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だいたいの数字

何かを考えるときに,だいたいの数字を知っておくことは役に立ちます。それは,ぱっと思い浮かんだことに基づいてものごとを考えてしまうからです。

その基礎となるようなだいたいの数字を知っておくだけで,何かの数字に出会ったときに,その判断をする際のベースになります。

そのような直観のことを,利用可能性ヒューリスティックスとも言います。思い浮かびやすい事柄や簡単に手に入る事柄に基づいて,何かの判断をしてしまうことです。

ニュースやインターネット上の記事,SNSで流れてくる内容などを読んだとき,それをどのように評価するかは,頭の中にある自分自身の基準にもとづきます。記事を読んだとき,読み手はそこに表示された文字だけを理解する,というわけではないのです。書いてある内容を,自分の知識に基づいて理解します。ですから,そのベースを作っておくことは役に立ちます。

大学全入時代

たとえば「大学全入時代に」という記事のタイトルを見たとき何を考えますか。
「18歳になると全員が大学に入れるんだな。もっと大学を減らさないと」
と思ったりしていませんか?

18歳人口はおおよそ120万人……ということは,大学の定員も120万人分あるということだろうな。「少子化だ」と言われているし,時代とともにこの18歳人口も減っているはず。だから,子どもの数が減ってきたので,18歳人口の120万人全員がどこかの大学には入れるようになってしまったのだろうな。

それは違います。そもそも全員が大学への進学を希望するわけではないからです。

大学(と短大)への進学率はおおよそ55%ですので,だいたい65万人が現役での進学を希望します。この進学を希望する学生が全員,どこかの大学に籍を置くことができる状態になっていることから「大学全入」とされるのです。120万人分の定員枠があるわけではありません。

それにもちろん,全員が入りたい大学に入れるというわけでもありません。

大学志願者ランキング

これも毎年報道される,大学志願者数ランキングです。2018年の志願ランキングを見ると,10万人以上の志願を集めた大学は6大学ありました。1位から10位までを並べると,次のようになります。

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