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虫歯になる子とならない子

子どもが3人いると,不思議なことが起きることに気づくことがあります。同じ親から生まれて,そんなに違う生活をしているわけでもないのに,「あれ?」と思う瞬間があるのですよね。

これまでに気になったことのひとつは,虫歯になるかならないかです。

虫歯との戦い

私自身はとても虫歯になりやすくて,小学生の時もよく歯医者で治療を受けていました。口の中には当時の治療の跡がたくさん残っています。虫歯だけじゃなく,歯茎の腫れもありましたし,親知らずもずっと痛かったですね......。

それらをやっと一通り治したのは,大学を卒業した頃です。歯茎の中に半分埋まっていた親知らずも全て抜き,虫歯の治療も一通り全てやりました。大人になってからの強い味方は,電動歯ブラシとフロスに口腔洗浄剤です。これらを使うようになってから,ほとんど虫歯になることはなくなりました。ありがたいことです。

子どもたちの虫歯

さて,子どもたちを見ていて不思議なのは何かというと,適当にしか歯を磨いていないのに,全然虫歯にならない子と,毎日しっかり磨いているのにちょくちょく虫歯が見つかる子がいることです。

もちろん,毎日磨いていても適当に磨いていれば虫歯になるだろう,と思うかもしれません。ところが,親から見ていても,この子はちゃんと磨いているはずという印象の子が虫歯になるのです。その一方で,こいつはもうちょっと磨いておこうよと心配になる子の方は,歯医者に行っても「とてもきれいで虫歯はまったくありませんね!」と褒められたりするのです。

……この褒め方,子どもの教育にも良くない……と思ってしまうほどです。

このように,あれ?歯磨きって,虫歯になることにそんなに関係ないの?と思わせるほどの結果なのですよね……。

個人差の原因

実は,虫歯の個人差には原因があるようなのですよね。

ひとつは,虫歯を引き起こす菌が口のなかに感染しているかどうかです。子どもが生まれたときには,口のなかに虫歯菌の代表であるミュータンスレンサ球菌がないそうなのです。その後,食器や口移しで親から感染するのだとか……ということは,ごめんよ,我が子よ,感染させてしまって……ということでしょうか。

歯磨きしても虫歯になるのは何故??という記事には,虫歯になるいくつかの要因が挙げられています。まず,歯列不正などの構造上の不備つまり歯並びの悪さです。これも,本人にはどうしようもない部分がありますよね。それから,虫歯菌の餌つまりショ糖のとりすぎです。これは気をつければなんとかなりそうです。そして,歯の強さや唾液量です。歯磨きのしすぎもよくありませんし,ストレスなどで唾液量が減ることがあるかもしれません。あとは,早期発見や定期的な検診ですね。

このように見てくると,本人の意思や生活習慣でなんとかなる部分と,どうしようもなさそうな部分の両方があって,そのことで虫歯の個人差を生じさせているようです。虫歯は必ずしも,本人の不注意が原因だとは言えないようです。

他と同じ

この,本人の努力でなんとかなる要因とならない要因が混在しているというのは,多くのことについてそうだと思うのですよね。でも,実際にはそうなのに,虫歯になるとどうしても「本人の努力が足りない」「生活習慣がだらしない」ということになってしまいがちです。

何が原因なのか,ということを,もう少ししっかりと考えておかないと,適切な対処につながらなさそうです。ぜひ他のことについても,同じような枠組みで考えてみてはどうでしょうか。

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