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研究生活セット

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研究活動,研究生活,研究環境に関連するトピックを集めました。研究とはどういうものか,研究者は何を考えるのかなどを知るためのセットです。
研究者の生活についてまとめた,研究とはどういうものか,研究者は何を考えるのかなどを知るためのセット…
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2021年7月の記事一覧

テキサスのとんでもなく上手な射撃手の話

ある男性が,テキサス州のある家畜小屋のそばを歩いていました。 ふと家畜小屋の壁を見ると,小屋の壁一面にウシの絵が何頭も描かれています。そして驚いたことに,すべてのウシの目が見事に銃で撃ち抜かれていたのです。 男性は驚いてじっとその壁を見ていました。すると,後ろから少年が声をかけてきました。男性が壁を見て驚いていたんだと言います。 その少年は「ぜんぶ自分がやった」と言うのです。 男性はさらに驚いて,「どうやったんだい?」と尋ねました。 撃ち抜き方というストーリーが,テ

インパクト・ファクターの話

実は私の大学には,「ハイ・インパクトジャーナル掲載支援プログラム」というものがありまして,「インパクトの高いジャーナルに投稿論文が掲載された際に、それに係って発生した諸経費を補助します」という趣旨の制度になっています。ジャーナルのインパクト・ファクターの上位何%以内に位置する雑誌に掲載された場合にその経費を補助します,というものです。 心理学の雑誌も対象になっていて,リストに挙がっている雑誌に掲載されたときには申請することができます。大学としてこのような形で研究者を支援する

生命科学クライシス

今回は,『生命科学クライシス』というタイトルの本の紹介です。 私も,新型コロナウイルス感染症のワクチンを接種しました。今回の新型コロナウイルス感染症の拡大と,それに対するワクチン開発の迅速さについては,驚いたことのひとつです。 この本は今回のパンデミックが起きる前に出版されたものなのですが,新しい薬品の開発がいかに困難に陥っているのかということがひとつの問題として提起されています。 新薬開発に時間がかかるまず,そもそも何か新しい薬を作ることに,とても時間がかかるようにな

たくさんの著者がいる論文を書く時のガイドライン

他の研究分野でも同じではないかと思うのですが,心理学の研究でも1本の論文に示される著者の数は,どんどん増加してきた印象があります。私が大学院生の頃はまだ論文の著者が「1名」つまり単著であることが珍しくなかったのですが,いまでは少数派になっているのではないでしょうか。 メリット共著で論文を書くことのメリットはあれこれと考えることができそうです。 ◎執筆のスピードアップ……手が空いた人が作業することができる,共同研究者がいるとプレッシャーになって作業が進む? ◎ストレスの低減