【ニブセキの息子】お医者さんに必要なもの
二分脊椎症の息子3歳は、妻のお腹にいるときからずっと、病院の先生たちにお世話になってきた。
特に、現在通っている子ども病院の主治医である脳外科医の先生には、直接メスを入れてもらったうえに、MRI画像を見ての変化を注意して診てもらっている。まさに、命の恩人である。
繰り返し、診てもらう中で、お医者さんは頭脳的な部分が優れているだけではとても務まらない仕事であると強く実感するようになった。
第一に体力
たとえば手術。水頭症、脊髄髄膜瘤をもって産まれてきたうちの息子は、これまで何度も手術入院を繰り返してきた。
そのたびに、先生は数時間の執刀をしている。切るだけではなくて、顕微鏡をのぞきながら、神経を見つけては、あっちにこっちに動かしたりつないだり。あー、めんどくさい!と思うこと、請け合い。適当に済ませたくならないのだろうか。
変な意味じゃなく、先生は「好きじゃないとできないよね」と言っていた。
第二にケア
その先生は、小児医療ひとすじ。今ほど患者や親のケアが重視されていなかった時期から、病院を季節に応じて自腹で(!)飾り付けるなど、病院環境への気配りをしてきたのだとか。「殺風景な病院では元気も出ないよ。でも県は最初、そんなお金も出してくれなかったし」
「導尿、しんどくない?」
思い出したように、聞いてくれることもある。たくさんの患者が待っているのに、じっくりと耳を傾けてくれる。大変そうだと思えば、看護の面談の時間を別にとってくれる。
頭脳的な資質と…
一般的には、お医者さんといえば難しい試験を潜り抜け…というイメージがある。でも、それだけが関門ではやっぱりいけないし、だから面接で適性を見ないといけないんだろう。
わたしにはとても無理な仕事なので、お医者さんを志すひとを心から尊敬する。
と同時に、頭がいいからといって安易に目指してしまって、ギャップに驚いてしまう人は多いのではないだろうか。逆に言えば、頭がいいから目指すという仕事ではないと思う。
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