映画感想「あのコはだぁれ?」

今回は映画「あのコはだぁれ?」の感想を書いていこうと思います。


概要

まずは本作の概要を書いていこうと思います。

あらすじ

あらすじは公式サイトから引用させていただきます。

ある夏休み。補習授業を受ける男女5人。
この教室には、“いないはずの生徒” がいる──。
とある夏休み、臨時教師として補習クラスを担当することになった君島ほのか(渋谷凪咲)の目の前で、ある女子生徒が 突如屋上から飛び降り、不可解な死を遂げてしまう。
“いないはずの生徒”の謎に気がついたほのかと、補習を受ける生徒・三浦瞳(早瀬憩)、前川タケル(山時聡真)らは、“あのコ”にまつわるある衝撃の事実にたどり着く……。
彼らを待ち受ける、予想もつかない恐怖とは……?

映画『あのコはだぁれ?』公式サイト|大ヒット上映中

スタンダードなホラーというところです。

本作と関連のある作品「ミンナのウタ」

関連作品として「ミンナのウタ」という作品があります。
「続編」という名目ではなく「DNAを引き継ぐ作品」として公式サイトでは記載されています。

こちらもあらすじを公式から引用させていただきます。

人気ラジオ番組のパーソナリティを務める、GENERATIONSの小森隼。
収録前にラジオ局の倉庫で30年前に届いたまま放置されていた「ミンナノウタ」と書かれた一本のカセットテープを発見する。
その後、収録中に不穏なノイズと共に「カセットテープ、届き…ま…した…?」という声を耳にした彼は、数日後にライブを控える中、突然姿を消してしまう。

マネージャーの凛は、事態を早急且つ秘密裏に解決するため、元刑事の探偵・権田に捜査を依頼。
メンバー全員に聞き取り調査を進めるが、失踪した小森がラジオ収録の際に聞いた「女性の鼻歌のような、妙なメロディーが頭から離れない」と言っていたことが判る。
そして、リハーサル中に他のメンバーたちも“少女の霊”を見たと証言。
ライブ本番までのタイムリミットが迫る中、リーダーの白濱亜嵐、凛、権田は捜索に乗り出す。
やがて、少女の霊の正体は、“さな”という女子中学生だということが判明するが、彼女が奏でる
“呪いのメロディー”による恐怖の連鎖が始まり・・・。

一体、彼らに何が起こっているのか? この先に待ち受ける、 想像を絶する結末とは───!?

映画『ミンナのウタ』|絶賛公開中

1年前の映画なのに、HPに「絶賛公開中」がついているのは御愛嬌。
こちらの作品はGENERATIONS from EXILE TRIBEのプロモーション色が強い作品でしたが、ホラー作品としてはかなり良い作品でした。

清水崇監督作品

本作は「呪怨」で有名な清水崇監督の作品です。
正直なところ、ここ数年の清水崇監督の作品は「ミンナのウタ」以外、私との相性が良くなかったです。
こどもつかい」は「う~ん……?」って感じでしたし、「村」シリーズは「どういうことだってばよ!?」って展開が多く、「忌怪島/きかいじま」は単調さが目立って劇場で寝てしまいました
ホムンクルス」は見てないので、もしかすると良いかもしれませんが、期待感がないのでなかなか手が出ていない状況です。

感想

総評

※あくまで個人的な感想ですので、その点はご理解ください。
※もしかすると私が「重要なシーン」を見逃している可能性がわずかにあります。

結論から言うと「ラストがなければ前作同等の評価、ラストのせいで映画としては低評価」となります。

良かった点と悪かった点を上げていきます。

良かった点
・恐怖の演出
・(エンドロール以降を除く)ストーリーの構成

悪かった点
・エンドロール以降

ネタバレ無しの感想

上記の良かった点については素直に評価できます。
恐怖に関する演出やストーリーの構成は良かったです。
特に「ミンナのウタ」のサイコパスな幽霊、高谷さなの深堀りが良かったです。
「ミンナのウタ」の時点でも異常性を発揮していましたが、本作でその異常性について更に掘り下げて多くの人間に襲いかかります。

ただ、悪かった点がすべてを駄目にしていると私は思います。
「ホラー映画は驚かせれば良いじゃん」って人には良いと思います。
私はエンドロールエンドロール後も映画の一部だと考えています。
この映画についてはここで完全に「あ~、この映画無理~」となりました。
詳細は後の「ネタバレ有りの感想」で話したいと思います。

一旦のまとめ

好きな人には申し訳ないですが、個人的にはハズレ映画です。
映画でなくホラー動画としてならばそこそこかなと思っています。













ネタバレ有りの感想

私が一番駄目だと思ったのは、前述の通りエンドロールです。
これによって、高谷さなの行動原理に整合性が取れなくなっており、後半の恐怖表現はすべて茶番となってしまっています。

個人的には映画に出てくる幽霊やモンスターには行動原理があると考えています。
例えば「リング」の貞子であれば、自身の複製を行動原理としています。
本作と同じ「呪怨」の伽椰子はひたすら怨念の赴くままに、生前に住んでいた家に関わるものを呪い殺すことが行動原理です。
また、モンスターは単純に獲物を狩るという野生が行動原理になっています。

本作の高谷さなは「自分のウタで自身の世界に引き込みたい」、「ミンナの最期の音を集めたい」というのが大きな行動原理です。
なので、今回も多くの登場人物を自身の世界に引き込んで行くのが恐怖描写になります。
しかし、本作で最終的に死ぬ人物は主人公女子生徒の2人だけです。
エンドロールでその他の多くの登場人物は生きていたという描写があります。
正直なところ「なぜ二人だけなのか?」の明確な答えが無い上に、行動原理に反しているのです。

無理やり解釈すると

  • 女子生徒は自身を馬鹿にしたから

  • 主人公は自身の弟(主人公の彼氏)に近づいたから

と考えられます。
が、他の登場人物を生かす理由にはなりませんし、2点目については理由が分かりません
行動原理があるように描いておきながら行動原理に当てはまらない行動が、私は気に食わないです。
一旦ターゲットとした獲物を理由もなく放棄するのがホントに理解不能です。

上記の理由から私は本作をハズレ「映画」としています。
映画でなくてホラー「動画」ならまぁ、許せる範囲です。

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