2020年6月に読んだ本

5月はたくさん読んだから6月はあんまり読めないかもな……と思っていたのですが、Audibleを導入したり寝る前の読書タイムを取り入れたりして、先月を超える11冊の本を読むことができました。

今月も、読んだ順番に紹介していきます。

『医療記者のダイエット 最新科学を武器に40キロやせた』 / 朽木誠一郎

朝日新聞で医療記者をやっている朽木誠一郎さんが、自ら40kg減量した経験を元に書かれた本です。難しいことも奇抜な方法もなく、「食事制限で摂取カロリーを減らす」「運動で消費カロリーを増やす」という基本原則に則った方法が載っているのですが、どういった心持ちで減量を続けていけば良いのかの指針も書かれているので、大変参考になりました。

僕もこの本を読み始めた日にまずは散歩からはじめ、1ヶ月でおよそ8kgの減量に成功しました。標準体重にはまだまだ遠いので継続が必要ですが、減量が辛くなったときには何度かこの本に立ち戻ったりもしました。

本気でダイエットをしてみたいという方には非常におすすめできる本です。文章も平易で読みやすいので、1〜2日くらいで読破できるのではないかと思います。

『超入門! 現代文学理論講座』 / 蓼沼正美

文学部文学科を卒業したはずなのに文学理論が本当にわからないので、まずは入門書からということで手にとってみました。

本書では、以下の理論が紹介されています。

・ロシア・フォルマリズム
・言語行為論
・読書行為論
・昔話形態学

正直なところ、書かれていることをあまり内面化できた自信はないのですが、これからの学びのための取っ掛かりをつくることはできたかなと思います。

また、そのうち『おジャ魔女どれみ』についての文章を書きたいなと思っているのですが、そのときに昔話形態学が分析の手法として使えそうな気がしています。

『きつねのはなし』 / 森見登美彦

先月に引き続き、森見登美彦を読み返しています。

『きつねのはなし』は森見登美彦による3冊目の本で、その前に出版されたのが『四畳半神話大系』、その後に出版されたのが『夜は短し歩けよ乙女』です。しかし本書は、前後に刊行された本とは少し違った空気をまとっています。

『四畳半神話大系』や『夜は短し歩けよ乙女』は衒学的な語りと京都を舞台にした森見マジックリアリズムが効いた作品ですが、『きつねの話』はしっとりとした怪奇小説といった趣。後に世へ出ることとなる『宵山万華鏡』などと近しい雰囲気を感じます。

高校生の頃にはじめて手にとった頃は正直あまり楽しく読めず、途中で疲れてしまったのですが、今読むとかなり面白いなと感じました。

『SINGLE TASK 一点集中術――「シングルタスクの原則」ですべての成果が最大になる』 / デボラ・ザック

仕事とプライベートが爆発しそうになっていたのでこれを機会にちゃんとGTDをやっておくか……と思ってGTDの本を探したところ電書がなかったので、とりあえず電書で買える面白そうな仕事術の本を買いました。

全編を通して「マルチタスクをやめろ」「マルチタスクはシングルタスクを高速に切り替えているにすぎない」というようなことを言っています。主張に納得感はありますし、僕もこれに従ってシングルタスク中心の生活にしたらやれることが増えたので、自己啓発的に読むのはおすすめできます。

細かいことを気にせずに、1〜2日でざざっと読んでしまうタイプの本ですね。

『イシューからはじめよ ― 知的生産の「シンプルな本質」』 / 安宅和人

俺は本当に仕事ができね〜〜〜! という気持ちになっていたので、こちらも読みました。この本は、だいたい仕事できる人が読んでいる印象があるので。

ざっくり言うと、仕事というのはイシュー(=課題)を解くことだけれど、質の低いイシューを解きまくる技術よりも、質の高いイシューを設定できる力の方が重要だよねということが書いてあります。

序盤の言いたいことはわかったのですが、具体的な方法まではちょっと覚えて切れいていないので、もう一度改めて読もうかなと思っています。Audible版もあるので、今度はそちらで試してみるのもありかも。

『史上最強の哲学入門』 / 飲茶

この記事の一番最初に紹介した『医療記者のダイエット 最新科学を武器に40キロやせた』を読んだことをきっかけに毎日の散歩をはじめたのですが、ただ歩くだけだとそのうち飽きてきちゃうんですよね。

音楽を聴いたりもしていたのですが、ふとオーディオブックを聴けばいいんじゃないかなと思い至りました。過去にもAudibleを試してみたことはあったのですが、僕は通勤時間が5分くらいしかないので、あんまり聴くタイミングがなかったんですよね。

