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平常運転のバイアス

8月5日,たまたまテレビをつけていて,TBSの『終戦スペシャル「学徒出陣~大学生はなぜ死んだ?」あの戦争を忘れない…』を観ました。

「負けるのでは」「とても勝てっこない」「もうだめだろう」と思いつつもそれを口に出せずに戦地へ赴き,米兵に追い詰められながらジャングルを逃げ,苦しさのあまり死の方が楽に思えるという体験談が語られていました。

想像するのも難しい特殊な状況下で生活することは,今の私たちにとってはなかなか想像できないことなのですが,そういうときでも以外と平常運転ができてしまうのではないかとも思います。

目次

・正常性バイアス
・少しずつの変化
・周囲の圧力
・太平洋戦争博物館

正常性バイアス

突然,何らかの特殊な状況(災害や戦時下)に置かれたとしても,多くの人は意外と普通にふるまいます。

まず,私たちは身に降りかかる不運を受け入れるのにしばらく時間がかかります。これまでの生活が比較的平穏無事だったので,これからもそうだと信じる傾向があるのです。

そして,些細だけれども良くない結果をもたらすシグナルを見逃したり,重大な変化を軽視したり,自分にとって都合の悪くなりそうな情報を過小評価します。このような認知的な特徴は,正常性バイアスと呼ばれます。

たいてい私たちは,これまでの経験からパターンを見出し,それを未来に当てはめて理解しようとします。これまでが無事だったので,これからも大丈夫だろうというパターンを適用するというわけです。

こういったやり方はたいていうまくいくのですが,突飛な出来事が例外だと認識するのに時間がかかる,という欠点があるのです。

少しずつの変化

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