大人になった時に開放性が高くなる子どもの特徴は?
「開放性」は,基本的なパーソナリティ特性のひとつです。
とはいえ,言葉の問題からなのか「開放性」と聞くと人間関係に関連する特徴のように思ったり,外向性とよく似た外に意識が向かうことを指すのではないかと考えたりする人がいるようです。
パーソナリティの開放性は,そういう内容とは違う内容になっています。
オープンネス
開放性はOpennessの翻訳です。もともとはOpenness to Experienceと呼ばれ,「経験への開放性」と訳されていました。それが省略されて,今では論文でも「Openness」「開放性」とシンプルに書かれるようになっています。
以前にも記事に書きましたが,開放性の特徴は,
◎空想にふけること
◎芸術や学問に関心を抱くこと
◎自分の感情を意識して言葉に表現すること
◎これまでにしたことがない新しい体験に興味をもつこと
◎アイデアを練ることや新しい考え方が好き
◎権威やしきたりにこだわらない
といったものです。
やはり,対人関係ではないですよね。どちらかというと,物事の考え方とか捉え方の特徴が中心になっていることがわかります。
この開放性は,どういうことから発達していくのでしょうか。そんな研究を見てみましょう。
開放性が高くなるためには
子どもの時のどんな特徴が,大人になってからの開放性の高さに関連するのでしょうか。そんな長期間にわたる現象を捉えようとした研究があります。この論文(Childhood Intelligence Predicts Adult Trait Openness)です。
この研究では,長期縦断調査のデータが分析されています。1958年から始まったプロジェクトで,参加したのはイギリスの11歳の子どもたち14,134名でした。その子は33歳のときに11,142名が教育経験を回答し,42歳の時に職業について,50歳のときに8,532名がパーソナリティ特性の調査に回答しました。
結果は
さて,子どもの時のどのような特徴が,50歳の時の開放性の高さに関連したのでしょうか。
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