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【新聞社の仕事】慣れてきた仕事にも常に新鮮な気持ちを

新聞社のレイアウトの仕事を始めてもうすぐ5年になる。面を作るというベースは変わらないが、毎日違う原稿、写真を相手に今日はどうしようかと日々、頭を悩ませている。

しかし、同じ仕事をある程度の期間やっていると、良くも悪くも慣れてしまうことがある。

5年前の紙面を見てみると

先日、久しぶりに、自分が5年前に作った紙面を見てみた。そこには、私が初めてハコを考えた企画ものが載っていた。

ハコとは、何回か続く企画ものの記事や写真を載せるためのフォーマットのようなものだ。見出しも含め、どう配置するかだけではなく、枠の色をどうするのか、そもそも大きさはどうするのか。レイアウトを始めて一カ月足らずで諸先輩がたに指示は仰いだが、かなりの自由度があった。どう見せるかはまさに、自分次第なのだ。

企画ものの記事、どう見せるか

その企画ものは、ある県を拠点にするプロスポーツチームの選手たちを、一日一人、紹介するというもの。身長や体重、趣味に至るまで、いろんな情報を選手の写真と一緒に掲載する。

面白そうだ。でも、どうしたらいいか分からない。先輩に泣きつくと、「Jリーグチップス、みたいな…?」とヒントを出してくれた。

なるほど、思わず切り取ってトレーディングカードみたいに集めたくなるフォーマットか。世間に出回っているカードゲームのデザインを見まくって、ダブらないように、でもそれっぽくなるように、粗々の絵を描く。紙面のトップを飾るものではなく、真ん中左あたりに置くことになっていたので、大きさもほどほどに。デザイン担当の方に土台を作ってもらい、そこに写真と記事、見出しを入れてみる。

すごい、トレーディングカードっぽい!

記事と写真というただのデータに、命が吹き込まれた。地域面の平和な雰囲気の中に、風が吹いた感じがした。

このハコはマイナーチェンジをして次の年も使ってもらった。現地にも反響があったようで、本当にありがたかった。

今だったらどうだろうか

しかし、このハコは原稿の長さに応じて大きさを変えられない仕様になっていた。時には原稿をきつめに押し込んでしまったり、現地に無理を言って削ってもらうこともあった。

今だったら、そんな無理を最初からしなくて済むように、もっと融通のきくシンプルなスタイルにしたかもしれない。いや、それ以前に、仕事のしやすさなどを踏まえ、トレーディングカード風というやり方自体を考えていなかったかもしれない。

カード風というスタイルは、レイアウトに関する余計な先入観をはさんでいなかったからこそできたことかもしれない。

新鮮な気持ちで向き合うことを忘れずに

長く同じ職場にいると、職場としての仕事のやりやすさや、他部署とうまくやるためにどうするかなどに目が行きがちになる。

それらの心がけはとても大事だが、一方で、何を届けたいのかを考えることはもっと大事だ。それは、伝える側としての責務。

5年もやってるなら、知恵を使って、両立することを考えようよ。フレッシュな気持ちを忘れずに。

5年前のトレーディングカードの紙面を見て、今の自分に喝。

おことわり 今まで掲載した記事について、内容はそのままで、タイトル冒頭にカテゴリーをつけました。いろんな分野のことをつれづれに書いているので、読む際に少しでもわかりやすいようにと、直してみました。

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