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妊娠と流産の経験

妊娠を疑う

年末の自分の誕生日くらいまでは生理が遅れているだけだと思っていた。そのうち来るだろうくらいの気持ちで軽く考えていた。でも35日くらいの周期になることがある私でも、45日とかになってくると、流石におかしいと思った。身体にも変化を感じていて、ずっと体温が高めで、胸が張っていた。お正月を本格的に迎える前に、人生初の妊娠検査薬を購入したのはそんな時だった。

妊娠検査薬のことはテレビなどで存在を知っていただけだったから、尿をかけるだけで、すぐに結果がわかることも知らなかった。そして、すぐに出た陽性の印。とても濃く出ていた。嬉しいというより、まずは「本当か?」と疑う気持ちが強かった。でもとりあえず産婦人科の予約を取らねばと思って、近くの病院情報を検索。家から1kmもない位置、たまに走っている道路沿いに産院があることを知り、予約を入れる。時は12月30日。予約を取れるのは、最短でも一週間後だった。そしてまだ妊娠を疑っていた私は、友人との約束のある日にちは避け、ほぼ二週間後に予約を入れた。

翌日の朝、大晦日。もう一度妊娠検査薬を使う。やはり陽性。この時点でまだ夫には言ってなかった。この時点ですでに6週目とりあえずお酒を飲むのはやめることにして、夫と一緒に佐賀へ。道中、夫に妊娠しているっぽいと伝えた。妊娠中の禁忌を確認して、とりあえずお酒を飲むことをやめ、コーヒーも控えめにすることにした。お刺身などは特に気にせず食べたけど、お酒を飲まないお正月は飲めるようになってからは初めてだったな。

最初の検診 - 妊娠確定、心拍確認

三が日が終わり、成人の日を含む三連休が終わり、ようやく迎えた健診日。この時点で、自分の中で、絶対妊娠しているという感覚があった。ただ子宮外妊娠というものもあるようだし、正常にちゃんと妊娠しているか、胎芽が確認できるかはわからない、という気持ちで割と冷静だった。受付をして、簡単に問診を終えた後、経膣エコー。無事に赤ちゃんを確認する。心拍も見え、「おめでとうございます!」と言われる。それを聞いて嬉しくなった。8週目で心拍確認できたらから、母子手帳をもらってきてくださいと言われた。予定日は次回決めるということで、二週間後の予約を入れてこの日は終了。

実際に妊娠の確定診断を受け、とても嬉しかった。私は貧血持ちで、ここ3年ほどはピルを飲んでいた。9月に結婚して、ピルを飲むのをやめた。それから2回の生理を経て、妊娠。36歳という年齢だったし、正直こんなにすんなり妊娠できると思っていなかったので、驚いた。不妊治療に苦しむ人もたくさんいることは知っていたし、自分がすんなり妊娠できるかどうかはわからなかったので、妊娠できたことが嬉しかった。

つわりは軽度だった。お腹が空いた時に気持ち悪くなるのと、それ以外でも時おり気持ち悪く、疲れやすいなと感じることがある程度。妊娠が確定してからは、母子手帳をもらいに行ったり、妊娠関連の情報を色々読みあさっていた。妊娠初期に流産しやすいこと、気を付ける行動や食事などをチェックして。また、予定日のことを考えて、産まれたら仕事をどうしようかなどと考える日々だった。

2回目の検診 - 流産かもしれない

二週間後の検診日。経膣エコーを入れられてからしばらく無言の時間が続く。この時点でちょっと良くないんだろうなという想像はついた。必死に探しているような感じの先生。数分の後、見解を伝えられる。心拍が非常に見えづらく、動いているようには見えるが、とても弱いと。信じたくない気持ちを持ちつつ、その日予定していた初期検査のため予定通りに採血。その後診察。

心拍がはっきり確認できなかったこと、前回の大きさからもあまり大きくなっていなかったことを説明され、流産になる可能性があると言われた。一週間後にもう一回検診に来ることになった。

その時点で、予定していた海外旅行について聞いてみた。今回の妊娠は狙ったものではなく、新婚旅行を計画していたのだ。コロナも落ち着いてきて、海外へも割と気軽に行けるようになったし、お互い休みも取れるタイミングということで、10日ほどのヨーロッパへの旅行のスケジュールを組んでいた。当初、12週目で安定していたらそのまま行ってしまおうという気持ちでいた。流産となるとどうなるのだろう、と。

一週間後に検診で、流産確定となった場合、すぐに手術をするとして、日程的に旅行は相当厳しそうと言われる。でも行けるように真摯に考えてくれていることが伝わってきて、好感を持った。流産かもしれないということにショックを受け、楽しみにしていた新婚旅行がダメになるかもしれないと思い、これにもショックを受ける。少しだけ泣きそうになったが、割と落ち着いている自分がいた。家に戻って、在宅勤務をしていた夫に事実を伝える。その日は流産について色々調べて、考え込んでしまった。

流産かもと言われてから数日を経て

そこから数日経った今。稽留流産に関しても色々と調べ、結果を受け入れる心構えは整った。体温も下がってきているし、心拍数も下がっていて、つわりと思える症状もなくなった。正直もうこれはダメなのかもしれないと感じている。だけどお腹の赤ちゃんを信じてあげたい気持ちももちろんあって、お酒やカフェインの摂取は引き続き控えているし、完全に諦めているわけではない。一方で、流産しているとして、どう旅行へ行こうかを考えている自分もいる。流産しているかどうかに関わらず、「旅行に行きたい」と考えている私は自分勝手なのだろう。もしも赤ちゃんが無事に産まれて来てくれるなら全力で守るし、必要なら当然旅行も諦める。たとえ流産だったとしても、今回のことは一生忘れないだろう。まずは、妊娠させてくれてありがとう。たとえ少しの時間でも、妊婦として過ごせた時間は幸せだったと思っている。

自然排出の経験は下記記事にて


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