散歩だと30分〜1時間くらいはかかるので、じっくりオーディオブックを聴く時間ができます。

何を読もうか迷ったのですが、以前購入していた『史上最強の哲学入門』を読むことにしました。先月は構造主義の入門書などを読んで西洋哲学の歴史について興味を持っており、この本はそれにぴったりでした。

各人の思想についての深堀りはもちろんできませんが、自分の中に西洋哲学の歴史地図がぼんやりと形成された感覚があり、今後の勉強に活かせそうです。

『宝石商リチャード氏の謎鑑定』 / 辻村七子

この本の書評記事を編集する機会があり、せっくだからと思って編集前に買って読んでみました。いわゆるライト文芸系のミステリで、これまであまり読んでこなかったタイプの小説だったのですが、各話が綺麗にまとまっていて面白かったです。

宝石商のリチャードが酔っぱらいに絡まれているところを大学生の正義た助けるところから始まる物語。ブロマンスとして魅力的です。また、宝石に関する描写がやけに詳しいので、読んでいるうちにジュエリーの世界がどんどん気になってきますね。

『宝石商リチャード氏の謎鑑定 エメラルドは踊る』 / 辻村七子

上で紹介した本の第2巻です。このシリーズは現在10巻まで出ているとのことで、読破まではまだまだ長い道のりなのですが、ここまではスルスルと読み進めることができました。

『明け方の若者たち』 / カツセマサヒコ

Webライターとして有名なカツセマサヒコさんの初長編小説。Twitterもフォローしていて好きなライターさんの一人なので、購入して読んでみました。

主人公はカツセさん自身をモデルにしていることが感じられ、多分に私小説的な要素があるように感じました。もちろんフィクションの部分も多いのでしょうが、ところどころに散りばめられた2010年代若者文化の象徴的なモチーフたちが、なんというかカツセさんらしいなと思いました。

僕はこれをかなり太宰的な作品だと思っていて。考えがまとまったら、改めてどこかに書きたいなと思っています。

『ランニングする前に読む本』 / 田中宏暁

月初からひたすら散歩を続けてきたわけですが、ここらでちょっと走ってみるかと思い立ち、この本を買ってみました。

実はこの本を読む前からちょっとランニングに挑戦したりしてたのですが、すぐに行きが上がって続かなかったんですよね。そこで、ランニングにどう慣れていったら良いのかを考えるためにこの本に頼ることにしてみたわけです。

本書では「にこにこペース」と「フォアフット」が特徴的な走り方として紹介されています。

「にこにこペース」は笑いながら走れるペースのことを指し、走るのに慣れていない人であれば時速4kmくらいから始めても構わないと言います。時速4kmというと1km走るのに15分かかるわけですから、歩くのと大して変わりません。しかし、同じ速度で歩くのよりも走ったほうが消費カロリーは高いのだそう。また、歩くのには速度を上げるのに限界がありますが、走る場合は同じ走法でスピードを上げていけばよく、きつくもならないんだとか。

「フォアフット」は着地するときに指の付け根を使う走り方のことで、これを実践し始めてから確かに楽になりました。今まではかかとから着地していたので足を痛めたりしていたのですが、今後はそれがなくなりそうです。

ちょっと医学の分野に入って難しいところもあったのですが、上記の2点の考え方をちゃんと知れるというだけでも読む価値のある本だと思います。

『ライフハック大全』 /  堀正岳

何度も書きますが、6月は本当に「仕事ができね〜〜〜!」という気持ちになっていたので、そこに風穴をあけるために色々なライフハックを試していました。そして目にとまったのが、随分前に買ってそのままにしていたこの本。GTDのやり方が多少含まれているのも読んでみようと思ったきっかけでした。

非常にライフハック術らしい本で、昔ライフハックにはまっていた頃のことを思い出して楽しく読めました。書いてあること全部取り入れるわけではないですが、これを読んで試してみていることがたくさんあります。

たとえば、普段はPCのみでメモをとっていたのですが、ちょっとしたアイディアを紙にも書き留めるようになりました。

僕みたいに「仕事ができね〜〜〜!」となっている方は読むのをおすすめします。



というわけで、6月に読んだ本を紹介しました。

最近は「紙の本」「Kindle」「Audibe」と異なる媒体で別々の本を並行して読んでおり、飽きることなくいろんな情報が得られている感じがあります。

7月も精進してまいります。

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