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【ニブセキの息子】いよいよ、その時が来た

二分脊椎(症)には、付随して発症しがちな病がいくつかある。その一つが、排尿障害だ。二分脊椎は、神経が上手に信号を伝えられなくなるのが特徴。おしっこを出すという動作も、出したいという意思と力があって、膀胱に信号を伝えなければうまくいかない。

二分脊椎という病を持って生まれた息子2歳。特に排尿障害は高い確率で発症すると聞いていた。でも、息子は今に至るまでおむつで、息子自身、わけもわかっていないだろうし、排尿障害があるかどうかもはっきりしていなかった。夫婦ともに、あわよくば…という気持ちも、あったと思う。

しかし、今回の手術を終えてからの入院で尿の管理をじっくりとしていく中で、排尿の機能がやはり不十分であることがわかったらしい。入院中の妻が先生から説明を受け、私に教えてくれた。

産まれてから早い段階で、可能性としては泌尿器科の先生は認識していたらしい。おそらく、私たちが息子のさまざまな困難を少しずつ受け入れ、ばねにしていくのを待っていたのではないかと思う。

排尿できないと何が困る?

排尿が上手にできないと、膀胱におしっこが長く溜まりっぱなしになり、硬くなってしまう上、腎臓にも悪影響を与える。不要なものが体にあったままという状態がよくないことには違いない。

導尿という、おしっこの方法

そこで、尿道からカテーテルを挿入し、膀胱にたまった尿を出すという「導尿」という排尿方法がとられる。排尿が上手にできなくても、決まった時間に導尿をすることで、膀胱をきれいにしておくことができる。

まずは親が導尿の仕方を覚え、子どもの導尿係になる。子どもが成長してきたら子ども自身にやり方を覚えてもらう…という流れだ。子どもが早く導尿を覚えてくれたら、自分自身の習慣の一つとして、嫌になる前に定着してくれるかもしれない。

通園・通学をどうするか

ただ、ひとつ問題がある。通園・通学の問題だ。導尿が自分でできないうちは、誰かに導尿をやってもらわなければならない。しかし、保育園や幼稚園の先生は導尿をすることができない。これは世間で言われるところの「医療的ケア」に当たり、親か看護師にやってもらわないといけないのだ。

時間に合わせて親が保育園に行って…というのも選択肢としてはあるかもしれないが、負担は大きいし、親と離れたところで友だちと育ってもらいたいという思いからも離れてしまう。

サポート態勢の整備は現在進行形

看護師が保育園に来てくれる制度が整っている自治体もある。この「医療的ケア」という分野は、ちょうど今、整備が進んでいる最中。少し調べてみると、モデル事業として進んでいたり、自治体の制度として完全に整備されていたり、未整備だったりと、地域によって違いがあるみたいだ。ホームページにはこう書いてあるけど、今はもう違うということも十分ありえる。

その時は来た

いずれにしても、その時は来た。今日から、もう導尿が始まっているらしい。4時間に一回、まずは看護師さんが。でも、そのうち覚えないと。親はできる限りのことをやる。もちろん、息子にも頑張ってもらう。家族で乗り越えていこうよ。

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