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死亡記事からわかる宗教と死亡年齢との関連

以前も書いたことがあるのですが,私の名前は自宅が檀家になっている住職の案からつけられたと聞いたことがあります。

法事で実家に戻ると,大きな仏壇があって,親族や一族が集まり(と書くのは必ずしも血縁関係で集まるというわけではなく,一族で集まるからなのですが),住職がやってきてお経をあげます。

でも,やはりどんどん集まる人も高齢化していて,あと何年の間,こういうことができるのだろうかと思ったりもします。私自身,実家からは遠く離れていますからね。

信心と長寿

宗教を信じることは,長生きに結びつくのでしょうか。その関連を結びつけるいくつかの要素を考えることはできます。

たとえば,宗教のコミュニティに入ることは,お互いに支え合ったり助け合ったりする,サポートをし合うような人間関係を形成することになります。このような関係が作られれば,より長く生きることにつながりそうです。お年寄りが多いからか,法事で集まるとすぐに年金生活がどうか,健康かということが話題になりますからね。そこで安否確認もされるという機能がありそうです。

また,宗教のコミュニティに属すると,ボランティアなどの自主的な活動に参加する機会が多くなります。掃除をしたり,集まりを主宰したり,集まったところで自主的に活動したり。このような活動は,身体も動かしますし人間関係を形成されます。また,生活の中で目標を持つことは,生きがいを提供します。

そして,これらの活動には大きな地域差がありそうですよね。東京の新興住宅街では,お寺の檀家の制度もうまく機能していないでしょうし,そのような活動に参加しようと思う人も少なそうです。

宗教と長寿

では,実際に宗教は長寿に結びつくのでしょうか。

2つの研究からこの問題にと力んだ研究を見てみましょう。この論文です(Religious people only live longer in religious cultural contexts: A gravestone analysis)。

この論文の興味深いところは,新聞記事やデータベースを分析対象にして,死亡年齢に何が影響する傾向にあるかを検討している点にあります。

宗教は何年長生きさせるのか

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