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市境

まあそんなものかも知れないが、意外と自分の住んでいる周辺というのは、ゆっくり歩いたことがない。
東京の駐車場事情は厳しいので、家から駐車場まではそこそこ距離があって、そのくらいは歩いているのだけど、まあ経路も同じだから他の場所はほとんど知らないに等しいのだ。

ぼくが生まれて育ったのは商店街のど真ん中みたいな所で、気持ちがすんなり落ち着くのは、ザワザワとした雑踏のある所だったりするが、今住んでいるのは街道沿いなので車の往来は多いが、人通りはそれほどでもない。
国分寺の駅まで出れば人は多くなるけれど、まあ駅の周辺だけの話だ。

駅は「ハケ」と呼ばれる国分寺崖線の上にあって、ぼくの家は崖下なので駅に出るには坂を上がらないと行けない。
距離にすれば大した距離ではないが、あの坂を思うとうんざりしてしまう。
長く住んだ商店街は駅まで出るのに坂などまったくなかったが、次に住んだ所は小高い場所にあって、最寄りのバス停から家までほぼ全部が上り坂だった。
その次に住んだ岡崎市も、やはり丘の上みたいな立地で駅までも遠かったから、まず車以外では外出しなかった。
なにかと坂には縁があるようだ。

「中央線三寺文化」なんて言われたりするようだが、再開発の波はどこにも均等に容赦なく、ぼくが住むようになってからですら国分寺駅周辺はずいぶん変わった。
これは中央線に限った話ではないだろうけれど、どこの駅も似たような感じになってしまって、あまり独自の文化という感じはしない。
思うのは学生とお年寄りが多いこと、国分寺街道の歩道がないに等しいので歩くのが怖いということ。

今日は家から府中に向かって歩いてみた。
家は国分寺市と府中市の境目みたいなところなので、ほんの少し歩くと府中市になる。
なので写真のほとんどは府中市だ。


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