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ギザつき十円玉と筆文字五円玉

先日,子どもと一緒に買い物をして,レジでは子どもが代金を支払いました。その帰り道の車の中で,子どもがコインの発行年をチェックし始めます。

「この十円玉,昭和32年って書いてある」

それを聞いて,すかさず反応します。

「縁にギザギザついていない?」

というのも,コインの周りにギザギザがついた十円玉は,昭和33年までしかないからです。

「ついてる!」

ということで,帰宅した後でコインの発行年調べが始まりました。

ギザつき十円玉

日本銀行のサイトによると,十円玉は「10円青銅貨幣」と言うそうで,昭和26年(1951年)から発行されています。

そして,縁にギザギザがなくなるのは昭和34年(1959年)からです。昭和33年まではギザつきということです。意外と期間は短いですね。

じつは随分前から十円硬貨の縁をチェックして,ギザつきだと家にあるコインのビンに貯める,という習慣がありました。とはいえそんなに溜まっているわけでもありません。頻繁にお目にかかるわけでもないのと,現金で払う機会も減ったので最近は年に1枚見るかどうかという頻度になっています。

というわけで,子どもがギザつき十円玉を見つけたときにはちょっとテンションが上がってしまいました。

筆五円玉

もう一つ,同じ時期に作られて特徴的なコインがあります。五円玉なのですが,表面の字体が筆文字なのですよね。「フデ5」などと呼ばれることがあるそうです。

こちらは昭和24年(1949年)から昭和33年(1958年)までの発行です。

皆さんの財布の中には入っていないでしょうか。

昭和と平成

子どもとコインを年数別に並べていて痛感したのは,年代の感覚の違いです。

子どもにとっては「昭和なんて,めちゃくちゃ昔」なのです。それはそうなのですが......感覚の違いに直面せざるを得ません。

自分にとっては,昭和50年とか60年というのは実際に生きていますし「何歳くらいだな」という記憶もありますので,そんなにものすごい昔ではないという感覚です。

その一方で,昭和30年になると「すごい昔」という感覚に襲われてしまいます。長嶋茂雄がジャイアンツで鮮烈なデビューを飾ったのが昭和33年でしたっけ。その年まで,ギザつき十円玉が作られていたのです。

そしてそれは,私が生まれる14年前のことです。

ということまで思い至ると,やっと「ああ,たしかに昭和は遠い」と実感できたのでした。

こうして,自分の若い頃のことをリアルに近いものとして感じるのが,発達心理学的な意味でのレミニセンスというものなのか,と思ったのでした。「年を取ったな」と感じた出来事でした。

レミニセンス

ちなみにレミニセンスは,数分間や数日間を空けると記憶がよく定着するといった認知・教育・学習上の意味だけではなく,日常のことをよく思い出すようになるという発達や臨床的な意味で使われることもあります。

お金のひみつ

ちなみに,とうしてギザつき十円玉に興味をもったのかと言うと,小学生の時に読んでいた学習まんがの影響です。あのシリーズは,本当に私の人生に大きな影響を与えたのではと思っています......。

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