子どもを平手打ちすると何が起きるのか
子どもが言うことを聞かないときに,つい平手打ちをしてしまったり,頭をゴツンと叩いてしまったり,お尻をひっぱたいてしまったり……いわゆる「体罰」なのですが,これは世界中で見られる行為だそうです。
UNICEFの調査によると,世界中の約8割のこともは,親からお尻を叩かれたりその他の体罰を受けた経験をもつそうです。子どもが良くないことをしたり,言うことを聞かなかったときに,親がそれを正すために体罰を用いるのかどうかと言う問題は,世界中で議論の対象となるものです。
研究結果
これまでにも,体罰が何に関連するのかという研究は数多く行われていて,多岐にわたる関連が報告されています。いろいろなことが言われているのですが,たとえば……
◎体罰にはほとんど効果はない
◎体罰は有害である
◎体罰は特定の状況下では有効である
◎体罰は子どもの認知,感情,行動の問題と関連があるがわずかである
など,さままざまな結論が下されていて,一定していません。こういう研究結果を見ると,人々も混乱してしまいそうですよね。
メタ分析
多くの研究が行われていますので,研究結果を統合するメタ分析を行うこともできます。これまでにもメタ分析は試みられているのですが,より最近の研究も含めたメタ分析も行われています。
今回紹介する研究は,英語でspankingと呼ばれる「(お尻をぴしゃりと打つ)平手打ち」のような体罰が関連する要因を広く集めて検討したものです。ひどい体罰ではないのかもしれませんが,子どもに手をあげるという行為自体がもつ意味もありそうです。
では,こちらの論文を見てみましょう(Spanking and Child Outcomes: Old Controversies and New Meta-Analyses)。
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