方に関してはいずれ行きたい。玉置浩二、エレファントカシマシも詳しくないけど生で聴きたいと思ったことがあります。
その他行くLIVEや演奏会というのは基本仕事関係か現代音楽の初演、先輩が顧問をしているアマチュアオーケストラや吹奏楽、合唱等。
どのアーティストも、本当にいつ活動休止するかわからないので、思い立ったら行くべきだと思ってはいます。でも、基本的には音源で充分。普段から浴びるほど曲や効果音を聴き続ける立場にあるので何なら最近は無音を愛しています。テレビ無音で観ます。w
各ジャンル上から順に、消費するように楽曲を聴き、リピートをすることもなく、はい、こんな感じね。と聴き流しながら、ああ仕事で参考になるな。このコード進行凄いな。楽器使い上手いな。っていう視点で音楽を聴いていました。
突然YouTubeのおすすめに彗星の如く現れた人
そんな、生歌唱に関しては興味の薄い派の私の重い腰を一瞬で浮かせたアーティストが藤井風でした。
初めて聴いたのは「何なんw」で、まだデビューしていないけどブレイク寸前。もうビックバン起こしてるけど世間はあまり気づいてない状態でした。
すッごい人知ってしまった。ほんで23歳…?泣きそう。ここ数年のらりくらりやってきた自分に喝が入る。
実は音楽を文章にするのは苦手なのですが、これだけは言える。この人の音楽は、絶対に何を取っても真似できない領域でした。
似た名前の人を前から知っていました。お兄さんの藤井空さん。エレクトーンを本気でやっていた頃、彼の音楽を聴いたことがありました。点と点が繋がる。兄弟!
ということはルーツもそこまで遠いものではない、周りにある環境が彼を何がどうなって化け物にさせたんですか…?深まる謎。
「帰ろう」で召される
そして、程なくして出たアルバム「HELP EVER HURT NEVER」。ずらっと全曲聴いたことなんていつぶりだろう。
優しいサウンドも去ることながら、この人は人生何回目?どうやったらこの歌詞が書ける?
ピアノソロで既に成り立っているものに対して各パートの手練れが寄り添う、そんな感じなんだよね。バッキバキの若者で、血漲る雰囲気。なのに諸行無常を感じさせる、名前の通りの吹き抜ける爽やかな風。あああああああああああもうだめ。絶対売れてしまう。このままでいて。何ともタイアップしないで!主題歌とかやらんでいい!書きたい曲を書いてくれエェエエ
あなたの感性に人はいくらでも経済活動を行います。何かの案件に合わせて曲を作るなんてことはしなくてもいいィイイ!!!!!
とはいえエヴァンゲリオンやキングダムハーツにガッツリハメてくる宇多田ヒカルのように、そんな彼も見てみたいけど(と思ってたら早速今期のドラマの主題歌に)
そして、最終曲「帰ろう」で無事混沌とした思い、あらゆる雑念を吹っ飛ばし、ああ全て忘れて帰ろうのサビで召されたわけですね。
「私が先に忘れよう」
自ら命を絶つことは、自分で終わりを決めること。コロナ禍で、ウイルスによって命を奪われる者もいればこの混乱の中命を絶った者もいた。字面だけでは到底信じられない報道が飛び交うなかで、「帰ろう」を聴いた。彼はどんな気持ちで、何を伝えたくてこの歌詞に辿り着いたのかな。
この曲で救われた人がどのくらい居るんだろう。居ても立っても居られないけど、私には何も出来ない。でもきっとこの曲はどんな死に対しても救いになる。こんな曲が生み出せたら、どんなに素敵だろう。それから、私は一念発起して再び熱を入れて音楽に取り組み始めたように思う。
これは絶対生で聴かなければという使命感
いつ、どこで聴けるんだ。どこで歌うんだ。
普段絶対やらない情報集め。
ツアーの一発目!
武道館!!!絶対にチケット取る!!!
そして同時期に彼にハマり始めた友人と共にチケット抽選に応募。二人とも取れた!!!席も近い!!!
そして念願の彼の歌を生で聴くことになりました!
目から滝の勢いで汁
ライブレポは優れたレポが沢山あるので書きません。最初から最後まで、彼が実在することに奇跡を感じながら心して聴きました。
そして、最後「帰ろう」が流れた時もはや目から滝が流れていました。
空から降ってくる羽と一緒に彼が消えてしまうのではないかとも思いました。そのくらい儚かった。尊かった。
全員マスク、一席ずつ空いた席。
2人1組のチケットではなかったので、隣は知らない人同士。これ以上ない環境で一人ひとりが彼の音楽に向き合って、感じ取った。
こんな贅沢な環境で観られるLIVE、二度とないかもしれない。この場に居られたことは一生忘れないだろうなぁと。
こんな音楽体験が出来るなら、私はやっぱり音楽に真摯に向き合いたいとそう思えました。
世間がついに気づいてしまった
そして1/25現在、このアルバム総合3位。
来るべき時が来たのだなぁと思いながら、みんな気づいてしまったのだな、にやりという心境でもある。今後もどんな驚きをくれるんだろう。ずっと追いかけていこうと思う。チケット入手困難になる前に行けてよかった。心からそう思う。
風どころじゃなくもはやビックバンだよ!!!!
あなたはあなたらしく何にも染まらないで
等身大の音楽を生み出してほしい。
同世代に目標をくれて、ありがとう
頑張るよ。風くん。